4/22鑑賞
帰国便にて鑑賞。
ストーリー、構成、登場人物たちのキャラクター性、セリフ、演技、どれをとってもすごかった。
でも、あまりに重かった。切なかった。
なんて感想を書いていいか分からない。
特に森山未來さん演じる卓と藤竜也さん演じる陽二の、人物像・役割・演技がすごかった。
個人的な話になっちゃうんだけど、かなりバイタリティ溢れる父が重い病気にかかってしまい先月大きな手術をしてから、色々な気力を失くしてすっかり元気がなくなっちゃって…。
すごく心配なのもあるんだけど、また一段階増した老いを感じて、心配と同じぐらい悲しくて切ない気持ちがある。
両親の老いや闘病を目の当たりにして、老いとか、生き様とか、そういうことを学んでいるような気がする今日この頃。
悲しくて切ないけど紛れもない現実だし、老いれば誰にでも訪れる様々なこと。
今年になってから特に、親を通して自身を見つめるじゃないけど、そういうことを感じている。
本作でも、卓は似たような側面があると感じた。
だから、私の父は認知症ではないけれど、本作を観ていたらたまに陽二と父が重なっちゃって、ものすごく心にきた。
歳をとるって、それまで歩んできた軌跡や誰かと築いてきた関係や得たものがあって素晴らしいことでもあるけれど、一方で、やっぱり老いは切なくて辛い。
後半で、陽二の後妻・直美の行動の理由が分かってすごく切なかった;;
タイトル『大いなる不在』の意味について、感覚では理解出来ていても言葉での表現が出てこず、ネットで調べてみた。
すると、こう書いてあった。
「大いなる」とは、偉大なと言う意味で、「不在」とは、その場にいないということだ。
不在であるということは、過去には確かにそこに存在していたということになる。
そう、そういうことだ!!とスッキリした。
この映画には複数の『不在』があって、それに『大いなる』がつくことで、更に心に迫るものを感じた。
深く重い映画だった。

