何度も話したよなあ。
昔、ハジキが暴発した現場にいたこと。
新宿の老舗喫茶店で。
あたしの顔の左30cmぐれぇ離れたとこに、タマが飛んできて壁に穴開けた。
で、あたし、そんときは左側だけが重度難聴でね。
(いまは両耳もろとも)
銃が、蚊の音ぐらいにしか聴こえんかった。
そのまま平気でチョコレートケーキ食ってた。
翌日から、店のひとの対応が明らかに変わって丁重にもてなされるようになった。
姐さん。いらっしゃい、と。
そこ、誰にケツ拭かせるとか、若い衆に向かわせるとか、100でいいか?などの打ち合わせで使われる有名な店で。
もちろん暴発したことさえ事件化さえしない。
あぁ、拳銃の音、聞いたことあるよな?(あるかよ!
)
テレビドラマのバキューンなんて綺麗な音はしねぇよ。
柿の種とか銀座ウエストのリーフパイとか(菓子の名称はいい)の缶のふたに、パチンコ玉が当たったようなパンパン!って音。
音だけで、どのハジキかなんてあたしには解らない。
トカレフとかコルトとかあって。
ナンブとかサクラとかあって。(それ、ケーサツ・・)
裏から廻るのはだいたい決まってたけど。
性能がすこぶる悪い。
北朝鮮製とか。
5連発のだとか、シリンダー式とか、音の出るタイミングでなら解るときがあるけど、撃つほうもシロウトなんでめちゃくちゃなんだ。
関西や広島の組織の言い合いが、あたしにはどこまで普通の会話なのか、ここからケンカなのかが解らなかった。
つうか、方言自体が聴き取れない。
なんとかわれ、なんとかけぇ、なんとかオら、遠くから眺めてると、刃物なんかが出てきた時点で、あぁ、やはり仲が悪かったのか
と把握できる始末。
でも、こんな、、軽いパチンコ玉の音で死ぬのはいやだな。
戦争なんて起きなきゃいいと思う。
ひとさまから粗末な食事と言われようが、家がボロいと言われようが、じぶんが幸せならいいことだ。
あたしが、いま、生きているのはホントにたまたまだ。
景色の良い部屋に住めるのも、化粧品が買えるのも、たまたまだ、、。
あんたらと知り合えたのも、たまたまだろ。
いつ、すべてが滅びるかなんぞ解らん。
だから、もめごとも、殺し合いも、深作監督の映画の世界観だけで充分だ。
深作監督は、戦争時の友の死や理不尽な国に対しての反骨心から危ない映画を撮るようになった。
正義や平和はまやかしだと知ってるからだ。
平和なんて、あっというまに消えてしまうものだと解っているからだ。
ひとは、世の風潮に逆らうことをやめたら終わりだ。
じぶんがなにをしようと社会は変わらない、って言う安いヤツはでぇ嫌れぇ。
そういうヤツに限って、いざ変わりだすと最初から参加してましたぁ~って顔をする汚いにんげんなんだよ。
信頼出来んね。いらねぇよ。
そんなバカは。
慶応を過ぎたあたりから赤羽橋へ向かう方向。
ここからの東京タワーは最高。
夜は汚いものを隠蔽してくれるからね。