10/22鑑賞

 

ヤマシタトモコさんの『ひばりの朝』や本作『違国日記』の独特な雰囲気に何か惹かれるものがあって好きなため、本作を鑑賞してみた。


原作と似たような雰囲気でとても良かった。


槙生の恋人 笠町と弁護士の塔野は、原作キャラとはイメージが違ったけど、これはこれでとても良い感じにしっくりきていた。


槙生の、人と一線を引いた距離感と、個を尊重する考え方と、言葉を大切にしているところと、たまに発する美しい言葉と、ドライで愛に慎重だけど、自分を含め、大切な人を大切に出来る強さがあるところが素敵。


「わたしはわたし、あなたはあなた」で生きることってとても大事だけど、情が絡むとそこが曖昧になったりする部分も出てきて、だからこそ良くも悪くも喜怒哀楽や幸せ不幸せを共有できたりもする。


ロボットじゃないんだから、それで良いと思う!それでこそ人間らしく、味わい深い。


特に、親の庇護が必要な時期は、しっかりと境界線を持つことは色んな意味で難しい。


だからこそ、その時期の家族や友達や恋人、その他の周囲の人々との関わりはとても重要で、時には激しく傷付き苦しむこともありながら、そこから学ぶこともたくさんある。


そういう経験を経た大人は、自愛がしっかりあるからこそ他愛も出来る、自立した人間になれるのだと思う。


本作はその他にも「両親の死」「家族間の不仲」「父親の不在」「セクシュアリティ」「社会的性」「若者の成長」など色んなテーマが盛り込んであって、なかなか深い。


映画にもそれらの点がうまく表現されていて、俳優さんたちも良い感じで、原作好きとしては納得の出来だった✨