若手の台頭 | 楽しく考える男子バレー

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先日「全体的な問題としては、選手層が薄いことと、若い世代が育ってないこと」と書きました。
「若い世代が育ってないこと」について。

昨日、下記の記事を読みました。


五輪を逃した全日本男子、今こそ世界を見すえた強化とアイデアを  2012年6月12日


その中で気になったのが下記の部分。


今回の最終予選の後、鳥羽賢二男子強化委員長は、「今回、他チームは20代前半の選手がたくさんいたけれど、日本は25歳の清水、福澤が最年少で、北京五輪の時と変わっていない。若手の台頭がないのは、現場の監督レベルではなく、協会、組織の問題。システムの中で若手を育成強化していかないと、太刀打ちできない」と話した。
それはもう何年も前から叫ばれていることだが、手が付けられてこなかった。


OQTが始まってから「全日本って高齢化してるよね」ということに気づいた方も少なくないようです。(笑)

それまでファンから聞こえてくるのは、こんな声でした。


清水さん福澤さんが選ばれたときには……
「なんで大学生を入れるの?」
「Vリーグで活躍していない選手を選ぶのはおかしい」
高卒でないと、20代前半でVリーグ活躍はムズカシイですよね。


八子さんなどが選ばれたときには……
「○○さんの方が実力があるのに、なんで選ばれないの?」
その時点の実力だけで選んでいては、若手の起用はムズカシイですよね。


そのうち……
「津曲さんに戻ってきて欲しい」
「朝長さんがやめてなかったら」
「加藤さんを入れて欲しい」
ちょっとクラクラしてきました。(笑)


もちろん、そんなファンの声に威圧されて若い世代が育たなかったわけではないと思います。
けれど、もう少し若手の台頭を期待してみてもらえませんか?


今まで全日本を応援してきた方たちは、今の選手たちに少しでも長くコートに立ってもらいたいと思っていることでしょう。
でもそれは、必ずしも日の丸をつけた姿でなくてもいいのではないでしょうか?
所属チームに帰っても、新しい場をみつけても。
それで輝きを失うようでは、それだけの選手です。
日の丸のご威光がなくても、全日本選手の肩書がなくても、そのプレーと人間的魅力で十分じゃないですか?


チームにはベテランの力も必要ですから、残ってもらわなければならない選手もいると思います。
ただ、いつも1つか2つくらいは、若手に期待する気持ちで、椅子を空けておくくらいの気持ちで、暖かく見守ってもらえたらと思います。


ここまでは前置きで、ここからが本題です。(笑)


なぜ、若手の台頭がなかったのか?
植田監督が、清水・福澤以降、積極的に若手を起用しなかったのは事実ですが、それだけでしょうか?
なぜ、そうなったのでしょう?
鳥羽賢二男子強化委員長が言うように、現場の監督だけの問題ではなかったと思います。


男子は多くの選手が、大学からVリーグチームに入ります。
ここでつまずく選手が少なくないように感じられます。
試合に出してもらえない。
「所属チームでポジションを奪えないような選手は、全日本に入れなくて当然」と思われる方もあると思いますけれど……
1人しかコートに立てない、セッター・オポジット・リベロは、大学での実績があっても、新人にとって簡単ではありません。


特にオポジットは、外国人選手が入っている場合、もれなく控えということになります。
日本人オポジットが育たないことは、長らく問題となっていますが、何か手を打っているのでしょうか?
プレミア8チーム中、日本人オポジットは2チームです。
これが4チームくらいになれば、若手オポジットが育つ可能性は増えると思うのですが。


セッターも、初めは若手を起用しても、負けてくるとベテランに交代したり。
WSやMBでも、たまたま層が厚いチームに入ってしまえば出られません。
そうでなければ、内定から活躍ということもあります。


リーグを見ていれば、どこが厚くてどこが薄いかわかりそうなものですけれど……
選手を獲得するときには、きっといい話ばかりするのでしょうね。
大学生は子どもじゃないのですから、自分が活躍できる場所なのか、よく考えてもらえたらと思います。
ずっとチームの中心選手で、自分が試合に出られないことなんて、考えられない選手もいるのかもしれませんが。
会社として魅力があるから、試合に出られなくても入りたいというのなら、それはそれですけれど。


ここ何年かを見ると、Vリーグで出場機会が少なくて、全日本に定着する選手はほとんどいないと思います。
植田監督がインタビューで何度か言っていますが、Vリーグチームの監督が全日本に選手を推薦するようですね。
やはり「Vリーグで活躍」が全日本選出の条件? 暗黙の了解?
それで「20代前半の選手」が台頭してくるでしょうか?


毎回毎回「負けられない戦い」で、現時点最強の12人を選ばなければならないとしたら、よっぽど突出した選手が出てこない限り、若手の起用は難しいですよね。

若手の起用をあきらめるのか、何かを変えるのか?
強豪国の多くは、ジュニアからシニアへの移行が、計画的に進められているのではないでしょうか?
日本も、ユニバやジュニアに、もっと目を向ける必要があるのではないでしょうか?


長くなりましたので、続きは別記事で。