スパイダーマン スパイダーバース
制作国:アメリカ(2018)
上映時間:117分
監督:ボブ・ベルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン
脚本:ロドニー・ロスマン、フィル・ロード
声の出演:シャメイク・ムーア、ジェイク・ジョンソン 他
あらすじ:ニューヨーク・ブルックリンの名門私立校に通う中学生のマイルス・モラレス(シャメイク・ムーア)。実は彼はスパイダーマンでもあるのだが、まだその力をうまくコントロールできずにいた。そんな中、何者かによって時空が歪めらる事態が発生。それにより、全く異なる次元で活躍するさまざまなスパイダーマンたちがマイルスの世界に集まる。そこで長年スパイダーマンとして活躍するピーター・パーカー(ジェイク・ジョンソン)と出会ったマイルスは、ピーターの指導の下で一人前のスパイダーマンになるための特訓を開始する。(映画.comより)
評価:★★★★☆
・感想(ネタバレ無し)
アカデミー賞長編アニメ賞受賞ということで期待していたのですが、さすがにおもしろかったです。特に日系人のペニーパーカーの描かれ方が凄く日本のアニメっぽく、それがいわゆる普通のCGアニメの立体感のあるキャラクターと同居しているのが新鮮でした。
お話としてもスパイダーマンを継承する物語としておもしろかったです。ただ、もうちょっとコミカルなシーンが多くても良かったように思いました。あと、お父さんの描き方はあんまり上手くなかった気がします。これについてはネタバレありのところで書きたいと思います。
スパイダーマンが人気コンテンツとして広く認知されたことが、この作品を作ることができた大きな要因だと思います。観る人がスパイダーマンがどんなキャラクターなのかある程度知っていることが前提となっている気がしました。この話そのものは独立したお話ですが、サムライミ版のスパイダーマンの第1作ぐらいは見ておかないとわかりにくいところはいくつかあったように思います。恐らくコミック由来?と思われる小ネタもあったみたいなのですが、映画しか観ていない私にはわかりませんでした。
以下ネタバレです。
・ネタバレ
時空を歪める装置を作ったキングピン(リーブ・シュレイバー)との戦いにスパイダーマン達は向かいますが、自分の能力を巧く扱えないマイルズは取り残されてしまう。しかし、父(ローレン・ルナ・ベレズ)との和解をきっかけに姿を消す力と放電する力を自在に扱えるようになる。マイルズはキングピムとの戦いに参戦し、他のスパイダーマンをそれぞれ元の次元に帰して、キングピムとの一騎打ちを制して街に平和を取り戻した。
・感想(ネタバレあり)
基本はおもしろかったのですが、いくつか気になったところもあります。ひとつはマイルズが自分の力をコントロールできるようになるくだりです。父との和解を通じて能力をコントロールできるようになるわけですが、ここにもう少しロジックが欲しかったと思います。別に能力を使えるようになるきっかけが父の愛情を感じることでもよいのですが、それなら能力が使えないのは父の愛を感じ取れていないからだ、という伏線が欲しかったです。
それからお父さん自身についても、お父さんがマイルズとの関係性にお父さんなりに悩んでいるというシーンが前半にあったら良かったと思いました。
あと、コミカルなシーンもある映画なのですが、割とシリアスなシークエンスが長いので、笑えるシーンがもっとたくさんあっても良かったと思いました。例えばスパイダー・ノワールが色が識別できないというのがもっとギャグで使われるのかと思っていたのですが、ルービックキューブで遊ぶぐらいで終わってしまったのが残念でした。
ただ、長編アニメーション部門を取っただけあって、映像表現は巧みでおもしろかったです。特にスピーディーなアクションシーンは間違いなく今作の白眉でしょう。
まとめ
- 映像表現のすばらしい作品
- お父さんとの関係性の描き方にもう少し工夫が欲しかった
- 事前の予習としてサムライミ版スパイダーマンの第1作は観ておいたほうがよさそう