アフレコ?練習に?てやんでい。ただ暗記するように作っただけです。読むだけでもののけ姫が出来るようになっています。全台詞、台本、




""むかしこの国は深い森におおわれそこには太古からのかみがみがすんでいた""




アシタカ「ヤックル」

カヤ「兄さま」
アシタカ「ちょうど良かった。ヒイさまがみな 村へ戻れと。」

カヤ「じいじもそう言うの」
アシタカ「ジイジが!?」
オトメA「山がおかしいって。鳥たちがいないの」
オトメB「ケモノたちも」

アシタカ「そうかじいじの所へ行ってみよう。みんなは早くもどりなさい」

オトメラ「ハイッ」

アシタカ「なにか来る。じいじなんだろう」
じいじ「わからぬ。人ではない」

アシタカ「みなを呼びもどしている。村のほうはヒイさまが」

じいじ「来おった!!」

♪ドルゥドルゥドルゥドルゥドルゥドルゥン♪

じいじ「タタリ神だ!!」
アシタカ「タタリ神?!!」

タタリ神「ギぇぇぇぇぇl!!」

アシタカ「ヤックル!!逃げろ!!」

じいじ「うわっ!あーー!」

アシタカ「くっ」ブッシュッ!!

アシタカ「村の方へ行く! 襲う気だ!」

じいじ「アシタカ!!タタリ神に手をだずな!!呪いをもらうぞお!!」

♪テン、テテテン テン、テテテン♪

アシタカ「鎮まれ! 鎮まりたまえ!」
アシタカ「さぞかし名のある山の主と見受けたが、なぜそのように荒ぶるのか!?」

オトメラ「おばけぇ!!」
カヤ「村へ!!」

アシタカ「止まれェ!!なぜわが村をおそう!!」
アシタカ「やめろ!!しずまれ」

オトメA「アッ!!」
オトメB「しっかり!!」

タタリ神「ぎぇぇぇぇぇ!!」

アシタカ「くっ!!」

♪カーーーーーーーン!!!!!♪(矢が刺さる音)

♪グリュグリュグリュ、ブチィィィィ♪

♪ドルゥドルゥドルゥドルゥドルゥドルゥン♪
ドサー

町の人たち「たおした!!火をたやすな。ヒイさまを早く」
カヤ「兄さま!!」

アシタカ「くっ!!」

アシタカ「カヤふれるな。ただ傷のではない」

町の人A「アシタカが手傷をおった!!」
町の人B「ヒイさまは?」

ヒイさま「みな!!それ以上近づいてはならぬぞ!!」

町の人C「ヒイさま!!」

ヒイさま「この水をゆっーくりかけでおやり」

ヒイさま「いずこよりいましあらぶる神とは存ぜぬもかしこみかしこみ申す。この地に塚を築きあなたのみたまをお祭りします。うらみを忘れしずまりたまえ」

タタリ神「けがらわしい人間どもよ。わが苦しみと憎しみをるがいい...」

シュウウウウウウウウ



ヒイさま「さて困ったことになった。かのシシははるか西の土地からやって来た。深傷の毒に気ふれ身体はくさり走り来る内に呪いを集めタタリ神になってしまったのだ。アシタカヒコやみなに右腕を見せなさい」

アシタカ「はい」

町の人たち「おお-」

ヒイさま「アシタカヒコやそなたには自分の運命を見すえる覚悟があるかい」

アシタカ「タタリ神に矢を射るとき心を決めました」

ヒイさま「そのアザはやがて骨までとどいてそなたを殺すだろう」

町の人1「ヒイさま、なんとかなりませぬか」

町の人2「アシタカは村を守り!!」
町の人3「乙女らを守ったのですぞ。ただ死を待つしかないというのは...」

ヒイさま「誰にも運命はかえられない。だが、ただ待つかみずからおもむくかは決められる。見なさい。あのシシの身体にくいこんでいたものだよ。骨をくだきはらわたをひきさきむごい苦しみをあたえたのだ。さもなくばシシがタタリ神どになろうか...西の土地でなにか不吉なことがおこっているのだよ。その地におもむきくもりない眼で物事を見定めるならあるいはその呪いを断つ道が見つかるかもしれぬ。」

長老「大和との戦さにやぶれこの地にひそんでから五百ゆう余年いまや大和の王の力はなく、将軍どもの牙も折れたときく。だが我が一族の血もまたおとろえたこのときに一族の長となるべき若者が西へ旅立つのは定めかもしれぬ」




ヒイさま「掟に従)い見送らぬ健やかにあれ」

カヤ「兄さま!」
アシタカ「カヤ!」
アシタカ「見送りはじられているのに」
カヤ「おしおきはうけます。どうかこれを。私のかわりにお伴させてください」
アシタカ「これは?大切な 玉 の 小刀じゃないか」
カヤ「お守りするよう息を吹きこめました。いつもカヤは兄さまを思っています。きっと… きっと…」
アシタカ「わたしもだ。いつもカヤを思おう」
ヤックル「ヒヒィイン」

♪デレレレーレレーレレーン♪
♪れれーれーんれれれれれれれーん♪
大体CM入ります

アシタカ「戦?!」
サムライ1「まわりこめ!」
アシタカ「カブトクビだ!」
アシタカ「ハッ!もどれ」
サムライ「しょうぶしょうぶ!」
アシタカ「やめろおーーーー!」「なにっ?!」

♪ぐりゅぎゅりゅ ヒューーーーん!カーン!!♪

サムライ2「うわっ!」
アシタカ「なんだこの腕は?!」
サムライたち「逃がさぬぞ!見参!」
アシタカ「押しとおーる!邪魔するなあ!」カーン
サムライ3「鬼だ…」

アシタカ「アザが濃くなっている・・・」



ジコ坊の友人「なんとも白湯みたいなめしだな」
ジコ坊「おっ!いた!いた!へへっ」ズズズズ

アシタカ「これでよいか」
町女「なんだいこりゃ?おアシじゃないじゃないか!お銭がなきゃ米を返しな」
ジコ坊「まてまて拙僧がみてやろう。おっ! これは…女 、これは砂金の大粒だぞ!ゼニがいいなら代金はワシが払おう。そのかわりこれをゆずってくれ!」
ジコ坊「みなの衆!この近くに両替屋はおらんかの?あ~?おらんか?拙僧の見るところ米一俵か いや 三俵か…」
ジコ坊「アーッ ちょっと待ちなさい」
町女「返しとくれ あたしんだから」


ジコ坊「お~い!そういそがれるな。いや礼などと申す気はない。礼を言いたいのは拙僧のほうでな。田舎侍の小ぜりあいにまきこまれた折をそなたのおかげで助かったのだ。鬼神のごときとは正にあれだな」
「ホッホッ。気づいたか?人前で砂金など見せるとなァ。まことに人の心のすさむこと麻のごとしだ。寝こみをおそわれてもつまらぬ。走るか!?・・え?」

ある町の人たち「チッ!くそっ」


ジコ坊「ほう・・・イノシシがタタリ神になったか…」
アシタカ「足跡をたどって来たのですが里に下りた途端分からなくなりました」
ジコ坊「そりゃそうだろう。そこらを見なさい。この前来たときはここにもそれなりの村があったのだが。洪水か地すべりか…さぞたくさん死んだろうに。戦、行きだおれ、病に、飢え。人界はうらみをのんで死んだ亡者でひしめいとる。タタリというならこの世はタタリそのものフッフッフッ
うん うまい。」
アシタカ「里へおりたのはまちがいでした人を二人も殺めてしまった」
ジコ坊「おかげで拙僧は助かった。椀を出しなさい。まず食わねば・・・人はいずれ死ぬ。おそいか早いかだけだ。ホウ、雅な椀だな。そなたを見ていると古い書に伝わる、いにしえの民を思いだす。東の果てにアカシシにまたがり石のヤジリを使う勇壮なるエミシの一族ありとな…肝心な事はハフハフ。死に食われぬ事だ!いや これは師匠の受け売りだがな!さあ そなたの米だ どんどん食え」

アシタカ「このようなものを見たことはありませんか」
ジコ坊「これは?」
アシタカ「イノシシの身体からでてきました。巨大なイノシシにひん死の傷をあたえたものです」
ジコ坊「これよりさらに西へ西へと進むと山の奥のまた山奥に人をよせつけぬ深い森がある。シシ神の森だ。」
アシタカ「シシ神の森…」
ジコ坊「そこではケモノはみな大きく太古のままに生きているときいた」

ジコ坊「やはり行くか…」




エボシ「みな、あとわずかだ!油断すまいぞ!!」

町の人1「でたぞ!!犬神だ!!」

エボシ「牛を落ち着かせろ!焦らずに陣を組め!!」
ゴンザ「せいて火薬をぬらすな!充分に引きよせよ! 」

エボシ「一番、放てっ!!」
エボシ「二番、放てっ!!」
ゴンザ「化け物め、口ほどにもない 」
エボシ「あれは子供だ。母親がなぜ来ない」

エボシ「モロだ!!!」
エボシ「モロォ!!来い!!」

♪ジュッ シュンーーー!!!!♪

モロ「グッ」

ゴンザ「やりました!!」
エボシ「きやつは不死身だ。このくらいでは死なん!!」
ゴンザ「だいぶやられましたな。」
エボシ「すぐ出発しよう。」
ゴンザ 「谷に落ちた者はいかがします? 」
エボシ「隊列をくみなおせ」

ーーーーーーーーーーーーーーー

甲六「ううっ...」
アシタカ「ア!息がある!」
アシタカ「しっかりしろ!!」

サン「アア・・・・・・ 」
モロ「グルルル・・・ 」
サン「・・・プッ・・・プッ 」
モロ 「ウウウ・・・ 」
サン (アシタカに気づく)キラン (アシタカを睨みつけながら立ち上がり)・・・プ
ッ・・・

♪テテテンテンテテンテテ~テテテンテンテテンテテ~♪

アシタカ「わが名はアシタカ。東の果てよりこの地へ来た。そなたたちはシシ神の森にすむときく古い神か?!!」
サン「去れ!!」


甲六「ひゃあああ~~~」
甲六「あわわわわ...」

アシタカ「コダマ?!!ここにもコダマがいるのか」

アシタカ「静かに。動くと傷にさわるぞ?すきにさせておけば悪さはしない。森が豊かなしるしだ!!」

甲六「こいつらはシシ神を呼ぶんだ」
アシタカ「シシ神?大きな山犬か?」

甲六「ちがう!!もっとおっかねぇ化物の親玉だ。」
甲六「アアッ 消えた!!アアッ!」

アシタカ「ヤックルが平気でいる。危険なものは近くにいない」
アシタカ「すまぬがそなたたちの森をとおらせてもらうぞ」

甲六「おねげぇです。もどりましょうよ。むこう岸なら道がありやす。この森を抜けるなんて無茶だ。」

アシタカ「流れが強すぎて渡れない。それにこのケガ人は早くしないと手おくれになるぞ。ふふ、道案内をしてくれてるのか。迷いこませる気なのか」

甲六「ダンナァ~こいつらワシらを帰さねぇ気なんですよ、どんどんふえてやすぜ。」
アシタカ「ハア、ハア・・!?これがおまえたちの母親か。立派な樹だ」

アシタカ「あの少女と山犬の足跡だ。ここは彼らのナウバリか...」
甲六「ダンナ...こんどこそヤバイですよ。ここはあの世の入り口だぁ!!」
アシタカ「そうだな。ちょっと休もう」

アシタカ「足跡...?!!ひずめが三つ...まだ新しい」
アシタカ「うっ!!」

甲六「だ、ダンナぁ!!どうしたんでぃ?」

アシタカ「くっ!!ハァハァ」

甲六「ダンナ?大丈夫ですかい?顔色が真っ青ですぜ?だから、ヤバイって!?」
アシタカ「おまえ・・・何かみたか?」
甲六「え?」
アシタカ「いや、いい・・・もうちょっとの辛抱だ、しっかりしろ」
男「すまねぇ」
アシタカ「いってしまった」

アシタカ「なぜだ… あれから急に体が軽くなった」

甲六「アレッ? 痛くねぇ。治ったあ!!! イテッ やっぱり折れてる」

甲六「ウァーッダンナすげえ ドンピシャだ!!タタラについた!!」
アシタカ「まるで城だな。」
甲六「エボシさまの大タタラでさ。砂鉄を沸かして鉄をつくってるんです。おーい!おーい」

町の人「森から人が来る」
町の人「もののけか?」
甲六「おれだ~牛飼いの甲六だ~」

町の人「なにィ甲六ガ...」
町の人「カカァにしらせろ」


町の人「うそじゃねぇ!!いま舟でこっちに来る」
ゴンザ「何事か!!?おれが字を書いてるときはしずかにしろ!!」

町の人「死んだはずの甲六が!むこう岸にでたんでさぁ」




町の人「幽霊じゃ ねぇな」
町の人「他のヤツはどうした」
町の人「あと二人落ちたんだ」

甲六「助けられたのはおれたちだけだ」

町の女「 死ぬのは牛飼いばかりさ 」
ゴンザ「開けろ」
町の人「 ゴンザ様・・・あのずきんの男何者でしょうか?」
ゴンザ「見慣れぬ姿だな・」

甲六「石火矢の衆よ。このダンナがずっとおぶってくださったんだ。礼を言っとけ アッ
イテテテテッ…そこを持つなって… アイタッ アッ」

ゴンザ「そこの者、まて!!ケガ人をとどけてくれたことまず礼を言う。だが得心がいかぬ。われらがここへついて半刻もせぬうちにおまえは来た。しかも谷底から大の大人をかつぎシシ神の森をぬけてだと...」
トキ「甲六~生きとったんか~!!」
甲六「 おトキー」
トキ「アーアーアーこのグズ!牛飼いが足をくじいてどうやっておマンマくってくんだよ」

甲六「んなこと言ったって」
トキ「心配ばかりかけやがって!いっそ山犬にくわれちまえばよかったんだ。そうすりゃあたしはもっといい男を見つけてやる」
甲六「おトキ~堪忍してくれよぉ~」

ゴンザ「トキーー夫婦喧嘩はよそでやらんかい」

トキ「なにさ。えらそうに。ケガ人を捨てて来やがって。なんのための護衛なのさ。ふだんタタラのひとつもふまないんだ!いざというときは命をはりやがれ」

ゴンザ「しかたがなかろう...」
トキ「ありがとう。あんな亭主でも助けてくれてうれしいよ」

アシタカ「よかった。つれて来てはいけなかったのかと心配してしまった」
トキ「あはははは。へー、いい男じゃないか、ちょっと顔を見せておくれよ」

エボシ「ゴンザッ!!あとで礼を言いたい。客人を案内しなさい」
町の人たち「エボシさま」

エボシ「甲六、よく帰って来てくれた。すまなかったな。」
トキ「そんな滅相もない。エボシさま!バカがつけあがるだけですよ」

エボシ「トキも堪忍しておくれ。わたしがついていたのにザマァなかった」
トキ「いいえ。男たちだけだったら今頃みんな仲良く山犬の腹の中ですよ」

エボシ「旅のおかたゆるりと休まれよ」

トキ「あらっ、いい男じゃない!!」

ーーーーーーーーーーー


町の人たち「そ-れ」
町の人「モロをやっつけて運んだ米だ!!ありがたくえよ!!」

町の女「どこどこ?」
町の女「え?あの人?」
町の女「ほんとトキの言ったとおりじゃん」
町の女「いい男ね~」
町の女「ちょっと若すぎない?」

町の人「しずかにしねぇか。通夜をやってるんだぞ」
町の人「いい男ならここにもいるぞ」
町の女「やなこった。牛飼いなんて」
町の女「ネー、旅のお方!!あたいたちの所へきなよ」
町の女「こんなクサイ小屋はやめてさ」
町の人「てやんでェ。おれたちが生命がけで運んだをくらってよ!口が腐るぜ!」
町の女「その米を買う鉄はだれがつくってるのさ。あたいたちは夜っぴいてタタラをふんでるんだ」

アシタカ「よかったらあなたたちのはたらく所を見せてください」

町の女「ほんとうかい!?じゃ おしろい塗ってタタラを踏まなきゃ」
町の女「紅もさす?」
町の女「きっとだよ-」
町の女「まってるからね~」

甲六「ダンナ気をわるくしねぇでください」
町の人「だいたい、エボシさまが甘やかしすぎるんで」

アシタカ「いい村は女が元気だと聞いています」

町の人「でもなぁタタラ場に女がいるなんてなぁ。ふつうは鉄を汚すってそりゃ~~いやがるもんだ」
甲六「エボシさまときたら売られた娘を見るとみんなひきとっちまうんだ。」
じいさん「優しい方なんだよ」
町の人「爺さん、口から飯が出てるよ」
甲六「そのくせよ、掟もタタリもヘッチャラなコワイ人よ」




町の人「そうそう 山犬なんぞ目じゃねえさ!ナゴの守をやったときなんか見せたかったぜ」

アシタカ「ナゴの守?!!」

町の人「すげえでかいイノシシでよ。このあたりのヌシだったのよ。でよ、だれも山に近よれねぇ。お宝の山を見ながら人間様はをくわえてたのよ」

町の人たち「ハハハ!!」町の人「ドハハハハ」
町の人「おっ 始めたな!」


町の人「この下じゃ砂鉄をとりつくしちまったからな」

町の人「何人ものタタラ師がここをねらってよ。みんなやられちまったんだ。おれたちの稼業は山をけずるし木を切るからな。山の主が怒ったてな。そこへエボシさまが石火矢衆(いしびやしゅう)をつれてあらわれたってわけだ」

♪テッテーテレテッテ― ♪
デーデーン きえぇえぇぇぇぇ

町の人「ダンナ、どうしたんで?」
町の人「腕が痛むんで??」

アシタカ「いや、そのイノシシのことを考えていた。いずくで果てたか。さぞ。うらみは深かろう」

ーーーーーーーーーーーーーー

エボシ「アシタカとやらまたしてすまぬな。あすのおくりのしたくに手間どってね。いい鋼だ」

エボシ「ちょっと休もう。皆にそう言っておくれ」
町女「はい」
エボシ「そなたを侍どもか、もののけの手先とうたがう者がいるのだ。このタタラ場を狙う者がたくさんいてね。旅のわけを聞かせてくれぬか」

ゴンザ「げ」

アシタカ「このつぶてにおぼえがあるはず。巨大なイノシシ神の骨をくだき肉を腐らせタタリ神にしたつぶてです。このアザはそのイノシシにとどめをさしたときにうけたもの。死にいたる呪いです」

エボシ「そなたの国は?見なれぬシシに乗っていたな」

アシタカ「東と北のあいだより...それ以上は言えない」

ゴンザ「正直にこたえぬとたたっきるぞ!!」

エボシ「そのつぶての秘密を調べてなんとする」

アシタカ「くもりなきまなこでものごとを見定め、決める」

エボシ「曇り無き眼ぉ?フフア-ッハハハハハハハわかった!!わたしの秘密を見せよう。来なさい。ゴンザ!!あとをたのむよ」




エボシ「ここはみなおそれて近よらぬ。わたしの庭だ。秘密をしりたければ来なさい」
エボシ「邪魔するよ」
働いてる人「ちょうどくみあがったところですよ」

エボシ「まだちょっとおもいな」

働く人「そのように軽々と持たれてるのに」「あまりけずると銅金がはじけます」

エボシ「わたしだけが使うのではない。ここの女たちにもたせるのだ。」
働く人「ホホホさぞ見ものでしょうね。」
エボシ「この者たちが考案した新しい石火矢だ。明国のものはおもくて使いにくい。この石火矢なら化物も侍のヨロイもうちくだけよう」

働く人たち「コワヤコワヤエボシさまは国くずしをなさる気だ」
エボシ「いそがせてすまぬな。あとで酒などとどけよう」
働く人「そりゃ豪儀じゃ」

アシタカ「あなたは山の犬の森をうばいタタリ神にしてもあきたらずその石火矢でさらに新たなうらみと呪いを生みだそうというのか?!!」

エボシ「そなたには気の毒だった。あのつぶて、たしかにわたしのはなったもの。おろかなイノシシめ。呪うならわたしを呪えばいいものを」

エボシ「その右腕はわたしを殺そうとしているのか」

アシタカ「呪いが消えるものならわたしもそうしよう。だがこの右腕はそれだけではとまらぬ。」
エボシ「ここの者すべてを殺すまでしずまらぬか」

働く人「エボシ様…長が何か申しております」
長「エボシさまその若者の力あなどってはなりません。お若いかた、わたしも呪われた身ゆえ。あなたの怒りや悲しみはよくわかる。わかるが、どうかその人を殺さないでおくれ。その人はわしらを人としてあつかってくださったたったひとりの人だ。わしらのやまいをおそれず、わしのくさった肉を洗い布をまいてくれた。生きることはまことに苦しくつらい...世を呪い人を呪いそれでも生きたい...どうかおろかなわしにめんじて...」



エボシ「また来ていたか。夜になるとああしてもどってくるのだ。山をとりもどそうと木を植えにくる。アシタカ、ここにとどまり力をつくさぬか」

アシタカ「あなたはシシ神の森までうばうつもりか?!!」

エボシ「森に光が入り山犬どもがしずまればここは豊かな国になる。古い神がいなくなればもののけたちもただのケモノになろう。さすればもののけ姫も人間にもどろう」

アシタカ「もののけ姫...」

エボシ「山犬に心をうばわれたあわれな娘だ。わたしを殺そうとねらいつづけている。シシ神の血はあらゆる病をいやすと聞く。そなたのアザを消す力もあるかもしれぬぞ!!」

働く人たち「エボシさま、首尾(しょび)はいかがでしょうや?」




エボシ「上出来だ。正に国くずしにふさわしいが...やはりちょっとおもいな」

働く人「へへへ・・・こわやこわや」

ーーーーーーーーーーー
♪ひとつ ふたつは

♪赤子も踏むが

♪みっつ よっつは

♪オニも泣く泣く

トキ「あらっ?!!あんた」

アシタカ「おトキさん、わたしもふませてくれ。」

「エ…? ちょっとあんた」
アシタカ「かわってくれないか?」
「エーッ…?」
トキ「せっかくだからかわってもらいな」
「ワーッ」
「ハハハハ」
「すごい力!」

トキ「ねっイイ男だろう。]
「アラ この人 裾を気にしてるよ」
「だってえ…」
トキ「そんなにリキむとつづかないよ。旅人さん」

アシタカ「きびしい仕事だな」

町の女「そりゃそうさ」

トキ「四日五晩(よっかいつばん)ふみぬくんだ」

アシタカ「ここのくらしはつらいか?」

トキ「そりゃあさ...でも下界にくらべりゃずっといいよ」
町の女たち「お腹いっぱい食べられるし。男がいばらないしさ」

アシタカ「そうか・・・」


山犬「ウ~~ッグルルル」



町の女たち「えっー??あした行っちゃうの?」
「もっといればいいのに」

アシタカ「ありがとう、でもどうしても会わなければならない者がいるんです」

町の女「ここで働きなよ」


アシタカ「ハッ」
アシタカ「来る!!」

カンカンカンカンカン
ある町の人「もののけ姫だ!!」

ある町の人「うわっ!!くっ。うわっ~」
アシタカ「!!」


町の人たち「姫だ~!!」

アシタカ「やめろお!!」
アシタカ「くっ!!」
アシタカ「そなたと戦いたくない!!」
この野郎!

「上だーッ 飛んだぞー!」
「屋根の上だ」
「御殿の方へ行くぞ!」
「入ったのは姫一人だ」
「おのれ 今夜こそ!」

ゴンザ「かがり火をふやせ。石火矢衆は柵(さく)をかためろ」

町の人「もち場(ば)をはなれるな」
町の女「この屋根(やね)のにいるらしいよ」

トキ「さわぐんじゃない!!休まずふみな!!火をおとすととりかえしがつかないよ」

エボシ「ひとりか?」
ゴンザ「はっ、よほど追いつめられたと見えます。エボシさまをねらってのことでしょう」

エボシ「しかたがない。来なさい」


エボシ「もののけ姫ー!!きこえるか。わたしはここにいるぞ。おまえが一族の仇をうとうというならこちらにも山犬にくい殺された夫(おっと)の無念をはらそうと心に決めた者たちがいる。」
「でておいて。今夜こそケリをつけてやる」

町の人たち「出た~いたぞ~!!」
「あんなとこにいやがる」
「もののけ姫だ」
「おりてきやがれ」

ゴンザ「前をあけろ!!流れ弾にあたるぞ!!」

アシタカ「罠だー!!(...)やめろ-!!」
アシタカ「山犬の姫ー、森へ帰れーー!!みすみす死ぬなーーーしりぞくも勇気だーー!!」

ゴンザ「やはりあいつ!!」
エボシ「すきなようにさせておけ」

♪デ、デデデ デ、デデデデ♪


アシタカ「くっ!!」

ゴンザ「やった~!!おちるぞ!!」

エボシ「動くな、首だけになってもくらいつくのが山犬だ!!」
エボシ「おちた所をねらいな!!」

サン「ううっ...」

エボシ「はなてー!!」


ゴンザ「やった-」

アシタカ「うごくなー」

ゴンザ「あちち」

アシタカ「しっかりしろ!!」
サン「ううっ」

アシタカ「やめろ~!!」

ゴンザ「なにっ!!?」

町女「袋(ふくろ)のネズミだ!!逃がしちゃだめだよ」

町の人「ゴンザさまお気をたしかにっ」

ゴンザ「おれにかまうな!!行け!!」
ゴンザ「ウッうめは...やはり...もののけのたぐいかっ?!!とまれぇっ!!」

アシタカ「どいてくれ」

エボシ「なんのまねだアシタカ。」
アシタカ「この娘の命わたしがもらう」
エボシ「その山犬を嫁にでもする気か?!!」

アシタカ「そなたの中には夜叉がいる!!この娘の中にもだ」

アシタカ「みんな見ろーー。これが身の内に巣くう憎しみと恨みの姿だ!!!!肉をくさらせ死を呼びよせる呪いだ!!これ以上憎しみに身をゆだねるな!!」

エボシ「さかしらにわずかな不運を見せびらかすな」
サン「アアッうわっ」
エボシ「その右腕切りおとしてやろう!!」

♪ピュン、ひゅっ♪
♪ドシっドシッ♪

アシタカ「だれか手をかしてくれ。」
町の女「エボシさま!!」「エボシさま」「エボシ様」

アシタカ「心配するな気がつく。」「この娘、わたしがもらいうける」

町の女「おまちっ!!逃がしはしゃしないよ!!よくもエボシさまを...」
「う、、、動くんじゃない!!」
町の女「キヨ!!やめな!!」




♪ビュン!!!ずっ♪

町の女「あたったのに歩いとる...」

ゴンザ「エボシ様は?」
町の人「ご、ご無事です」
ゴンザ「おれの石火矢をもってこい!!石火矢衆はここに集まれ!このまま逃がしてなるか!」


ある町の女「おトキ!!早く!!」
トキ「あ んた ?!!」

町の人「だんなあ、ここは通れねぇ!!!ゆるしがなければ門はあけられねぇんだ。」
門番1「あなたは仲間を助けてくださった」
門番2「敵にしとうありませんどうかおもどりを」

アシタカ「わたしは自分でここへ来た。自分の足でここをでて行く」

門番「無理です!10人かかって開ける扉です」
町の人「だんな、いけねェ!!死んじまう!!」
門番「(傷に気付いて)あぁ!!(扉が開いてびっくりして)ああ!!」

町の人たち「動いた!!すげぇー」

ゴンザ「どけ~!!山犬だー!!火っ火ッー」」

アシタカ「やめろ!!そなたたちの姫は無事だ!!いまそっちへ行く!!行こう、ヤックル。世話になった」

町の人「行ってしまわれた」




サン「・・・ぁ・・・?」ドサっ

グルルルルルウル

サン「おまち!!わたしのエモノだよ。おまえ射たれたのか。死ぬのか。死の前に答えろ!!なぜわたしの邪魔をした?」

アシタカ「そなたを死なせたくなかった」

サン「死などこわいもんか!!人間を追い払うためなら命などいらぬ!!」

アシタカ「わかっている...最初に会ったときから」

サン「余計邪魔をして無駄死にするのはお前の方だ!その喉切り裂いて二度と無駄口叩けぬようにしてやる!!」

アシタカ「生きろ...」

サン「まだ言うか!!人間の指図はうけぬ!!」

アシタカ「そなたは美しい...」

サン「!!」

山犬「どうしたサン!!オレがかみくだいてやろうか?」

♪カラン、ゴン、ドサ、カララン♪

サン「はっ。猩々(しょうじょう)たち...」

山犬「猩々ども!われらがモロの一族と知っての無礼か?!!」

猩たち「ここはわれらの森。その人間よこせ。人間よこしてさっさと行け」

山犬「うせろ!!わが牙がとどかぬうちに!!」

猩たち「行け 行け」
「オレたち人間くう。」
「その人間くう」「その人間くわせろ」

サン「猩々達!!森の賢者とたたえられるあなたたちがなぜ人間など喰おうというのか?」

猩々たち「人間やっつける力ほしい、だからくう」

サン「人間を食べても人間の力は手に入らない。あなたたちの血がけがれるだけだ!猩々じゃなくなっちゃう」

猩々たち「木 植えた」「木植え」「 木植えた」
「みな人間抜く」「森戻らない」「人間 殺したい」

サン「わたしたちにはシシ神さまがついてる。あきらめないで木をうえて...?」「モロの一族はさいごまで戦うから」

猩たち「シシ神さま戦わない。わしら死ぬ。山犬の姫、平気...人間だから...」

サン「!!」(“チリーン” 耳飾りの音)
山犬「無礼なサルめっ!!そのクビかみくだいてやる!!」

サン「おやめっ!!平気...気にしない...おまえたち先に帰りな。この人間のしまつはわたしがする」

山犬「あいつは?食べていい?」

サン「食べちゃダメ!!」
サン「さあ、行きな!!」
サン「おいで!!仲なおりしよう!!おまえの主人をはこぶから...力をかしておくれ」


サン「おまえはかしこいね。この島にはのぼらないほうがいい...人間くさい。」
「すきな所へ行き。すきに生きな」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ジコ坊「おお~でたぁ。ディダラボッチだ!!ついに見つけた。なにをしとる早く見んか!!なんのためにこんなクサイ毛皮をかぶってたえてきたんじゃ」

狩人1「シシ神さまを見ると目がつぶれるワイ」

ジコ坊「それでもヌシは西国一の狩人か?この天朝(てんちょう)さまの書きつけをなんとこころえる。天朝さまがシシ神退治をみとめとるんだぞ!!早くしろ!」
ジコ坊「ディダラボッチはシシ神の夜の姿だ。いまに夜から昼(ひる)の姿にかわるそこがシシ神のすみかだ。おおっ、消えるぞ。あそこだ!!」

シシ神様登場シーン「...。。。。。。ふっ・・・・・・」

地走り「ジコ坊さま」

ジコ坊「ん~判っとる」

地走り「あそこを」

ジコ坊「おお、これは?なんともおびただしい数(かず)だな。」
地走り「ありゃあこの森のもんじゃねぇ。それぞれいずくかの山の名のある主だ。むっ。あれは?鎮西(ちんぜい)の乙事主(おっことぬし)だっ!!」

ジコ坊「鎮西?!!海を渡って来たと言うのか?」

地走り「まちがいねぇ。あの四本牙!!一族をひきいて来やがったんだ!!」

ジコ坊「ばれたっ!!」
ジコ坊「ひきあげだ!!いそげ!!」

乙事主「ぶぎゃーーーーーーーーーーーーーーーー」
イノシシたち「ピ-ギャ-ブヒ-ピギャー」

ジコ坊「早くしろ!!とべっ とべっーーーーーーー」




ーーーーーーーーーーーーー
アシタカ「うっう...ん、はっ!!傷がない!!」
ヤックル「(スッ)」
アシタカ「ヤックル」

サン「目がさめてたらヤックルに礼を言いな。ずっとおまえを守っていたんだ」

アシタカ「どうしてヤックルの名を...」

サン「自分からいろいろ話してくれた。おまえのことも古里(ふるさと)の森のことも。」「シシ神さまがおまえを生かした。だから助ける」

アシタカ「ふしぎな夢を見た。金色の鹿だった...」

サン「食べろ!!!」
サン「かめ!!!」

アシタカ「おまえ...」



イノシシ「われらは人間を殺し森を守るために来た...なぜここに人間がいる?!!」

モロ「わたしの娘だ。人間などどこにでもいる。自分の山にもどりそこで殺せばいい」

イノシシ「シシ神の森を守るために殺すのだ!!なぜ人間がここにいる...」

サン「この人間の傷をシシ神さまがいやした。だから殺さずにかえす」

イノシシたち「シシ神が人間を助けいやしただとおぉお!!なぜナゴの守を助けなかったのだああ!!シシ神は森の守り神ではないのか?!ああ!」

モロ「シシ神は生命をあたえもしうばいもする。そんなことも忘れてしまったのか、猪ども」

イノシシたち「ちがう!!!山犬がシシ神をひとりじめしてるからだ。ナゴを助けず裏切ったからだ!!」

モロ「きやつは死をおそれたのだ。今のわたしのように。」「わたしの身体にも人間の毒つぶてが入っている。ナゴは逃げ、わたしは逃げずに自分の死を見つめている」

サン「モロだからシシ神さまに...」

モロ「サン!!わたしはすでにじゅうぶんに生きた。シシ神は傷をなおさず生命をすいとるだろう」

サン「そんなはずはない!!母さんはシシ神さまを守ってきた」

イノシシたち「だまされぬぞ!!ナゴは美しく強い兄弟だ!!山犬どもが食ったんだ!食っちまったんだ!!」

サン「黙れ!!!母さんをバカにするとゆるさんぞ」

アシタカ「あらぶる山のかみがみよ、きいてくれ。」
アシタカ「ナゴの守にとどめをさしたのはわたしだ。村をおそったタタリ神をわたしはやむなく殺した。大きな猪神だった。」
「これがあかしだ。あるいはこの呪いをシシ神がといてくれぬかとこの地へ来た。だが...シシ神は傷はいやしてもアザは消してくれなかった。呪いがわが身をくいつくすまで苦しみ生きろと...」

イノシシたち「乙事主だ...」

モロ「少しは話のわかるヤツが来た」

サン「待って、乙事主さま!!この人を食べてはダメ」

乙事主「モロの娘だね。うわさはきいていたよ」

サン「あなた目が...」

アシタカ「山犬の姫かまわない。ナゴの守のさいごを伝えたいから」



乙事主「ありがとうよ、お若いの...悲しいことだが、一族からタタリ神がでてしまった...」

アシタカ「乙事主どの、このタタリを消す術はないのだろうか...」

乙事主「お若いの、森を去れ。次に会うときは殺さねばならぬ」

モロ「乙事主よ、数だけでは人間の石火矢には勝てぬぞ!!」

乙事主「モロ、わしの一族を見ろ。みんな小さくバカになりつつある。このままではわしらはただの肉として人間に狩られるようになるだろう...」

モロ「気に入らぬ、一度にケリをつけようなどと人間どもの思うつほだ!!」

乙事主「山犬の力を借りようとは思わぬ。たとえ...わが一族ことごとくほろぶとも人間に思いしらせてやる!!」



サン「...シシ神さま...」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
町の人「ドウドウ。牛をちらすな!!」
侍たち「うわーッ」
エボシ「まだ撃つな。ひきよせろ!!」
侍たち「うわー」
エボシ「はなてぇ!!」
侍「ひいい...」
エボシ「弾込めいそげェ!!」


ジコ坊「やれやれ。エボシのやつ相手がちがうだろうに。おまえたちさきに行きひそんでおれ」


町の女「みえた!!帰って来たよー」


石火矢衆「おかしら。」
ジコ坊「苦労をかけるな。そろそろ動く。みなにもそう伝えよ」
石火矢衆「はっ」

エボシ「ジコ坊か」
ジコ坊「師匠連から矢の催促だ田舎侍とあそんどるときではないぞ」

エボシ「アサノ公方が地侍どもを、そそのかしているのだ」

ジコ坊「アサノか...大侍だな」

エボシ「鉄を半分よこせと言ってきた」

ジコ坊「そりゃあごうつくだ」

エボシ「だがいまは人間とやりあうヒマはない」

ジコ坊「森に猪神があつまっておる...じきに来るぞ!!この際、鉄など全部くれてやれ。師匠連への約束をはたしてから戦さでもなんでもやればよかろう」



町の女「エボシさまーお早くー」「侍が来ます。早くー」

ジコ坊「うわさをすれば...あれはアサノの使者だな」

エボシ「使者だ。丁重にもてなしなさい!!」

町の女たち「ハーイ!!」

ジコ坊「おおおおい、会わんのか!!?」

使者「タタラバ、エボシとやら、さきほどの地侍あいての戦さみごとなり!!われらは公方さまの使者としてまいった。かいこまって門をひらけい!!」

町の女たち「フン。用があるならそこで言いな!!」
「この山はエボシさまがもののけから切りとったんだ!」
「金になるとわかって手のばしやがって!!」「とっとと帰れ!!」

使者「女ども使者への無礼ゆるさんぞ!!」

町の女たち「無礼だってさ。こっちは生まれたときからずうぅーっと無礼だい」「ベー!!!」
ある町の女「鉄がほしけりゃくれてやるよ!!」

使者「!!」

町の女たち「アハハハハハッ」

ジコ坊「いやぁまいった。まいった!!!!」「大侍ももののけも眼中になしか。エボシタタラの女たちのいさましいことよ」

エボシ「こんな紙きれが役に立つのか?」

ジコ坊「まぁ色んな輩をあつめるにはききめがある!!」
ジコ坊「けものとはいえなにしろ。神を殺すのだ」

町の女「はい、エボシさま」
エボシ「そなたたち、この書きつけがわかるか?」
エボシ「天朝さまのだ」
町の女「天朝さまっ?」
エボシ「みかどだ」
町の女「みかどぉ...」

ジコ坊「いやぁまいった。まいった」

エボシ「いいよ...」
町の女「はい」

エボシ「わたしたちがここで鉄をつくりつづければ森の力は弱まる。それからのほうが犠牲もすくなくすむが...」

ジコ坊「金も時間もじゅうぶんにつぎこんだ石火矢衆四十名をかしあたえたのは鉄をつくるためではないぞ...とまあ師匠連は言うだろうなあ」

エボシ「まさかそなたまでシシ神の生首に不死不老の力があると思ってはいまいな」

ジコ坊「やんごとなき方々や師匠連の考えはワシにはわからん・・・わからんほうがいい」

エボシ「約束は守る。モロ一族のかわりに猪の群れが森にひしめくならかえってやりやすかろう。崖の裏にひそんでいるあやしげな手下どもをよびよせるがいい」

ジコ坊「いやぁハハハ...ばれてたか。あっ、そうだ!!もうひとつ」
ジコ坊「少年がひとりたずねて来なかったか?アカシシに乗ったふしぎな少年だが...」

エボシ「去った...」


町の女「なんか気味が悪いよ」
甲六「ありゃあただの狩人じゃねぇジバシリだ」
町の人「ジバシリ...?」

町の女「わたしたちもおともさせてください!!」
町の女「あんな連中を信用しちゃダメです!!」
町の女「エボシさまになんかあったらとりかえしがつかないもの」
町の女「せっかく石火矢をおぼえたんだから...」

エボシ「だからこそみんなにここを守ってもらいたいのさ。こわいのはもののけより人間のほうだからね。シシ神殺しがすんだらいろいろわかるだろうよ。唐傘連の師匠たちがシシ神の首だけでここから手をひくもんかね...侍だけじゃないよ。石火矢衆が敵となるかもしれないんだ。男はたよりにできない。しっかりやりな、みんな」

ゴンザ「エボシさまのことは案ずるな!!このゴンザ、かならずお守りする」

トキ「それがホントならねぇ...」
ゴンザ「なにい!!」
トキ「あんたも女だったらよかったのさ。んべ~~ッ」
ゴンザ「う...」
エボシ「ハハハハハハハ...」
トキ「くくっ」




アシタカ「ぐっ」

♪はりつめた弓の ふるえる弦よ♪月の光にざわめく おまえの心
♪とぎすまされた刃の美しい♪そのきっさきによく似た♪そなたの横顔
♪悲しみと怒りにひそむ♪まことの心を♪知るは森の精

モロ「つらいか...?」「そこからとびおりればかんたんにけりがつくぞ。体力がもどればアザもあばれだす」

アシタカ「わたしは何日もねむっていたようだな。夢うつつにあの子に世話になったのをおぼえている」

モロ「おまえがひと声でもうめき声をあげれば、かみ殺してやったものを...惜しいことをした」

アシタカ「美しい森だ。乙事主はまだ動いていないのか...」

モロ「穴にもどれ小僧。おまえには聞こえまい。猪どもに喰い荒される森の悲鳴が...わたしはここでくちていく身体と森の悲鳴に耳をかたむけながらあの女を待っている。...あいつの頭をかみくだく瞬間を夢見ながら...」

アシタカ「モロ...森と人間が争わずにすむ道はないのか?ほんとにもうとめられないのか?」

モロ「人間どもがあつまっている、きゃつらの火がじきにここにとどくだろう」

アシタカ「サンをどうする気だ。あの子も道づれにするつもりか!!?」

モロ「いかにも人間らしい手前勝手な考えだな!!サンはわが一族の娘だ。森と生き森が死ぬときはともにほろびる」

アシタカ「あの子を解きはなて!!あの子は人間だぞ!!」

モロ「だまれ、小僧!!おまえにあの娘の不幸がいやせるのか。森をおかした人間がわが牙をのがれるためになげてよこした赤子がサンだ...!!人間にもなれず山犬にもなりきれぬ哀れで醜い可愛い我が娘だ!!おまえにサンをすくえるか!!?」

アシタカ「わからぬ...だが共に生きることはできる!!」

モロ「ファッファッはッはッ!!どうやって生きるのだ。サンと共に人間と戦うというのか」

アシタカ「ちがう!!それでは憎しみをふやすだけだ」

モロ「小僧...もうおまえにできることはなにもない。おまえはじきにアザに喰い殺される身だ。夜明けとともにここを立ち去れ!!」



サン「...歩けたか?」
アシタカ「ありがとう。サンとシシ神さまのおかげだ」
サン「...」
ーーーーーー

アシタカ「ヤックル!!心配かけたな。」

アシタカ「う...!!?痛...足がすっかりなまってしまった」

アシタカ「しずかすぎる。コダマたちもいない...」

アシタカ「タタラ場のにおいがかすかに風にまじっている。案内ごくろう!!ひとつたのみがある...サンにこれをわたしてくれ!!」「いこう...」

♪て・てててん て・てててん♪

サン「ひどいにおい...鼻がもげそう」

モロ「ただの煙じゃない。わたしたちの鼻をきかなくしようとしているのさ」

サン「...あの女がいる!!」「・・・・こっちに気づいている...」

モロ「みえすいた罠をはったものだ」

サン「わな...?」

モロ「猪どもをいきりたたせて森からおびきだそうとしているのだよ。よほどのしかけがあるのだろう」

サン「おしえなきゃ!!猪たちは動きはじめてる。みんなやられてしまう」

モロ「乙事主とてばかではない...すべてわかっていても猪たちは正面から攻撃したいのさ..それが猪の誇りだからね」「.最後の一頭になっても突進してふみ破る!!」

サン「木をきりはじめた...」

モロ「あれもさそいだ」

サン「かあさん、ここでお別れです。わたし乙事主さまの目になりにいきます。あの煙にこまっているはずだから。」

モロ「それでいいよ...おまえにはあの若者と生きる道もあるのだがら...」

サン「人間はきらい!!」



サン「アシタカがわたしに...綺麗」ブチィ

モロ「おまえたちはサンとおいき!!わたしはシシ神のそばにいよう」

サン「いこう!!」



サン「モロ一族もともにたたかう!!乙事主さまはどこか!!?」ピエェェェ「ありがとう!!」




ーーーーーーーーーーーーーー

アシタカ「タタラ場からだ!!」
アシタカ「いこう!!」

侍「何者かぁ!!?」
アシタカ「侍だ!!」
侍「とまれェ!!」
アシタカ「おしとーーーーおる!!」
侍「こいやァアアアア!!」

侍「!!」

侍たち「こりゃあたまげた!!」

侍たち「とめたぞ!!やるのォ!」「くそっ」「!矢のむだだ!!やめとけ!!」



町の女「早く早く!!」
トキ「ほんとだ。あの人だよ」
町の女「幽霊じゃないよね?」
トキ「アシタカさまーっ!!」

アシタカ「おトキさんかー!!みんな無事かー!!?」

トキ「見てのとおりさ!!男たちの留守をねらって侍どもがおしよせてきやがった!!」

町の女「下はやられちまった」

トキ「女ばかりとあまく見やがって...」

アシタカ「エボシ殿は?」
トキ「動ける男はみんなつれてシシ神退治にいっちまってる。こうかこまれては知らせようがなくてさ」

アシタカ「シシ神退治...やはりさっきの音は...」

甲六「ダンナーあずかってましたぜーっ!!」
トキ「なんで鞍とミノも持ってこなかったのさ!!」
甲六「だって...」
トキ「この役立たず!!」

アシタカ「甲六、ありがとう!!エボシ殿をよびにいく!!それまでもつかー...!!?」

トキ「いざとなったらとけた鉄をぶっかけてやるさ!!」

町の女「アシタカさま、おねがいします!!エボシさまにはやく!!」

侍たち「はー外したか..」

町の女「船が来ますぞ、おはやく!」「!エボシさまおたのみます!!わたしらもたたかいますゆえ!!」

アシタカ「かならずもどる!!」

トキ「たのむよーっ!!」
町の女「お気をつけて...」



ある侍「でたぞーッいっきーー」

アシタカ「追手がかかった!!たのむぞ、ヤックル!!」

♪でれれれれれ~れ~♪

アシタカ「ああ...」
アシタカ「生きものの焼けるにおいだ...」



アシタカ「ヤックル!!」


侍たち「こいやぁー」
ジュワジュワジュワ
侍たち「うおおおおおおお!!」

ある侍「おらららららー」


アシタカ「来るなーーー!!」
キュイーーーーン ドスドス

アシタカ「ヤックル、傷を見せろ!!」
「すまないここでまっててくれ!!かならずもどる。」

アシタカ「だめだ、まってろ!!」

アシタカ「がんばれもうすこしだ」

ーーーーーーーーーーーーーーー

兵士「何者か!!?」
兵士「ここは修羅の庭。よそ者はすぐ立ち去れい!!」

アシタカ「この死者たちの世話になった者だ。いそぎ伝えたいことがある。エボシ殿に会いたい」

兵士「エボシはここにはいない。伝えよう、用むきを話せ!!」

アシタカ「本人に話す。エボシ殿はどこか!!?」




町の男「だんなー!!生きとったんですか!!」
アシタカ「かしら!むごいことになったな。」
町の男「まだ何人もうまってるんでさ」
町の男「ひでえなんてもんじゃねぇ」

アシタカ「タタラ場が侍におそわれた」

町の男「ええっ!!?」

アシタカ「女たちが上の曲輪(くるわ)にたてこもってがんはっている。いまならまだまにあう」

町の男「えれぇことになった...」
町の男「アサノのやつらだ...」「留守をねらいやがった」

アシタカ「エボシ殿はここにはいないのか!!?」

町の男「へぇ...シシ神殺しに森へ...」

アシタカ「すぐびもどせ!!まにあわなくなるぞ」

兵士「用むきがすんだら即刻たち去れ」
兵士「みな仕事にもどれ!!」

町の男「おい、ほっとく気かよ!!」
町の男「ちょっと待ってくだせえ」
町の男「あいつらタタラ場を見殺しにする気だぞ」
町の男「帰りを待ってたりしちゃ手おくれになっちまう」
町の男「すぐ使いをだせ!!」

兵士「森はひろくて深い。使いのだしようがないのだ」

町の男「うそをつくなよ!!」
町の男「のろしでもなんでもあんたちの得意だろうが!!」
町の男「エボシさまはやつらにおどらされてるんだ」

アシタカ「攻めよせた猪の中に山犬はいなかったか?」

町の男「えっ?」

アシタカ「サン...いやもののけ姫は?」

町の男「さぁわからねぇ...まっくろになっておしよせてきたから...」

アシタカ「...」

町の男「いました...お...おれたちがいちばん前にいたから...」

アシタカ「それで...」

町の男「わからねぇ!!とつぜんなんにもわからなくなっちまって...唐傘のやつら、おれたちをエサに猪をおびきよせ...地面ごとふっとばしやがったんでさ。上からも地雷火をなげやがった...」
♪デ~レ~レ~レ~
アシタカ「...」

アシタカ「はっ」

山犬「ガウヴウ~ッ」

町の男「んん...?」

アシタカ「サンはどうした!!?くっ...」

山犬「グルルル...」

アシタカ「おちつけ!!おまえを助けたい」

町の男「山犬だ!!山犬が生きてるぞーっ!!だ...だんななにを...」
町の男「だんな!!」

兵士「どけい!!小僧...なにをしている!!?」

アシタカ「この者に案内をたのむのだ。わたしがエボシを呼びにいく!!」

兵士「さては魔性のたぐいか!!どけッ!!」

アシタカ「シシ神の首とタタラ場とどちらがたいせつなのだ!!?」

町の男「毒針だ!!」
町の男「や...やめろ!!」
町の男「みんな力をだせ!!テコをつかえ!!」
セーヤッ セーヤッ セーヤッ
町の男たち「でたぞーっ!!」

アシタカ「みんなは沢をくだって湖の近くにかくれていてくれ!!」

町の男「へいっ!!」
町の男「お気をつけて...石火矢衆もやつらの仲間です」

アシタカ「あずかってくれ!!最後の矢が折れてしまった」
アシタカ「おまえはみんなといきな。ヤックルをたのむ!!」


アシタカ「サンのところへ!!!!そこにエボシもいる!!!!」

ーーーーーーーーーーー

ジコ坊「ジバシリどもにおくれるな。今日こそけりをつけるのだ」

狩人「ジコ坊さま」
ジコ坊「オッ。様子はどうだった?」
狩人「深手をおった乙事主はもののけ姫とさらに森の奥へ向かっております」
ジコ坊「やはりシシ神に助けをもとめる気だ。ぴったりはりつけよ!!人と見やぶられてはシシ神はでてこめぞ」

狩人「言われるまでもねぇ...」

エボシ「やつの顔にぬったのは猪の血か?」

ジコ坊「へへ...ジバシリのわざだ。おぞましいものよ」

ーーーーーーーーーー

サン「がんばって!!もうじきシシ神さまのお池だから」
ドンっ!!!!
サン「ああっ!!」


サン「なにかくる!!乙事主さまようすがおかしいの...」
乙事主「...」
サン「もうちょっとだからがんばって!!」

山犬「とてもいやなものがくる」
サン「なんだろう?血のにおいで鼻がきかない」
サン「猩猩たち...」

猩たち「おまえたちのせいだあー。おまえたちのせいでこの森おわりだあ」

サン「なにをいう!!森のために戦った者へのこれが猩猩の礼義か!!」

猩たち「おまえたち破滅つれてきたあ!!生きものでも人間でもない者つれてきたあ!!」

サン「生きものでも人間でもないもの...?」

猩たち「きたーっ!!森のおわりだ!!」
サン「!!」
山犬「ヴヴ~ッ」




サン「戦士たちが...」

乙事主「もどってきた!!」

サン「ハッ」

乙事主「もどってきた!!黄泉の国から戦士たちが帰ってきたァ!!」
「続け戦士達!!シシ神の元へ行こう」

サン「乙事主様 落ち着いて!!死者は蘇ったりしない!!」
「戦士の生皮をかぶってにおいを消しているんだ!中は人間だ!」
「止まって!やつらシシ神様の所へ案内させる気なんだ!!」
「アッー!」

乙事主「シシ神よ 出でよ!!汝が森の神なら我が一族を蘇らせ人間を亡ぼせ!!!」

サン「乙事主様 心を鎮めて!」

山犬「囲まれるぞ そいつはもうダメだ!捨てて行こう!」

サン「ダメ!!いま見すてたらタタリ神になってしまう!おまえは母さんにこのことを知らせて!!人間の狙いはシシ神さまだ。母さんが生きていれば知恵をかしてくれる」

サン「おいき!!山犬の血をとだえさせてはだめ!!」
「・・・・・いい子...」

サン「最初の者を殺す!!森じゅうにおまえたちの正体を知らせてやる!!」


山犬「オオオオオーン」

サン「...アシタカが...」

乙事主「ブギイイ!!」

サン「おのれ!!」

乙事主「あついぞ!!からだが火のようだ...」

サン「あっ!!ダメーッ!!」「乙事主さまタタリ神なんかにならないで!!乙事主さま...!!アッ!!」

アシタカ「こたえた!!わかるか?」
山犬「サンがあぶない!!」
アシタカ「いこう!!」

サン「ウ...!!...!!あつい...」
サン「アァッ!!いやだ...」
サン「タタリ神になんかなりたくない!!乙事主さま!!」



山犬「遅い!!のれっ!!」
アシタカ「あっ!!」

石火矢衆たち「山犬だーッ!!」
石火矢衆「ワァッ!!」ヒュン
石火矢衆「!!」

アシタカ「エボシーーー!!」
ジコ坊「おおッ」
アシタカ「先にいけ!!」


アシタカ「エボシ―!!!、話を聞けーッ!!」
エボシ「アシタカかァーっ!!?」

アシタカ「タタラ場が侍におそわれている。シシ神殺しをやめてすぐもどれ!!女たちが戦っている。男たちも山をくだった。みなそなたの帰りを待っている」

エボシ「その話信ずる証拠は?」

アシタカ「ない!!!!できるならタタラ場にとどまり戦いたかった」

エボシ「シシ神殺しをやめて侍殺しをやれと言うのか」

アシタカ「ちがう!!森とタタラ場双方生きる道はないのか!!?」


石火矢衆「エボシさま、もどりましょう」

ジコ坊「あいつ...どっちの味方なのだ?」

エボシ「女たちにはできるだけの備えをさせてある。自分の身は自分で守れと...」「池だ!!シシ神は近いぞ」

ジコ坊「いよいよ正念場だ。油断するな。」
ジバシリ「あの女いなくとも...」
ジコ坊「神殺しはこわいぞ。あいつにやってもらわにゃ...」

ーーーーー
アシタカ「モロっ死んだのか...?!!」「サン、どこだー!!サーン!!」

サン「アシタカー!!」
アシタカ「...!!」


アシタカ「乙事主...」

ジバシリ「去れ、わっぱ!!」

アシタカ「ここで争うとシシ神はでてこぬぞ?」
「乙事主よ、しずまりたまえ!!乙事主、山犬の姫をかえしてくれ。サンはどこだ。サーーーン!!きこえるか。わたしだー!!アシタカだー!!」

♪デレレレレーン

アシタカ「サン!!くっ!!」

狩人1「ワァッ」
狩人2「あいつをしずめろ!!」
狩人たち「殺せ!!やつを射殺せ!!」

山犬たち「ガウウガウガウ」

狩人たち「うわっ~」

アシタカ「サン!!」
サン「アシタカ!!」


モロ「やれやれ、あの女のためにのこしておいたさいごの力なのに」

狩人たち「結界をはれ!!」

モロ「おまえたち手出しをするんじゃないよ。タタリなんぞもらうもんじゃない」

タタリ神になった乙事主「ぐぇー!!」

モロ「もう言葉までなくしたか...」

ジコ坊「よくやった。もういいぞ。けが人の手当をしてやれ。いやいやおそろしいながめよ。」
「ん・・・・???でた...!!!!」

モロ「わたしの娘をかえせ!!!!!!」

(モロ「アシタカ!!おまえにサンが救えるか!!?」)


アシタカ「ハッ。シシ神...」

ピュン!!!

アシタカ「ああ!!」
アシタカ「エボシー!!うつな―!!」
アシタカ「エボシ!そなたの敵は他にいるはずだ!」

ジコ坊「石火矢がきかぬ」
エボシ「首をとばさねばだめか...」

アシタカ「サン!!死ぬなァ!!」

ちう・・・ドサ!!  ドサ!!

ジコ坊「なんとシシ神は生命を吸いとるのか。...むっ!!?いかんディダラボッチになるぞ!!」

エボシ「みなよく見とどけよ!!神殺しがいかなるものなのか。シシ神は死をもつかさどる神だ!!おびえておくれをとるな」




アシタカ「...!!?やめろお!!」
アシタカ「エボシ!!」



エボシ「クソォオオッ、化け物め!!」


アシタカ「くっ!!」
石火矢衆「やったぁ」

サン「ぐっ」

ジコ坊「やったぁ!首おけを用意しとけ!!」

アシタカとサン「...」


ジコ坊「わぁ!!」
石火矢衆「ぐわ~」
兵士「うっ」

エボシ「ジコ坊、首おけをもってこい!!」

ジコ坊「かつぎ手がやられた!!はやくはやく」

エボシ「シシ神の体にふれるな!!生命を吸いとられるぞ!!」「受けとれ!!約束の首だーー!!」
ジコ坊 「おおっとっと!」

モロ「ばくっ!!」
ゴンザ「エボシさま!!」

エボシ「モロめ!!首だけで動きよった...」

ジコ坊「やばいぞ、いそげー」
兵士「ジコ坊さま!!」
ジコ坊「逃げろ!!」

アシタカ「島へ逃げろ!!」
ゴンザ「わしはおよげんのだ!!」
アシタカ「水の底は歩ける」

サン「そいつをよこせ!!やつ裂きにしてやる」
アシタカ「モロが仇をうった。もう罰はうけている。手をかせ」
ゴンザ「エボシさま」
エボシ「よけいな情けは...」
アシタカ「おトキさんたちにつれて帰ると約束した」


アシタカ「首をさがしている...ここもあぶない、サン。力をかしてくれ」
サン「いやだ!!おまえも人間の味方だ!!その女をつれてさっさといっちまえ!!」

アシタカ「サン・・・」

サン「くるな!!人間なんか大キライだ!!」

アシタカ「わたしは人間だ。そなたも...人間だ」

サン「だまれェ!!わたしは山犬だ!!」

アシタカ「サン」

サン「よるな!!」

アシタカ「すまない。なんとかとめようとしたんだが...」

サン「もう終わりだ。なにもかも。森は死んだ...」




アシタカ「まだ終わらない。わたしたちが生きているのだから。力をかしておくれ」

兵士「まて~手伝え!!」
ジコ坊「どいつもこいつもまったく...いかんいかんいかん!!...!!首が動いとる...」
ジコ坊「こいつが呼んどるんだ!!」

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カンカンカンカン カンカンカンカン カンカガチャ!!

町の人「とれたよ、トキ」
トキ「ありがとう。」
町の人「やけに静かだね。」
トキ「夜明けをまつつもりさ」
町の人「あの若者はエボシさまに知らせてくれただろうか?」
トキ「アシタカさまはきっとやってくれるよ。もうそのへんに来てるかもしれないよ?」
「あーあ、だらしない顔しちまって、おい、甲六!!」

町の人「いまのうちさ寝かしといてやりなよ」
トキ「なんだろう気味が悪いね」

トキ「あ…ディダラボッチだ!!!!」

侍たち「ひけェ、馬をひけぇ。こらー乱(みだ)れるな」
トキ「持ち場をはなれるんじゃないよ」
町の女「どうしよう。こっちへ来るよ」
町の人「だめだ。逃げよう」
トキ「タタラ場を守るんだ。エボシさまと約束したんだから...」

町の人たち「あの人だ!!」
町の人「アシタカさまだ!!」

アシタカ「みんな逃げろー」
アシタカ「シシ神が首をとりもどそうと追ってきたんだ。あのドロドロにさわると死ぬぞー!!水の中へいけー。ドロドロがおそくなる。男たちとエボシは対岸をこっちへ向かっている。わたしたちは首をとりもどしてシシ神にかえす」
サン「アシタカ!!」

アシタカ「いそげー!!」

町の人「来るよぅ」「どうしよう トキ」
トキ「さわぐんじゃない!!!!」
町の人「トキ、逃げよう」
トキ「みんなを湖へ!!」
町の女「はい!!」
トキ「落ちついてケガ人や病人に手をかすんだよ」「はやくはやく」

トキ「そっちへいっちゃだめだよ」

甲六「ああ...大屋根が...」
甲六「もうだめだ!!タタラ場が燃えちまったらなにもかもおしまいだ」

トキ「・・・・・生きてりゃなんとかなる!!もっと深い所へ!!はやく!!!!」



サン「いた、あそこ!!」
サン「おいき!!」

アシタカ「その首、まてェー!!」

ジコ坊「おお!おぬしも生きとったか、よかった」




アシタカ「首をシシ神にかえします。置いてはやく逃げなさい」

ジコ坊「バカを言うな、いまさらとりかえしはつかん。」
「陽が出ればすべて終わる、見ろ・・・生命を吸ってふくらみすぎたのろまな死神だ。陽にあたればやつは消えちまう」

兵士「ジコ坊さま、追いつかれます、早く...」

ジコ坊「天地(あまつち)の間にあるすべてのものを欲するは人の業というものだ...」
アシタカ「あなたを殺したくはない!!」
ジコ坊「いやぁ、まいったなァ。そうこわい顔を...するな!!」
アシタカ「くっ」
ジコ坊「走れ!!」
サン「アシタカ!!」

ジコ坊「おうっ」

ジコ坊「囲まれたぁ~ああ~いかん」
ジコ坊「朝陽よ、いでよぉ」

アシタカ「桶を開けろ」

ジコ坊「わからんやつだな、もう手をくれだ」
サン「アシタカ、人間に話したってむだだ!!」
アシタカ「人の手でかえしたい」

ジコ坊「ええい!!どうなっても知らんぞ」
ジコ坊「わっ!!」

サン「...」
アシタカ「シシ神よー首をお返しするー鎮まりたまえー」
ジコ坊 「ホッ!!きよる!きよるぞー!! 」

♪で~ででで~♪

甲六「動かなくなったぞ...」
トキ「男たちだ!!」
町の女たち「エボシさまー」
ゴンザ「ええい、さわぐな傷にさわる!!」

町の人たち「ああー...たおれる、たおれる」
町の人たち「つかまれ!!はなすな」

♪・・・・・・・・・・ドシン・・・・♪
♪ビュウ~~~ボ~~~ビュウビュビュ~(風の音)
♪テテテン テテン テテテン テテン テテテ~テテテテテテン♪

甲六「すげぇ...シシ神は花さかじじいだったんだぁ...」

ーーーーーー

アシタカ「サン...サン。見てごらん」

サン「よみがえってもここはもうシシ神の森じゃない。シシ神さまは死んでしまった」

アシタカ「シシ神さまは死にはないよ。生命そのものだから...生と死とふたつとも持っているもの...わたしに生きろといってくれた」

サン「アシタカは好きだ。でも人間をゆるすことはできない」

アシタカ「それでもいい。サンは森でわたしはタタラ場でくらそう。共に生きよう。会いにくいよ。ヤックルに乗って」



エボシ「ざまぁない。」「わたしが山犬の背で運ばれ生きのこってしまった。・・・・礼を言おう、誰かアシタカを迎えに行っておくれ。みんなはじめからやり直しだ。ここをいい村にしよう」



ジコ坊「いやぁーまいった、まいった。バカには勝てん」

カラカラカラカラカラカラ

おわり




♪はりつめた弓の ふるえる弦よ

♪月の光にざわめく おまえの心

♪とぎすまされた刃の美しい

♪そのきっさきによく似た

♪そなたの横顔

♪悲しみと怒りにひそむ

♪まことの心を

♪知るは森の精 もののけ達だけ

♪もののけ達だけ