こんにちは。
モチベーション・マネジメントLAB所長です。
今回は自己紹介の第3話となります。
よろしくお願いいたします。
アメリカ留学の概要
会社には、「アメリカ留学制度」というものがありました。
留学生に選ばれると年初から人事部付けとなり、まずは英会話を勉強する期間が与えられます。
そして、3月に渡米し11月に帰国するという現地9か月の留学制度でした。
この制度が始まって最初の3年間は2名が選ばれるというものでしたが、4年目から(おそらく予算の都合で)1名となりました。
僕は5年目・8人目の留学生でした。
僕の場合、
プリンストン(NJ)で英語の勉強(1ヶ月)
ガーデンシティ(NY)で英語の勉強(1ヶ月)
ボストン(MA)で英語の勉強(2ヶ月)
※NJ・・・ニュージャージー州、NY・・・ニューヨーク州、MA・・・マサチューセッツ州
そして、ニューハンプシャー大学でビジネス講座に参加(1ヶ月)
最後は、ニューハンプシャー州にあるコカ・コーラ事業会社で約3ヶ月間、現地のビジネスを学ばせて頂き、その後にジョージア州アトランタにあるコカ・コーラ本社(世界の総本山とも言える会社です)で数日間の研修を受けて帰国するというプログラムでした。
選抜のルール
選抜されるには一応のルールがありました。
まずは、その前年に実施される会社の研修に参加しなければなりません。
カリキュラムは、マーケティング、財務、情報システムの3つで、いずれも1泊2日の研修が土日に実施されます。
この研修の特長は「自己啓発型」であることで、参加するには料金を会社に支払わなくてはなりません。
料金と言っても3万円程度で冬のボーナスからの天引きとなります。
土日の研修は「自分の意志」で参加するので、業務としては取り扱われません。
さらに所定の通信教育を受けて修了することも必須です。
ただ、通信教育の費用もこの3万円に含まれますので、内容を考えれば安価だろうと思います。
この研修では、最後に総合演習が行われ学んだことを駆使した戦略を発表することが求められます。
ここで、最優秀の評価を得たものが次年度の留学生に選抜されるという仕組みでした。
そして、幸運にも僕は留学生に選抜してもらえました。
これも物流企画課での仕事の経験を活かせたことはことは言うまでもありません。
通じなかった英語
3月末の渡米まで有名な英会話スクールに通いました。
当所は全くだった英語にも徐々に慣れ、先生からも「もう大丈夫」と太鼓判を押してもらいました。
自分でも「そこそこいけるかな」という自信もあったのですが、その自信は最初に降り立ったデトロイトの空港で打ち砕かれることとなりました。
ファストフード(バーガーキング)で注文する際に、店員さんが何を言ったのかが分からず、会話が全く成立しなかったのです。
後に簡単な言葉だということが分かったのですが、英会話スクールで先生が話してくれる綺麗な英語とは全く異なりました。
アメリカで生活するにつれ徐々に慣れていきましたが、知らない単語があることは仕方ないにしても、文法は教科書通りではないし、話すスピードも日本で学んだものとは比較にならないので、一つひとつを聞き取るのが大変でした。
例えば、ファストフード店でよくある会話の「お持ち帰りですか? こちらでお召し上がりですか?」を教科書通りに訳すと「Will you eat it here? or Will you take it out?」などになると思うのですが、現地では「For here? or To go?」となります。
僕がデトロイトの空港で分からなかったのはこの言葉でした。
楽しかったアメリカでの生活
プリンストン(ニュージャージー州)とボストン(マサチューセッツ州)では、ホームステイの生活でした。
最初は全く分からなかった英語も、ホームステイでの生活を通じて徐々に慣れていくことが出来ました。
会社からは、留学の際の経費として(所定の給与以外に)十分な予算が与えられており、この期間中に見聞を広めるために使って良いということでした。
留学の前任者たちの話を聞くと、旅行や現地でできた友人たちとの飲食に用いたと聞いていたので、僕もそれに倣うことにしました。
この予算を使って行った先は、例えば以下の地図でブルーの網掛をした場所なんかがそうですが、レンタカーで行ったヶ所を含めると20ヶ所を下りません。
一人旅であったことで自由に考え行動できた結果、言葉、風習、文化など様々なことを学ばせてくれました。そして根性もつきました(笑)
そして帰国するまでの3か月は、現地のコカ・コーラ事業会社(Coca-Cola Northern New England社)にお世話になり様々な体験をさせてもらいました。
コンボイトラックでの配達に同行させてもらったり、大きなスーパーの催事スペースに大量のコカ・コーラボトルを積み上げたり、レストランでの商談に同行させてもらったり。
いずれも「日本のコカ・コーラの社員が研修に来ている」と知ると、お店の方も大歓迎してくれて、それは商談にも役に立ったようです。
承認欲求が満たされる
英語に関しては、この頃までには日常生活には困らないくらいにまで上達していて、もちろんお世辞もあったとは思いますが、周囲から「君は上手に英語を話す」と言って貰えたことで自信に繋がりました。
これぞ承認欲求を満たすというもので、自分ではそれほどでもないと思っているものでも、こうやって言って貰えると嬉しいものです。
無論、テレビでニュースを見ていてもさっぱり分からんというレベルなので、決して満足できるレベルではありません。
しかし、自分の英語力を認めてもらっているという感覚は、「これで十分だ」という思いより、むしろ「もっと上手くなりたい」という気持ちだったことは間違いありません。
ボストンで通っていた英語の先生が「独り言を英語で考えて呟く習慣をつけろ」と教えてくれたのですが、これは役に立ちました。
そして、分からない表現、伝えたい言葉があればそのままにせずに辞書で調べて自分のものにするようにしていました。
こういった小さな行いが積み上がって英語の上達に繋がったのではないかと思っています。
そして帰国
11月の上旬に、アトランタ(ジョージア州)にあるコカ・コーラ本社(The Coca-Cola Comapny)で3日ほどの研修を受けて、全て留学プログラムは終了。
その後、実際に帰国するまでは自由に過ごしていいとのことだったので、ラストの1週間をカリフォルニアで過ごすこととしました。
ロサンゼルス西部のサンタモニカビーチ近くに宿をとって、ここを基点に北はサンタマリア、南はサンディエゴあたりまでドライブしたり、ビバリーヒルズやハリウッドあたりをブラブラしたりしながら最後の日々をゆっくり過ごさせてもらいました。
最後の夜、太平洋に沈んでいく夕陽を見ながら、アメリカでお世話になったすべての方を思い出し、感傷に耽ったのでした。
最後はちょっと贅沢しようと、ANAのビジネスクラスを予約し、成田空港経由で大阪伊丹空港に到着したのが11月の中旬。
妻と娘(3歳)が迎えに来てくれていました。
さて、帰国後はどの部署に配属になるのか興味津々でした。
もう物流部に戻ることは無いだろうから、営業企画部か経営企画部のどちらかだろうと勝手に思い込んでいました。
しかし、蓋を開けてみると思いもよらぬ部署が発表されました。
(つづく)
最後までお読みいただきありがとうございました。
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