⭐この記事から見て下さった方は
    分かりにくい部分が多くあると思われます。
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陽が産まれて1ヶ月半を過ぎた頃
 
ベッドの移動を提案された
 
 
陽のいる病院は
次々と
1000グラム程の赤ちゃんが誕生する
 
生きようと頑張る小さな命を
先生方が懸命に守っている
 
 
そんな中
陽はNICUの1番奥で
誰よりも場所をとっていた
 
 
 
体重は2500グラムあり
 
呼吸も落ち着いている
 
 
常に感染症の恐れはあるが
 
無菌カプセルに守られ
つきっきりで
一分一秒を争う程の状態ではもうない
 
 
ということで移動の話がでた
その時
先生は言葉に詰まらせながらこう言った
 
 
『移動した先では、他のお母さん達に見られることがあります。』
 
『精一杯、見えないようにパーテーションなどで対応はしていこうと思いますが、完璧に見えないようにすることは不可能です。』
 
『それでもよろしいでしょうか。』
『もし嫌なら、そう言って下さい。
それならまた別の方法を考えます。』
 
 
急なことだった為
すぐに返事をできないでいると
 
傍にいた看護師さんが私の腰に手を当て
 
 
『お母さん、無理しなくていいよ。』
 
『嫌なら、正直にそう言ってね』
 
と優しく声をかけてくれた
 
 
 
 
見られる
 
 
 
これまでにも何度か
処置をする際
パーテーションを開けて行うことがあった
 
その時
面会にきていた
お母さん達が陽の姿を見て
 
なんとも表現しづらい表情をしていた
 
夫婦で面会にきていた人は
陽を見てヒソヒソと話していた
 
 
正直に言えば
 
 
 
 
 
嫌だ。
そんな目で見られなくない。
 
 
 
これが本音だった
 
 
だけど
言えるはずがない
 
 
陽のすぐ傍では
 
まさに今
この時を生きたいと
小さい体で踏ん張る赤ちゃんがいる
 
その姿を見てきているから
 
 
 
言えるわけない
 
言えるわけがない
 
 
 
 
見られること
 
それは陽にとっても
私にとっても
 
これからずっと続いていくこと
一生続くこと
 
もういい加減
腹をくくらなければならない
 
ここで一歩
いや
半歩でも踏み出さなければ
 
この先もきっと
踏み出すことができない
 
 
 
 
『移動して下さい。』
『私達は大丈夫ですから。』
 
 
 
そう自分に言い聞かせるかのように言った
 
 
 
つづく
 
 
⭐現在に追い付くまでは、過去の話となる為、
    ブログとは少し違う感じとなります。
    少しずつ、母として強く成長していく姿を
    優しく見守って頂けると幸いです。