*この記事は2019年1月21日にyahooブログに投稿したものです。yahooブログ閉鎖に伴いこちらに転載しました。
マスカレード・ホテル
制作国:日本(2019)
上映時間:133分
監督:鈴木雅之
脚本:岡田道尚
撮影:江原祥二
出演:木村拓哉、長澤まさみ 他
あらすじ
都内で3件の殺人事件が発生した。現場にはいずれも不可解な数字の羅列が残されていたことから、連続殺人事件として捜査が開始される。警視庁捜査一課のエリート刑事・新田浩介(木村拓哉)は、その数字が次の犯行場所を予告していること、そしてホテル・コルテシア東京が4件目の犯行場所になることを突き止める。犯人を見つけるためホテルのフロントクラークに成りすまして潜入捜査に乗り出した新田は、教育係である優秀なフロントクラーク・山岸尚美(長澤まさみ)と衝突を繰り返しながら、事件の真相に近づいていく。
評価:★★★☆☆
◆感想(ネタバレなし)
この話の原作を読んだのですが、だいぶ前のことだったのでもう細かいところは忘れてしまいました。ただ、原作を読んだときに「連ドラにしやすそうな話だな」と思ったのを覚えています。恐らく原作者の東野圭吾も連ドラになることを意識して書いたのではないでしょうか。それだけに今回ドラマではなく映画でこの話をやるということは少し意外な気がしました。結論から言うと、やっぱりこの話は連ドラで見たかったなと思いました。
原作では宿泊客の一人ひとりが出してくる謎の要望もミステリーの要素になっていたのですが、映画では大筋の殺人事件の解決に向かって話を進めていかなくてはならないので、個々の宿泊客の話はわりと駆け足で終わってしまった気がします。連ドラなら宿泊客の一人ひとりの話にもっと時間がさけてより原作のテイストに近いものになったのではないでしょうか。また、その要望に応えていく山岸のキャラクターをもう少し魅力的に描くこともできたのではないかと思います。今回の映画は大筋の殺人事件の解決が主題となるので、どうしても新田刑事の活躍の方が山岸より前に出てきてしまい、相対的に山岸が弱くなってしまった気がします。
ただ、逆の言い方をするとこれだけ映画には向かない原作をよくここまでまとめて映画として仕上げたなと思います。
あと木村拓哉のぶっきらぼうだけど熱い刑事の役柄はとても良く合っていたと思いました。
*以下ネタバレです
◆ネタバレ
連続殺人と思われていた事件は、実は別々の犯人の殺人事件であることがわかる。ホテルでの殺人事件を計画していたのは老女に変装していた片桐(松たか子)だった。彼女は山岸の殺害を計画していた。以前恋人を追ってこのホテルに来たときに山岸に追い返された過去があり、それを逆恨みしての犯行だった。片桐が山岸を殺そうとしていた現場に新田が踏み込んで、片桐は逮捕された。
◆感想(ネタバレあり)
犯人の松たか子は最初老女に変装して出てくるのですが、声色が全く違って、変装を解くまで気づきませんでした。このサプライズは今作を映像化して良かったところなのではないかと思います。
少し気になったのが新田刑事が「警察官の仕事は人を疑うこと」と言ったのに対し山岸が「ホテルマンの仕事はお客様を信じること」と言い返すくだりです。原作で同じやりとりがあったか覚えてないのですが、原作では信じる、信じないよりも、「宿泊客の仮面をはがそうとする刑事」と「宿泊客の仮面を絶対にはがさないように接するホテルマン」という対立だった気がします。映画ではこれが前述のように信じる、信じないというところにウエイトが乗ってしまったので、宿泊客を信じた山岸が馬鹿を見たような話になってしまった気がします。
総じて山岸のキャラクターの立場が弱くなってしまったのがやはりもったいなかった気がします。この映画がヒットしたら是非連ドラでも作って欲しいと思いました。
◆まとめ
・原作が映画より連ドラ向き。その中ではよく頑張って映画としてまとめてある。
・でも出来れば連ドラにして一人ひとりの宿泊客の要望や山岸の活躍を描いて欲しい