ストレス回避法は、食べることだった。



夜中に我慢できなくなって、
パンを二斤にアイス2,3個をコンビニで買って来て、部屋で貪った。



食ってる間はね。いいんだ。
あぁ俺は生きてるな、的な充実感もあるし、ストレスもなくなる。


ちょっと大学の3限以降がだるくなったら、
馬場のラーメン屋に一人で行って、大盛り食って、また家に帰ってからパン食って、
眠くなったらそのままゴロリンして晩飯までワープ。
そのうえ、晩飯も一応食う、と。


そんな生活を繰り返した。

食い終わると胸が張り裂けそうになる。自己嫌悪で。



何でまた食ってんだ?
んなことしても何にもならないよ?
どんどん太るだけだろ?醜形恐怖がひどくなるだけだろ?



って後悔の念が凄まじい。
マジで死にたくなる。
自分の意志薄弱さに吐き気がする、って感じ。


何言ってんだ?コイツ。
皆、そう思うかもしれない・・・。



でも本当のことだから仕方が無い。
多分経験がないと、分からないと思う。それは何でもそうだけど。
経験無しに理解するのは難しいよね。

ネットで過食症だとか醜形恐怖症だとか検索すれば、
俺みたいのはいっぱい出てきます。



食べたものを吐ける技術を持った人もいるけど、俺は無理だった。
指つっこんでも、スプーンを喉の奥まで差し込んでも、
胃液が出るだけで全然だめ。
水を2リットル飲んでから吐くといい、と知って実行したけど、効果はあまりなかった。

水がたくさんでるだけで、固形のものがでてこない。
過食で腹パンパンなのに、さらに水を入れるのも苦しい。

過食の後は、東京湾までランニング。
筋トレもした。


2年の後期、大学はますますサボりがちになった。
たまに行っても、誰にも知り合いに会わないように心がけた。


講義の合間の時間は人通りが多いから、わざとトイレに入って、時間ずらしたり。



トイレにいるとね。
本当俺、何やってるんだろ?って思うよ。



でも、どうしようもないんだ。

トイレのカガミを見るだけで、「あ、だめだ」って講義に出なかったことも一度や二度のことじゃない。
教室の前まで来たのに、ドアを開けずに立ち去ったり。


この頃は楽しみが食べることしかなかった。
本当に辛い。