日本帰国での浜松では熱心な助産師さん、理学療法士、産婦人科医の先生方と勉強会をさせてもらいました
配信で会員の方のために録画されるとのことで、、
おしゃれ美容室に行ったけど、
家族からは
「変わってないと言われた」のは内緒
医療界でも
「海外は良くて、英語が話せない日本は遅れている」
(2008年のスペインの学会表彰式では「Thank you」しか言えませんでした。)
と良く言われていますが、オーストラリアと日本を比べると(自分には他の国に住んだことないので言えませんが)、
日本のフィジオの技術や研究、ドクターの手術の技術や熱心さ、全くもって遅れていないと思っています。
たくさんの日本人は過小評価されているというのが自分の印象です。(もちろん英語の論文が少ない等はありますが、、)
しかしながら英語圏で住むというのはいい面もたくさんあります。
最新の論文を手軽に読めるのでアメリカでこんな研究でた、
イギリスでもこの発表、
カナダではこんなこともしているのか?
というのをすぐに読めるのはありがたいです。
その中でもオーストラリアと比べて日本の理学療法士が遅れているというか関わりが明らかに少ないのが「産前産後の理学療法」です。
産前はもちろん、産後でも必ず病室にフィジオが来て、
フィジオからの診察を受けないと退院できないので、
まず妊婦さんがフィジオと関わらないことがないのがオーストラリアです。
前置きが長くなりましたが、
フィジオ、助産師、産婦人科医がより助け合って協力して産前産後に関われれば、もっとたくさんの方の生活を改善できると思います。
それをやりたいという素晴らしい先生、助産師さん達と勉強会ができたのが、冒頭の浜松なんです。
1時間半の自分の講義はもとより、
その後の懇親会、2次会と夜中まで
お酒と美味しい料理と熱心な勉強の話、どうやってシステムを作っていくかをいう話をして本当に楽しかったとともに、助産師さんのお姉様方の体力に驚いた回でした。笑
ワインとシャンパンの空瓶の本数がすごい笑
カラオケで熱唱したその10秒後に、
「この症例に対してはどうしていくのがいいんですかね?」
とか
「どうやって他職種とコラボしていけばいいんですかね?」
と、一所懸命討論して、
またもち歌になったら熱唱されてというのを繰り返し。
「よく遊びよく学べ」
自分の最初に入職した院長にもよく言われていたのを思い出しました。
(自分も結構遊びも一生懸命だった方でしたが、酔ってまで勉強の話をするのはよほどこの分野、仕事が好きなんだと思います)
2つ目の前置きも終わり、本番です。
いつも長くてすみません。笑
いつも遊んでばかりの内容なので久しぶりに真面目に論文の紹介をします。
産前産後の尿失禁については以前書かせてもらいましたので興味がある方はどうぞ
https://motophysio.com/maternity-2/
他にも腹直筋離開
https://motophysio.com/rectus/
続いて理学療法士と助産師が関わる上で多いのが(First Contactで会うのでスクリーニングが可能)産後うつ
- 発生率 産前から産後7ヶ月までに約30%(オーストラリア)
Edinburgh Postnatal Depression Scale (EPDS)
(日本語:エジンバラ産後うつ質問票)10の質問
- 高いほどうつ傾向
- カットオフ:13点(30点満点)以上で診断
Okano 1996
治療
助産師
- 授乳やパートナー等の問題のピックアップ(紹介状の考慮)
理学療法士
- 運動療法
精神科医 (Psychiatrists)
心理カウンセラー(Psychologists)
産後うつに対するフィジオの12週エクササイズプログラム
- ストレッチ, 自転車, 歩行,プール等本人が継続できるもの
- 週60−120分の有酸素運動 最大心拍数の60−85%程度の強度
結果
- エジンバラ鬱評価
- 13点以上の88例の産後女性
- 通常ケア+エクササイズVS通常ケア(カウンセリング)
- エクササイズグループ4.06点減 VS 通常ケア1.83点減少 と優位にうつ病のスコアが軽減
理学療法士や助産師が全て良くできるわけではなく、
専門医の治療が必要な場合も多いですが、やはりいきなりすぐに精神科医にというの日本でもオーストラリアでも気が引けると思いますので第一の選択として副作用が少ない理学療法士や助産師の介入(主にスクリーニング)が重要
乳腺炎(MASTITIS AND BLOCKED DUCTS)
- 患部の熱、発熱、発赤、痛み
- 4.5ヶ月以内に85%に起こる
適切な治療をしないとAbcess(潰瘍)リスク
- フィジオ:超音波、マッサージ、生活指導(食事)
- 助産師:マッサージ
- ドクター:抗生物質、ステロイド軟膏
- 超音波: 10分x2回
- 1週間で2−3回の治療で5日以内におよそ8割のケースで改善
妊娠前の身体作り、介入/プラン
オーストラリアでも女性の社会進出からか妊娠する平均年齢が上がっています。
1970年で24歳前後、
2011年で28.4歳、
2021年では29.7歳(都会部では31歳という報告もあります)
そのことから、現在では妊娠前から、妊娠するための体づくりということでフィジオがエクササイズクラスを行ったりしています。
以下がプリコンセプションチェックの例です。
プレコン・チェックシート
適正体重をキープ
禁煙する。受動喫煙を避ける。
アルコールを控える。
食事とサプリメントから葉酸を積極的に摂取。(1日400 to 800 micrograms)
150分/週運動
感染症注意(風疹・B型/C型肝炎・性感染症など)
ワクチン接種(風疹・インフルエンザなど)
パートナーも一緒に健康管理
生活習慣病をチェック(血圧・糖尿病・検尿など)
がんのチェック(乳がん・子宮頸がんなど)
プレコン・チェックシート(男性用)
バランスの良い食事をこころがけ、適正体重をキープ
たばこや危険ドラッグ、過度の飲酒は避ける
生活習慣病やがんのチェック
https://www.womenshealth.gov/pregnancy/you-get-pregnant/preconception-health#:~:text=Women%20and%20men%20should%20prepare,using%2C%20should%20start%20even%20earlier.
US department of Health human serviceより引用
日本語でもありますのでチェックしてみてください
https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/preconception/pcc_check-list.html
国立成育医療研究センターホームぺージ
というわけで日々勉強。いろいろなことを取り入れる柔軟性
と
情報が溢れすぎている時代なのでまどわされないしっかりとした知識の判別をしていかないとと思うこの頃です。
質問も多くいただけました。(この日だけ人気者みたい)
翌日はもちろん二日酔いで
パパとしては家族から戦力外でしたがレイソルの天皇杯準決勝には行って見事決勝進出でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。