いろいろな方の記事の中で幼虫の大きな♀と小さな♂の見分け方が話題になっています。
それというのも♀は大体が♂の0.5倍の体重を示すものですが、そう言うのを良い方向へ裏切る
♀個体が出てきているからです。
10年くらい前、まだオオクワギネスが80mmを越えるか越えないかの時点では、一般に菌糸瓶飼育で
♂70mm、♀45mmと言うのが普通の大型の部類でした。
それらは丁度、♂で20g、♀で10gを示すものがその程度の大きさになります。
これは現在でも変わりません。
しかし、ギネスが80mmを越えてからは♂幼虫の最大体重は30gいや35gを越えて、従来標準の
1.5~1.8倍と化しています。♀も同様に巨大化していて21gをこえるものも出てきているようです。
そうなると、従来70mmクラスの♂であれば菌糸瓶1本目で15g、2本目で21gとかのレベルを
さまよい落ち着くのですが、これが♀でいきなり16gとか17gとなってくるものはどう考えても
♂と間違ってしまうということになります。
普通の血統で何気ない菌糸瓶飼育ではそれが♀であろうはずがありません。
そこで、♀であって欲しいと願いつつ♂でない理由を探そうとします。
では何が違うのでしょうか。
①頭幅が♂の方が明らかに大きい。9~12mm以上あるのもいます。♀の場合は9mm以下レベル
②卵巣があるかないか。これはかなりの確率で外れることが多いです。♂の生殖器も同じかと思います。
③♀は♂に比べて胴体が細く長く見える。♂は丸まって見えることが多い。
④♂と♀の体重の分布です。(暴れを見抜いマスクすることがポイント)
去年から今年に懸けて50mm以上が10頭近く初めて出た中で今までと何が一番違うのかと感じたのは
③です。真上からの綺麗な写真を撮っていなかったので(小さい♂だと思い粗末な扱い)残念ながら
掲載できませんが、直感的に細長いというものです。

これが♀と思われた最大個体17.9gと♂の31.9gの最大個体です。

昨年、ほぼ同じ条件の中、2系統の瓶交換を行った結果、DG80系統の生育が著しかったのですが
このときの♂と♀の体重の分布はこのようになりました。
GG82系統 DG82系統
9/7 12/4 9/7 12/4
①♂ 24.5 → 27.0 ①♂ 29.8 → 31.9
②♂ 26.8 → 29.4 ②♂ 25.5 → 29.0
③♂ 28.7 → 28.6 ③♂ 27.7 → 31.3
④♂ 24.9 → 28.8 平均28.5 ④♂ 26.8 → 29.9
⑤♀ 15.2 → 16.5 ⑤♂ 27.3 → 31.9 平均30.8
⑥♀ 17.7 → 17.9 ⑥♂ 24.0 → 24.0 暴れ
⑦♀ 15.6 → 17.2 平均17.2 ⑦♀ 12.7 → 15.3
⑧♀ 16.5 → 16.8 平均16.1
データ頭数が少ないですがこのような分布だと♂と♀の間に明らかな差があり見分けやすいと思います。
あまり頭数を多くとると更に例外が入りわかりにくくなります。
次にこれらの中で♀だけ抽出すると(以前に掲載したものの貼り付け)
1本目 最大体重 最終体重 予想体長 羽化日 実測 瓶本数
Gゴールド82系統 ①15.2g 16.5g 16.5g 53.0mm 3/30 52.6mm 3本
④17.7g 17.9g 17.9g 54.5mm 3/27 53.8mm 3本
⑥15.6g 17.2g 15.6g 52.5mm 4/21 52.8mm 5本
⑪13.5g 13.5g 12.7g 50.5mm 4/01 50.6mm 3本
⑯13.9g 13.9g 13.9g 51.0mm 4/22 49.1mm 2本
Dゴールド80系統 ⑧13.5g 15.3g 14.5g 52.0mm 4/20 53.3mm 6本
⑨14.0g 16.3g 15.5g 52.5mm 4/14 52.3mm 6本
⑩16.5g 16.8g 15.5g 52.5mm 4/28 55.1mm 4本
結果♀にこれだけ瓶を使うかということになっていますが暴れがとにかく酷かったですが
大きいのは何故かか暴れても大きかったです。
このように♀は最大体重で13g以下はいませんでした。
従来なら13gで大変大きな♀という感じでしたが全くレベルが違うものが出ると人は判断を
誤るということです。
今年はこれらの結果に追いつく?いや既に出遅れて並びかける様な個体はおらず大変残念ですが
来年に懸けたいですね。いや待ちきれず違うことをするでしょう。笑