ブランドのロゴがデカくなった理由 | 備忘録以上、評論未満。

 

3年前まで某外資系企業で

 

執行役員をやっていた知人と

 

半期に一度のお昼ご飯に行った。

 

なんせ半期に一度だから

 

話す内容がかなり濃い(笑)

 

その話の中で出た

 

「ここ数年ロゴがデカくなった件」

 

について

 

とても明快な意見が聞けた。

 

 

 

とくに外資系ブランドについて

 

言えることなのだが

 

ここ数年(たぶん4~6年)

 

アイテムに表示されるブランドロゴが

 

どんどん巨大化している。

 

すでに気づいている人もいるだろう。

 

私も市場の経年変化に

 

「ん?」

 

っと思っていた。

 

私自身は50代前半だが

 

この世代よりも上になると

 

ブランドロゴについては

 

・なるだけ小さく

・さりげなく

 

という方向性を圧倒的に好む。

(そうじゃないのもいるけどね)

 

 

しかし最近は若い層で

 

そうじゃなくなっている。

 

街を歩いていると

 

ブランドロゴが胸前で巨大化する服を

 

堂々と着て

 

颯爽と歩いている。

 

バッグや帽子などの服飾雑貨も

 

同じくロゴがデカい物が増えた。

 

へえ、そんな時代なのかと

 

最初は気にも留めなかったが

 

目につく頻度が徐々に上がるにつれて

 

「本当に世代意識の違いなのか?

 それとも別の理由があるのか?」

 

と興味を持つようになった。

 

 

冒頭の知人(元執行役員)は

 

その疑問に対してこう答えた。

 

「対中国マーケティングですよ」

 

そのコメントを聞いた瞬間

 

一気に腑に落ちた。

 

 

中国人は日本人の趣味・趣向と違い

 

例えばブランドのロゴについて

 

・なるだけ大きい

・目立つ

 

という方向性を圧倒的に好む。

 

中国本土(沿岸部の大都市圏)では

 

無印良品が人気あるらしいが

 

それもほんの一部のマニアが

 

支持しているにすぎない。

 

このマニアと私は方向性が同じだろう(笑)

 

つまり

 

「ブランドと呼ばれる高級イメージが好き」

 

というタイプではなく

 

「その世界観(物語性)が好き」

 

というタイプだ。

 

 

 

世界でもっとも莫大な収益を上げる

 

中国市場でのマーケティングのため

 

さらに中国本土の資本からの提案もあり

 

外資系ブランドはこぞって

 

ブランドロゴを大きくした。

 

米国では受けるかもしれない。

 

米国人と中国人の嗜好は似てるから。

 

しかし外資系ブランドは

 

こうした商品を欧州では販売しない。

 

恥ずかしいから(笑)

 

フランス人もイタリア人も

 

それくらい知ってますよ。

 

ブランドロゴを巨大化することが

 

いかに恥ずかしいかってこと。

 

それはブランドではなく

 

スーパーマーケットで販売される

 

PB(プライベートブランド)に近い。

 

量販店商品って感覚になる。

 

 

日本の若い世代の多くも

 

躊躇なく「デカロゴ」を身に着ける。

 

これは若い連中自身が

 

最初からそうした嗜好なのではなく

 

メディアや広告(とくにSNSステマ)などで

 

時間をかけて刷り込まれた結果だ。

 

「デカロゴ、カッコいいぜ」と。

 

外資系ブランド側は日本に対して

 

テストマーケティングだったのだろう。

 

もし売れなければ中国に注力するし

 

売れれば「日本の若い子にも人気」と

 

アジア全域でPRできる。

 

何だかんだ言って

 

まだ日本の若者はアジアの若者から見ると

 

ファッションリーダー的な存在だ。

 

しかし結果は、売れてしまった。

 

大多数の中国人と「同じ感性」であると

 

外資系ヘッドオフィスも判断した。

 

 

ちなみに中国だけでなく

 

ここ3年ほどは

 

ベトナムやカンボジアやミャンマーなど

 

ASEAN諸国の中でも

 

とくに成長著しい新興国家群で

 

「デカロゴ」商品が

 

ガンガン投入されているそうだ。

 

アジアっていつまで

 

こんな扱いなんだろうなあ(笑)