施工不良が非常に多い?「地熱床システム」

ユニバーサルホームの標準仕様であり、選ばれる理由アンケート・ナンバーワンの「地熱床システム(SRC基礎)」ですが、そもそも「地熱の効果は無い」とか、「水回り配管のメンテナンス、リフォームができない」とか、「シロアリに弱い」とか、「湿気で畳やフローリングにカビが生える」とか、いろいろと問題点も指摘されているようです。

他に、あまり一般的には言われていないことかもしれませんが、実はもっと重大な問題があるようです。

それは、「地熱床システムには施工不良が非常に多い」らしいということです。

具体的にどんな施工不良なのかというと、一番多いと思われるのは「鉄筋のかぶり厚不足」です。

「鉄筋のかぶり厚不足とは何か?」について説明します。

【建築基準法施工令第79条】より
”鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐力壁以外の壁又は床にあつては二センチメートル以上、耐力壁、柱又ははりにあつては三センチメートル以上、直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分にあつては四センチメートル以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあつては捨コンクリートの部分を除いて六センチメートル以上としなければならない。”

 地熱床システム(SRC基礎)は特殊工法ではありますが、建築基準法上は「布基礎」または「べた基礎」として扱われます。

上の条文を読めば、かぶり厚は少なくとも4cm以上(場所によっては6cm以上)必要ということがわかります。

このかぶり厚不足が、地熱床システム(SRC基礎)において、非常に多く発生していると思われる箇所が、基礎の立上り部分と、床スラブを繋ぐ鉄筋の上側、下の図で赤丸をつけた部分です。

上の模式図にあるように、地熱床システム(SRC基礎)は基礎の外周部に木製の「土台」を配置する構造が主流となっています。

土台はコンクリートではありませんので当然かぶり厚としてはみなされません。

この鉄筋と土台の離隔が近すぎて4センチ以下となってしまうとかぶり不足ということになり、建築基準法違反(施工令第79条)の施工不良ということになってしまいます。

施工方法の間違いが原因?

重要なのは、この施工不良が施工ミスで起きているのではなく、そもそもやり方が間違っている可能性が高いということです。

施工ミスによるかぶり不足は通常の布基礎、べた基礎の現場においては珍しいことではありません。

しかし、検査で見過ごされてしまったとしても、ミスによるものですから全体としてはごく一部です。

 ところが、施工方法を間違えていることが原因の場合は基本的に基礎外周部(土台設置個所)すべてにおいてかぶり不足になってしまいます。

実際にどのような施工になっているのかを模式図に表してみるとこのようになります。
ではどうして施工方法が間違っているのか?

これは2つの要因があると思われます。
 
1つめの要因は施工の効率化、つまり「手抜き」です。この部分のかぶり厚を確保するのは実はけっこう面倒な作業です。最初はSRC基礎の開発元(株)八洲から正しく指導されたはずですが、現場の判断でやりやすいように施工方法を変えてしまったということが考えられます。

2つめの要因は、元受けの無知によるもの。かぶりをとらなければならないことを知らない。建築士であれば知らないはずはありませんが、現実に検査を通っているわけですから、そんなレベルの工務店、検査機関もあるということになります。

下の写真をご覧ください。これはユニバーサルホーム沖縄店のショールームに展示されている「地熱床システムの実物大の模型」だそうです。

ユニバーサルホーム沖縄店のブログより引用(わかりやすくする為に画像を一部加工しています)https://www.universalhome.co.jp/blog/okinawa/2018/03/21/192/

土台の木材と鉄筋がほとんど接しているのがわかりますね。(赤矢印の箇所です)
この模型を作った人も、展示しているスタッフも「かぶり厚」に関する知識が無いことは明らかです。
現場が実際にこうなっているかどうかは別としても、現場スタッフがこれを見てもなんとも思わないとすれば少し心配です。
ちなみにユニバーサルホーム沖縄店はユニバーサルホーム本部の直営店です。
どちらにしろ、このような施工は許されるものではありません。
ユニバーサルホームによる「地熱床システム(SRC基礎)」の施工実績は、43,000棟以上と言われていますが、
その半数程度が施工不良ではないかという調査結果もあるようです。
その多さは、通常の布基礎、べた基礎ではありえない異常さです。

施主の方々へ

ユニバーサルホームの社員だけでなく、JIOなどの外部検査機関もこの施工不良を見落としているのです。
発見するには信頼できる第三者に工事監理を依頼するのが良いと思います。
しかしポイントを知っていれば一般の方でも発見することは不可能ではありません。
スラブコンクリート打設前の配筋済み状態、できれば土台設置状態の現場を確認ましょう。
コンクリートを打設されてしまったら確認することはほぼ不可能になります。
後から詳しい人に見てもらうこともできます。
できるだけたくさん、いろいろな角度からの写真を残しておきましょう。
撮影できる期間は短いです。

※下図3か4の工程、土台と鉄筋の離隔を直接確認できる4の工程がベストです。
ユニバーサルホームHPより引用(わかりやすくする為に画像を一部加工しています)

工務店名は伏せますが、こんな実例があります。

現場でこの問題を見つけたのでユニバーサルホームの担当者に指摘したら、「確認する」と言いながら現場をそのまま進めてしまいコンクリートを打ってしまったそうです。結局その方は泣き寝入りしました。証拠が無いので今も悶々としておられます。
 
問題を見つけたら必ず現場の写真を撮って証拠を押さえてから担当者に相談してください