刑務所生活でみんなが恐れているもの。
それは懲罰。
本来普通に生活していれば問題ないのだが、基本的にふざけている受刑者だらけの市原では皆が懲罰に恐れている。
違反行為がそこかしこで行われている市原では、処遇に呼ばれた者はドキドキして歩いていく。
作業中に呼ばれるのが主だが、職員から「〇〇!処遇行って来い!」と言われると皆がドキドキする。
もちろん処遇は悪いことだけでなく、届いた手紙に渡せないものが入っていたり、宛名が違ったり等々で呼ばれ、何もなく帰ってくることもある。
工場では処遇に呼ばれた数分後に人員数のボードの人数が減っていたりすると、「あいつ消えた」など話され、その後昼休みや寮でも広がり、あっという間に誰々が懲罰になるかならないかの調査として単独室棟に移動になる。
そして、こんなことで調査だ、とか噂が広がる。
そんな時に単独室棟の衛生係は俺知ってるぜ、という感じで「あいつは作業事故だよ」や「あいつとあいつで本貸しあったんだよ」などと自慢気に話す。
そうすると、調査になったデマの噂を流した奴が「あいつやっぱ嘘つきだな」という話にもなる。
朝起きると速攻で調査に引っ張られるやつもいる。
そういうのはだいたい夜間読書、通称夜読だ。
寝ればいいのに、どうしても気になって我慢できないそうだ。
受刑生活はまだまだ長いのにバカだな、と思う。
調査に引っ張られると、1週間〜稀に3週間程調査になる。
その間は単独室棟での生活になる。
初心に戻る訳だ。
他のみんなは寮でテレビを見たりしているのに、テレビも見れない。
調査後問題なく、不問で戻ってくる人も居れば、懲罰になり何日間か座ることになる。
懲罰前に懲罰審査会というものが行われる。
何月何日君は懲罰審査会あるから、としっかりした書面を見せられ、それまでにもみっちり取り調べがある。
そして、懲罰審査会当日。
調査受刑者には弁護士的な立場の職員が付くそうだが、どうも「〇〇は今回の件につき非常に反省しているとのことです」という定型文を言われるだけらしい。
あいつ必要ねぇ、とみんな言っていた。
調査会では幹部職員5人がキレてくるので、それについて反省を述べるという流れだ。
審査会後早い者は当日に、遅いと翌日に言い渡され懲罰開始になる。
懲罰5日と言われたものは5日間余暇時間以外正座又はあぐらで過ごす。
懲罰は最大60日があるそうだが、60日というのは市原刑務所ではほとんどない。
30日ってのが何人か居たかな。
確か外部通勤工場の人が通勤先でタバコを吸ったとか。
ちなみに30日レベルになると一発で移送になる。
懲罰も3回目になると移送の可能性が出てくる。
移送になると他の刑務所に行き、基本的に仮釈放が無いそうだ。
懲罰では、就業日は朝起床後の点検後、懲罰開始になる。
昼飯、休憩時間(10時、15時)の5分以外は座っていなければいけない。
これがかなりキツイそうで、皆お尻が黒ずんだり、皮が剥けたりして帰ってくる。
懲罰10日以降は結構キツイらしい。
そして、懲罰期間中に一番キツイのが、私物も持つことができず、最低限の衣類と歯ブラシ等のみになる。
余暇時間もラジオ放送は流れない。
そのためなにもやることがない。
それが一番キツイそうだ。
たまにポンコツ職員が間違えたり、他の部屋のラジオがうるさいと、耳を澄ませて聞いたりしているらしい。
一人ツワモノがいて、そいつは食器口から箒を出して、部屋の外にあるラジオスイッチを押して聴いていたらしい。
最後の最後にバレて再度懲罰になったらしいが。
珍しい懲罰案件も多々あるが、それについては、また後日違う記事で書いていければと思います。
ちなみに、懲罰になり心を入れ替える人は、ほとんど居ない。