前回、腰上の分解までご紹介したT様のCBX'79!!16万キロ走行号!!
まずは分解した腰上のパーツを洗浄、点検していきます。
まずはシリンダーのチェック。
ピストンクリアランスを計測します。
相当摩耗しているだろうという予測に反してピストンクリアランスは0.05~0.07mm。
使用限度0.1mmがメーカーの指示です。
ですが、シリンダー内壁に錆の跡もあり、ホーニングの跡もすっかりなくなっています。
ピストン外径も64.47~64.49mmで摩耗が少ない状態です。使用限度は64.40mm。
オイルリングが固着して役目を果たさなくなっていました。
これが原因でオイル消費が激しくなったと予測します。
驚きなのはピストンの裏側が非常に綺麗です。
酷いオーバーヒートさせず、オイル管理もしっかりされていた証拠だと思います。
お客様と相談して今回は0.25mmO/Sピストンでボーリングする事になりました。
これでオイル上がりは確実になくなります。
次はシリンダーヘッド。さすがにカーボンがたっぷり堆積しています。
これだけ走行した車両ですからさぞやガタガタになっているだろうと予測したのですが
洗浄してバルブを取り外して確認したところバルブガイドにはほとんどガタがありません・・・
さすがにステムシールはカチカチに硬化して役目をはたしていませんでした。
バルブフェイス、シートどちらも幅広にべた当たりですのでシートカットなど必要です。
とはいえ、16万キロ走行した車両とは思えないほど状態が良かったので驚きです。
お客様と相談の上、バルブフェイス研磨、シートカット、摺合せでリフレッシュします。
取り外したカムシャフトを点検。
ジャーナル部にキズも無く、カム山にダメージも見られません。
シリンダーヘッド側のジャーナル部も無傷です。
やはりオイル管理は大切だと感じました。
カムチェーンテンショナーとガイドのチェック。
テンショナーA,B共にスライダーのゴムに亀裂が入り剥離しそうでした・・・。
さすがにゴム部品の劣化ばかりはどうにもなりません。
テンショナーAはリビルド、テンショナーB、ガイドは交換です。全てリモーションさんの商品です。
腰上の作業内容が決まりましたので内燃機屋さんへ作業依頼です。
16万キロ走行してこんなに状態が良いとは正直思っていませんでした。
でもこれはどのCBXでも16万キロオーバーホール無しで走れるという事ではなく
T様が愛情をもってこの車両に接し、まめなオイル交換やメンテナンスを行った賜物なのです。
エンジン内部の焼けたオイルのこびり付きは皆無です。
オイル管理もありますが、オーバーヒートさせない乗り方、扱い方が大きいと思います。
エンジン内部を見る事で、T様の人柄や性格までうかがい知る事ができてしまいます。
では、作業の続きはまた次回にご紹介いたします!!
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