某大学で心理学を学ぼうと3年次に編入学したのは30代前半の時だった。

 

同じ年に編入学したのは私ふくめ10人程度。

 

みんな社会人を経験してから大学に入ったという共通点で

いつも集まり、昼ご飯を一緒に食べたり一緒に帰ったりしていた。

 

あと学年は違うが、年が近い私たちと昼ごはんを一緒に食べていたAさん(男性)もいた。

 

入学してしばらくすると

『O君がみんなを待ち伏せをしたりドアを開けたりするのが怖い』

『プレゼントを渡してきたりが気持ち悪い』

など大騒ぎになり、みんなでO君を避ける行為が始まった。

 

理由を言ってもらえず急に避けられて

パニックになっているO君を見ていると心痛んだ。

 

『せめて理由を言ってあげたい』と発言した私がO君に

『こういう理由で皆こわがっている。もう近づかない方がいい』と言う役割をしたりもした。

 

その集団は自分を含め、機能不全家族で育った人の集まりだった。

 

Aさん(男性)もターゲットになり、グループの一人が悪意あるAさんの似顔絵を描き笑っていた。

 

私はこれから心理士になろうと志す人間のやる事なのかと怖かったし驚いた。

 

 

ある日、Eちゃんから私の携帯に『もう学校をやめる。今までありがとう』という内容のメールが来た。

 

Eちゃんのヘルプを感じたので、すぐにEちゃんの携帯に電話すると号泣していた。

 

『母親から無視されていて料理も自分の分だけ作ってくれない。

出ていけと言われたから一人暮らしをする。家賃を払うと大学費用が払えないので大学をやめる』という事だった。

 

Eちゃんは、学校ではニコニコして元気な子でみんなに声をかける優しい子だったからとても驚いた。

 

明るいEちゃんが、私にだけ重い内容のメールをしてきた事を不思議に思ったが、

自分にだけ本当の自分、弱い部分を見せてくれた事を光栄にも感じた。

 

翌日、Eちゃんは学校を休んでいた。私だけ知っているEちゃんの事情。

 

辞めると言っていたけど回避できないのだろうか。

私一人だけでは抱えるのが重く、他の人の知恵も借りたかったのもある。

 

私と年齢が近いR子さんとMちゃんにだけEちゃんの事を相談した。

Eちゃんに『R子さんMちゃんに話したけど良かった?もしいやだったらごめんね』とメールをすると

言ってくれてありがとうと返事がきた。

 

その日からEちゃんはみんなに家族の相談を堂々と話すようになったが

グループのMちゃんから説教されたようで

 

『説教されたのはMちゃんに教えたお前のせいだ!』と

私に暴言をはいたり、私と二人きりになると睨んだり無視をするようになった。

 

でもEちゃんは、昼休憩などみんなが集まる席ではニコニコ笑顔で私に話しかけていた。

 

そのグループは授業中大声で騒いでいて、私は真剣に授業を聞きたかったので

先生の声が聞こえず『静かにしろよ!』と怒りがわいたが、言えなかった。

 

今思うと先生の声が聞こえる前の席に行けばいいのに。

 

自分だけグループから離れる勇気もなく、いつもグループの子達の近くに座っていた。

 

そんな私の事が面白かったのだろうか。

 

Eちゃんは授業が終わると私から逃げるように走り、グループの女子と目を合わせて笑っていた。

 

そんな事をされているのに、私はEちゃんやグループの皆から受け入れてほしかった。

自分がとてもみじめだった。

 

(これ、前にブログに書いた子供会のシチュエーションとまったく同じ!と書きながら気づいた)

 

Eちゃんがふと私にもらした言葉も思い出した。

 

『人の事悪く言っている時はターゲットが自分に向かないから言っている』と。

 

私はみんなの事が怖くなり、学校に行くのがとてもしんどかったが

私は自分の感情を押し殺して何事も起こっていないような顔をして

毎日学校に行き、そのグループの中に居続けた。

 

当時は泣きたいのに泣けなかった。

心から笑ったり泣いたりを何年もしていなかった。

心が完全に凍り付いていた。

 

大学の中で自分と合う人が、他に居なかったのか?

 

そういえば編入学生で、一人で行動する女子がいた事を思い出した。

その子はすらっと背が高くオシャレで、入学当初から私達とはつるまず一人で行動していた。

 

その子は年の途中に、なぜか私たちと同じゼミに入ってきた。

 

『これから一緒に勉強できるね』と喜びあった記憶がある。

 

話すと笑いのセンスがあり面白く、私が編入学生の中でいちばん好意を持った子だった。

 

でもその子はすぐに大学に来なくなった。

 

はっきりと覚えていないが、私たちが卒業するまでほとんど大学に来なかったように思う。

 

他に

ひとつ上の学年にも

自分と同世代ぐらいの、いつも一人で行動していた女性がいた。

 

その女性の事も、グループのEちゃんが悪く言っていたので声を掛けずらかった。

本当はO君ともその人とも話したかったのに。

 

うーんこうやって振り返ってみると

Eちゃんにマインドコントロールされていたんだろうなと思う。

(相手にその意図はなかったとしても)

 

卒業式の日、私の感情がマックス限界になり休んだ。

R子さんから『今日どうしたん?』とメールがきて号泣した。

本当は大丈夫?と気にかけてほしかったんだ。

 

卒業してからも、O君から年賀状は毎年届いていた事も思い出した。


この当時は自分がAC共依存の問題があると自覚がなかったが

今こうして書き出してみると、みんなの問題に巻き込まれまくっていた事がわかる。

 

このブログを書いていた当初は心が痛くみじめな気持ちになったが

やはり忘れていた事を思い出せた。

 

好きと感じる人はいた。

話していて楽しい人もいた。

 

でも私はその人に近づくのではなく

 

自分を否定する人達の側から離れず

受け入れてほしくて一生懸命になり

好きと思う人との関係を構築していないという事がわかった。

 

 

これからは好きと感じる人を疎かにせず

大切にしていきたい。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。