先日ご紹介したS様のW3。
エンジンなどの整備に続いて車体の整備をご紹介いたします。
「とことん整備」ではフロント周りはこの状態まで分解です。
ステムベアリングはレストア時にﾃｰﾊﾟｰﾛｰﾗｰﾍﾞｱﾘﾝｸﾞに交換されたようです。
今回は洗浄してグリスアップして再使用します。
ﾊﾝﾄﾞﾙｽﾄｯﾊﾟｰに曲がり、凹みがありタンクとのクリアラスがギリギリ。
Ｓ様からのご依頼で修正、ストッパー肉盛り、再メッキで仕上げました。
フロントフォーク右がオイル漏れあり、左のアウターに欠損あり
ﾌﾛﾝﾄﾌｫｰｸはＯ/Ｈになりました。ｲﾝﾅｰﾁｭｰﾌﾞは状態良いので研磨して再使用。
アウターの欠損部分は肉盛り溶接後に研磨して直しました。
ハンドルロック、フォークブーツは新品に交換しました。
Ｆマスターダイヤフラム破れているので交換です。
Ｆブレーキレバーにガタが多いので確認したところ
ﾚﾊﾞｰのピボットボルトに普通の全ネジの６ｍｍが使われていました・・。
キャリパー点検したところ、内側、外側でメーカーの違うパッドが使用されていました。
前オーナー様の拘りの仕様なのかも知れませんが・・・。
ﾌﾞｰﾂ、Ｏﾘﾝｸﾞなどのﾗﾊﾞｰﾊﾟｰﾂは交換する事になりました。
パッドは残量あるので今回はこのまま再使用してみる事に。
マスターブーツ交換、スロットルワイヤーの取り回しが変なので修正
Ｆホイールダストシール付いていないので取付けなどなど・・・。
重箱の隅をつつく様な内容で申し訳ありません・・・。
こういった細かい事もお客様に報告、相談してから作業させていただいております。
ﾌﾛﾝﾄ廻りの作業が完了したのでリヤ回りの作業に移ります。
スイングアームブッシュは交換済みのようでしたので洗浄してグリスアップ。
Ｗシリーズのリヤホイールベアリングはテーパーローラーベアリングです。
英車の流れをそのまま受け継いでおります。
こちらも分解、洗浄、グリスアップして組み付け。
組付け時のプリロード調整やロックナットの締め付けなどコツのいる作業です。
ブレーキシュー、スプロケなど消耗品チェックしてリヤ足回りの作業も完了。
私の思う所、Ｗ系で一番故障の原因となる箇所は
電装系、特にハーネスの処理に気を使わないといたるところでショートします。
振動の多いバイクですのでハーネスに遊びがあると振動でフレームなどと擦れ
絶縁被膜が剥がれショート・・や端子の根元から折れたりもあります。
今回のＷ３での電装品のいろいろです。
リヤフェンダーの裏でウインカーの配線がタイヤと擦れていました。
フェンダーの配線を通す穴のラバーも劣化していましたので交換。
ここのラバーが無い状態ですと短時間のうちに配線は傷つきショートします。
配線をまとめるのもビニールテープを使用せずに保護チューブを使用。
ビニールテープよりも厚手で対摩耗に期待できると考えてです。
ウインカーの配線はあえてフェンダー裏を通さずにグラブバーに沿わせました。
その他いたるところにショートの原因となる箇所がありましたので補修をしていきます。
メインハーネスは新品ですがサブハーネスまではなかなか交換されていないので
古い配線をしっかり点検、補修します。
バッテリーハーネスも作り直し、ｻｲﾄﾞｶﾊﾞｰのヘリと干渉しないよう取り回しします。
ﾚｷﾞｭﾚｰﾀｰはＳ様の希望で交換しました。
このような細かい作業をする事で突然の電気トラブルを防ぐことができます。
実際自分がＷに乗って何度も痛い目にあったおかげともいえます。
その他、サイドバック用のステーをワンオフ作成したり
タンデムステップを純正にもどしたり
マフラーステーのクラックを補修したりとたくさんの作業をさせていただきました。
今回のＳ様の「とことん車検」はかなりの追加作業がありました。
それぞれの作業はお客様の確認をいただきながら進めていきます。
事後報告で高額請求なんて事は当店ではありません。
早急な対応が必要なところはそのように伝えますし
今後の課題としてそのまま使用していただける所はそのままの時もあります。
お客様の車両ですので最終決定はお客様に委ねます。
皆様の車両も現在どのような状態か気になるようでしたら
当店で「とことん整備or車検」をご指定下さい。
古いバイクを安心して長く楽しむお手伝いが出来ればうれしく思います。
これから寒くなり春までの乗らない時期に点検を依頼される方が大変多いです。
今現在年内に納められるかどうかの受注量になってきております。
皆さんお考えの事は大体同じですので年明けから３月までが非常に込み合います。
来シーズンに向けてのご準備はお早めにお考えください！！
皆様からのお問い合わせ、ご予約お待ちしております！！