ローワン・ジョフィ監督。


1947年に映画化されたグレアムグリーンの小説が原作。

その再映画化。

時代は1960年代のイギリス。

ギャングの抗争の真っ只中にいる若い男と少女のお話。


「愛と裏切りの映画」なんてキャッチフレーズが付けられていた(ような気がする)けれど、観た感想は「若さの映画」っていう感じだった。


いやだって、もう、ねぇ。訳わかんないよ!


中盤、

とあるギャングの一派に身を置いている主人公ピンキー(サム・ライリー)は、上納金(っていうのかな?)を取立てに賭博屋にお邪魔する。でも、街はすでにピンキー所属のギャングではなく、コレオーニ(アンディ・サーキス)率いるギャングに支配されている。

「あんたらが何を守れる?私の安全はコレオーニが守ってくれる」と言われるが、ナイフを突きつけてムリヤリ金を奪う。(この時代は殺人罪=絞首刑なので、銃は出てこない)


で、ムリヤリ金を奪ったもんだから、当然コレオーニの手下がやってくる。6人くらいで続々と車から降りてくるコレオーニの手下たち。ピンキーらは3人。

「俺は逃げないぜ」とピンキーは格好良く言うと、くるりと背を向けて走り出す。

もう、全力疾走で逃げ出す。途中カフェの前に止めてあったバイクを盗み、(1960年代のバイクなので、足でガツンと衝撃を与えればエンジンがかかる)盗んだバイクで走り出してどこに向かうのかと思えば、コレオーニ本人のところ。


コレオーニ本人と会い、ほんとお前何しに来たのみたいになって、何の収穫もないままピンキーはコレオーニの屋敷から出てくる。

出てきたところを警察に捕まる。警察もコレオーニの支配下ですから。


行動が若者らしい行き当たりばったりの連続で、途中からツムツムしてしまった。

ただ、サングラスかけてバイク転がしてるのは格好良かった。

あの、バイク好きなら知っているかもしれないけれど、カフェレーサーと呼ばれているスタイルだ。

ロンドンで唯一の24時間営業をしていたエースカフェと呼ばれるカフェに、ロッカーズと呼ばれる若者たちが毎夜のように集まっていたそうな。

彼らは改造オートバイに乗って、ゲームをするのだ。

店のジュークボックスにコインを入れて曲が始まると同時にスタートし、曲が終わるまでにカフェに戻ってくるという公道レースだ。


(なんでこんなバイク走ってんだろう)と思った人は、つまりそういうことだ。


あと、あの、ピンキーがローズ(アンドレア・ライズブロー)に言った言葉はぐっと来た。

「俺たちは二人でひとつだ。俺が悪で、お前が善だ」

という言葉。


無いものねだりは人生の基本!


終わり。


そういえば、ピッコロも同じようなこと言ってたな なんて思って、台無しな気分になった。