ミニ会議で、ヘルパーさんが「お母様が買って欲しいとおっしゃていたものを書き上げました」とメモを渡された。


そこには、ティッシュペーパー、洗剤などが書かれていたが、


なにげなく


「サイフ」「靴」と書かれていた。
 
 
 
はぁ?


いっぱい持ってるクセに・・・
 
 
 
僕「お母さん!エエ財布持ってるやん!靴も何足も!」


母「財布はちょっとここに穴が開いて・・・」


見てみると、中の方のカードを入れるところが少し破れているだけで、全然わからない。


僕「こんなんわからへんから大丈夫やわ。立派なワニ皮持ってるクセに!」


こう言うと財布はあきらめたが、


母「靴は、かかとが痛くて・・・」


と言い出したので、


僕「お母さん!この前同じこと言うてたから買ってあげたやん!それどこかにしまって忘れたんやろ!何回も何回も買わされたらたまらんで!
一人暮らしやのに、下駄箱の上から下までギッシリ靴詰まってるのに、もう買えへんで!」
 
 
 
こう言うと母はぶつぶつ言っていたが、ケアマネさんもヘルパーさんも「それは息子さんの方が正しいです」という顔をしていた。
 
 
 
 
しかし、ケアマネさんが一言。


ケアマネ「この前、お母様が"お刺身"が食べたいとおっしゃってましたよ。」


は?


僕「毎日2千円あげてるのにそれで買えばエエやんか。」


と母に言うと、母は「もうわかった!」と言っていた。


するとケアマネさんがこう言った。


ケアマネ「昔、ご商売をされていたときは1回で1万円くらい買ってらっしゃったそうですね。」
 
 
 
ハッ!
 
 
 
僕はここで気づいた。
 
 
 
「お刺身一人前」なんか、スーパーへ行けば千円もしないで立派なのが買える。


けど、近所にはスーパーがない。


刺身を買えるのは近所の魚屋しかない。


母が商売をしていた頃は、その魚屋で毎日1万円ぐらい仕入れをしていた。


けど毎日売上が1万円も無い状態になったが、


見栄っ張りな母は、儲かってないと思われるのがイヤで、やっぱり1万円の仕入れをやめなかった。


僕が烈火のごとく怒っても、母はこっそり1万円ずつ仕入れていたのを知っていた。


すると当然、刺身は余る。


だから母は毎日のように刺身を何千円分も食べていた。


だが隠居生活になり、刺身を食べる機会がガタっと減り、


しかも、母は見栄っ張りな性格なので、その店へ行って「刺身千円分だけ」とは言えず、


刺身をガマンしているんだな・・・


ということがパパパっとわかった。
 
 
 
・・・。
 
 
 
僕は夕食のときにスーパーへ行き、母の好きな「ブリ」と「ひらめ」と「いか」の刺身パックを買ってきてやった。998円の。


僕は「オレはいらんから全部食え!」と言ったが、母は僕に無理矢理食べせようとした。


あぁ面倒だ。


 

 

 

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