URっていう存在をどう見るかだね | 備忘録以上、評論未満。

 

UR(都市再生機構)の物件に

 

住んでいるせいか

 

こういう資料を目にすると

 

仕事そっちのけで読み耽ってしまう(笑)

 

URと言われてもピンと来ない人や

 

知ってはいるけれど興味ない人は

 

スルーしてもらって結構です。

 

 

ただし

 

この政府資料には

 

UR事業の分析と将来を論じつつ

 

日本国とその不動産の未来が

 

透けて見える。

 

読んどいて損はない。

 

 

参考:日本政府

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gskaigi/kaikaku/wg4/dai5/siryou1.pdf

 

 

 

居住者として思うことがあって

 

それは次の二点。

 

①高齢者「激増社会」でURが復権

②外国人労働者(移民)の受け皿

 

 

高齢者激増と外国人労働者という

 

二つの要素は今後

 

緩やかに落ちていく日本社会が

 

避けて通れない要素だが

 

それを「受ける」ことができるのは

 

民間のデベロッパーではなく

 

おそらくURだろう。

 

 

 

URの家賃は地域相場に準拠するが

 

「保証人不要 礼金不要 更新なし」

「シングル家庭、高齢者は家賃割引」

 

こういう要素があるので

 

①も②も入居しやすい。

 

いわゆるセーフティーネット

 

という役割もあるのだ。

 

ただし

 

都営住宅や県営住宅などと違い

 

低所得者向けの公共事業ではない。

 

だから家賃は決して安くないが

 

払ってくれさえすれば大丈夫

 

という仕組みだ。

 

一年とか三年とか家賃を先払いすると

 

月額家賃がかなり安くなる。

 

入居の際の抽選も一切ない。

 

空いていれば入れる。

(もちろん審査はあるけど)

 

 

ちなみにうちのコミュニティは

 

総数1200戸くらいだが

 

わかっているだけで18カ国の

 

人々が居住している模様。

 

老人世帯も激増している感じ。

 

子供も多いし(地域全体に激増中)

 

シングル家庭もかなりある様子。

 

アフリカ人と中国人が

 

道ばたで日本語でケンカしているのは

 

なかなか壮観だ。

 

インド人が夜中に子供をあやすのは

 

ちょっとうるさいけどね。

 

 

 

ちなみに民主党政権時に

 

URの完全廃止論や完全民営化論が出て

 

すったもんだした末

 

結局なしになったのだが

 

国の状況を長期的にとらえると

 

先ほどの二つの要素に対する

 

いわゆる「受け皿」を

 

ある程度は残しておかないと

 

非常にまずい状況に陥ると思う。

 

ソーシャルデザインというものを

 

30年くらい先まで想像する上で

 

私はそう感じている。

 

 

 

その延長線上で考えると

 

エリアによっては

 

URを

 

「高齢者向けの専門施設」

 

として

 

リニューアルする方法が

 

あるかもしれない。

 

そんな手段を選ばずとも

 

すでにそうなりつつあるけどね(笑)

 

 

 

最後に少しだけ個人的な話を。

 

そもそもなぜ

 

私がURに住もうと思ったのかというと

 

①保証人や礼金や更新が不要

②民間賃貸マンションより作りが良い

③国への間接的な支援

 

この三つだ。

 

①と②はわかると思うが

 

でも③は?と不思議がられる。

 

 

URは国に対して11兆円もの

 

借金(有利子負債)がある。

 

なぜこんな巨額の借金があるのか?

 

それは戦後日本の歴史を紐解けば

 

すぐにわかる。

 

「国民が安心して住める集合住宅」

 

の供給という

 

かつてないスケールの公共事業を通じて

 

UR(当時の日本住宅公団)は

 

復興期の日本社会を支えてきたのだ。

 

そしてこの国家政策が

 

安心して出産と育児ができる環境

 

を創出したことも事実。

 

 

私は小学校入学の頃から

 

大学で東京に出て来るまでずっと

 

福岡市にあるマンモス団地で育った。

 

生粋の「団地っ子」だ。

 

同じ棟に同学年(同級生)が8人もいた。

 

余談だがあまりにもデカすぎて

 

同じ団地なのに進む中学校が分けられた。

 

そういう背景も心理的にありつつ

 

子供のいない夫婦として暮らしているので

 

僭越ながら

 

今の自分が国に対してできることは

 

こういうことくらいかなと。

 

どうせどっかに住まなきゃいけないし

 

URにでも住んで気楽に暮らしつつ

 

間接的に国を援助できればいいかなと。

 

 

 

まあでも

 

いつまでURにいるのか

 

わからんけどね(笑)