【映画の感想 No.7】ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 | 潜水服はモスラの夢を見る

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*本記事は2018年4月1日にyahooブログに投稿したものです。yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに転載しました。

 

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男

制作国:イギリス(2017)

監督:ジョー・ライト

脚本:アンソニー・マクカーテン

主演:ゲイリー・オールドマン、クリスティン・スコット・トーマス 他

 

あらすじ

第2次世界大戦勃発後、ナチスドイツの勢いはとどまることを知らず、フランスの陥落も近いとうわさされる中、英国にもドイツ軍侵攻の危機が迫っていた。ダンケルクで連合軍が苦戦を強いられている最中に、英国首相に着任したばかりのウィンストン・チャーチル(ゲイリー・オールドマン)がヨーロッパの命運を握ることになる。彼はヒトラーとの和平か徹底抗戦かという難問を突き付けられ……。(シネマトゥデイ)

 

評価:★★★☆☆

 

 

◆感想(ネタバレなし)

印象的だったのが、チャーチルを小さな部屋やのぞき窓の窓枠の中など、とても狭くて囲まれた中にいる(ように見える)カットが多用されていたことでした。たった一人でイギリスの、ひいては世界の命運を握ることになったチャーチルの孤独と重圧が伝わる画作りでした。彼はラストカットでも囲まれた状態で終わるのですが、彼を囲っているものが何か、というのが依然重圧を伴う状況ではあってもこれまでとは違うのだということを端的に示していたように思います。

 

ただ作品全体として、良い作品だとは思うのだけど…というのが正直な感想です。詳しくはネタバレありのところで書きたいと思います。

 

*ここからネタバレです

 

◆ネタバレ

就任当初は徹底抗戦を主張していたチャーチルでしたが、戦況は悪くなるばかり。その中でチャーチルの心は揺らぎ始め和平交渉を検討し始めます。そんな彼の前にそれまで敵対していた国王ジョージ6世(ベン・メンデルソーン)が現れ、市民の声を聴くように助言します。一人で人生初の地下鉄に乗ったチャーチルはそこで徹底抗戦を指示する市民たちの言葉を聞き勇気づけられます。下院の大臣たちの指示も得てチャーチルは決意を新たにし、国会で人々を鼓舞する演説をして物語は幕を閉じます。

◆感想(ネタバレあり)
チャーチルの権力ある為政者故の孤独がとても丁寧に描かれている序盤~中盤は良かったのですが、終盤の地下鉄のくだりで置いてきぼりにされてしまいました。それまでとてもリアルに進んできたなかで、この地下鉄の場面だけ急にリアリティの水準が下がるのです。いきなり一国の首相が一人で地下鉄に乗って、名もなき市民たちと語り合い、しかもそこにいる市民の思想が皆一致している…ってあり得なさすぎて興ざめしてしまいました
もちろんとても映画的な飛躍でもあると思うのでこういう展開が好きな人もいるとは思うのですが…。

 

そしてこの地下鉄のくだりを皮切りにトントン拍子でチャーチルの主張が周囲の指示を集めてしまうのも気になりました。特にチャーチルに強く反発していたチェンバレン(ロナルド・ピックアップ)とジョージ6世が何故チャーチルを指示するように変わったのかはもう少し丁寧に見せて欲しかったです。

 

あとホントに細かいところですが、私は『英国王のスピーチ』が好きなのでジョージ6世は少しでいいのでちゃんと吃音がある描写を入れて欲しかったです。