【みんなの危機感は甘すぎるぞ!】

 

 

これから先の人生を長く生き抜かなければならない若い世代の皆さん。
皆さんにとって、今の日本はそこはかとなき「不安な社会」に映っているのではないでしょうか。
それはひとつには、20~30代の若い世代と親世代(50~60代)との間に、社会体験上の大きなギャップがあるからでしょう。
人は子供から大人になるまでの間、ひたすら親の背中を見て育ちます。
ところが今の親世代の生き方に倣おうとしても、それが通用しないことをヤング世代は本能的に感じ取っているはずです。
私も実際は親世代にあたる50代で、我が国の高度成長時代の末期、すなわちバブル期に社会へデビューしました。

当時の日本は戦後の奇跡の経済成長を遂げ、世界から「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と称賛を浴びる中で、世界の覇権を握ったかのごとき高揚感に国民全体が浸っていました。
そうした有頂天がバブル経済を引き起こしたわけですが、当時の僕らヤング世代はこの国の将来に何ら不安を感じることはありませんでした。
理由は明確で、人は現在を見て感じて、それを前提に未来を想定する生き物だからです。

 

■親世代の生き方はもう参考にならない

30年前の日本は高度成長期をとっくに終えたものの、まだそこそこの安定成長時代。
企業に就職すれば終身雇用が前提であり、年齢とともに係長→課長→部長へと肩書も上がっていく年功序列が当たり前でしたから、
自分の親が歩んできたエスカレーター人生を自らの将来にも容易に投影できたのです。
ところが1990年代のバブル崩壊を経て、21世紀に入ってからの日本経済は一気に成長段階から成熟段階に突入しました。
国の名目GDP(国内総生産)は97年をピークにじわりじわりと減少を続けるデフレ病に冒されて久しく、今の若い世代はそうした社会環境を受容しながら大人になったわけです。
この間、すなわち「成長しない経済」の中で進んだ変化は、終身雇用・年功序列に代表される日本的経営の崩壊であり、永久不滅と思われていた有名大企業が次々と消えて行く光景でしたが、それも今では日常茶飯事になりました。
それでも親世代、とりわけ団塊の世代と呼ばれる人たちの多くは、20世紀の余韻で何とか無事定年を迎え退職金を手にすることもできましたが、こうした社会通念はいよいよ終焉(しゅうえん)間近です。
デフレが20年も続いてしまった社会に生きていれば、人は誰しも成長を前提にした未来を想定することができなくなります。
ですから若い世代が自分たちの将来に不安を覚えるのは、親世代の常識との乖離(かいり)が甚だしく、かつ急速に進行したため当然のことと言えるでしょう。
 ……と素直な論調で筆を進めたいところですが、やはりあえて申し上げたい。
「若い世代の不安感は極めてぬるい」と。
それは前述のごとく、人は現在を見て感じて未来を想定しがちなため、皆さんの不安感は「成長はしなくとも経済の横ばいは継続する」というイメージに基づいた、現状維持を前提にした程度の不安にすぎないということです。
なぜそんなことが言えるのか。なぜならこの国には、いまだ顕在化せずにあるもっと深刻な社会構造上の課題が山積していて、現在の一見安定しているような社会は決して継続的ではあり得ないと断言できるからです。

少子高齢化の進行、社会保障コストの増大、そして累積する政府債務問題などの事象を知らない人はいないでしょう。
それでも今の日本社会全体に世代を問わず欠落しているのは、近未来に顕在化せざるを得ない、国家の根幹を揺るがすほどの問題に対する「危機意識」なのです。


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