こんな長期休暇のときしかゆっくり本は読めないのでまとめ買い!
最近本屋に行って嬉しかったのが、池田晶子さんの本「14歳の君へ」が新しいカバーになって生まれ変わり、注目・新作コーナーのところに置かれていたこと!

思えば、この中学生向けの著書で、池田晶子氏は有名になった。うんと読みやすく分かりやすい、中学生向けの哲学の本だが、もちろんもっと小さな子から大人まで幅広い年齢層に読みやすい内容となっている。私も娘に勧めて、娘はあっという間に読み終えていたが、この本が今、改めて出版され本屋の店頭に置かれてある意味を私は深く考えてしまった。

こんな時代だからこそ、池田晶子さんのように
ものごとの真理を、世に広く訴える人が必要だ。
ポスト池田晶子さんのような存在が今の日本には不在、
いないのである。(少なくとも私の見ている限りでは…)

必要なことを当たり前に言ってくれる彼女のような存在が、今こそ必要なのに。
あの歯切れのよいテンポで紡がれる厳しくも潔い彼女の文章を私はまた読みたい。混沌を極めた今の時代を再びぶったぎって欲しい。言葉のメスで一刀両断、世の中の本質を世の中の人たちに知らしめて欲しい。生温い慰めや甘いだけの癒しなど不要だ。「本当の正しさ」に人は飢えている。彼女こそ、正当にもその普遍を唱えることができる人なのに。

でも、ここで思う、
彼女の言葉たちは著書のなかで永遠であり、
その言葉が繰り返し読まれることを何より言葉自身が望んでいることであろう。だからこそ、再び彼女の本が店頭に並び注目されるのだ。 一度読まれたらゴミ箱行き、そんな使い捨ての流行りものではないからこそ、時代を越えて読み継がれる貴重な書物、池田晶子さんの著書はまさにそういう種類のものだと私は思っている。あと数冊で、池田氏のすべての著作が揃う。もう少し! 


水木しげるさんの本は
疲れてるときに励みになる。
この人の生き方が、私は大好きなのだ。
幸福観察学会の会員だったらしいが(ちなみに会員は水木さん一人)、私もどうかその会に入れて頂きたい。僭越ながら、私にもその「幸福観察学会」とやら、入会する資格が十二分にあると自負しております。日々私なりに幸福について思い巡らし、考えておりますがゆえ。水木しげるさんの幸福論は、あまりにも奥が深い。
求めるところに幸福はない、物量の豊かさは幸福ではない、というところに、
池田晶子さんとの共通点を強く感じるし。


       「魂が共鳴している」 

とでも言おうか。池田晶子さんにしろ水木しげるさんにしろ。根底の考え方に強く賛同するから、その言葉を読んで深く安心するのではないか。思うに、人間というのは恐らく何種類かに分かれていて、同じ種類に属していたら、一方の呼びかけ、その言葉に、否応無しに呼応するものではないか。書かれた言葉は、公に発表された以上、応えられることを必ずや求めているものだ。文章はその意味で生きている。本を読んでいるといつも感じる。

いずれにせよ
池田晶子さんも水木しげるさんも
この世にはもうおられないが
時折その事実に寂しくなることはあるけれども…

生身としての彼らはいなくても、本を読めばその存在はしかと感じられるので
ゆっくりと味わい尽くしたいと思います✨