6/21読了

 

①スマートデバイスを駆使して遠方から家族に干渉してくる姑と水面下で繰り広げられる嫁姑バトルの行方。

②金髪碧眼のデザイナーズチャイルドが「普通」とされる世界での子どもの幸せのかたち。

③次世代型婚活サイトでビジネス婚をしたカップルが陥った罠とその末路。

④自立型看護ロボットによって育児の負担が減った一方で、隔たれる母と娘の関係。

⑤技術革新によって生み出された、介護における新たな格差。

⑥対面しない葬式が一般的な世界で、二十世紀型の葬儀を希望する死者の本当の願いとは。

 

ホラーとミステリ、ジャンルを超えて活躍する澤村伊智がテクノロジー×家族をテーマに描いた、新感覚の家族小説。

 

澤村伊智さんが描くSFホラーということで、いつものガッツリホラーとは異なっていたけど面白かった。

 

現在よりも情報テクノロジーが進化した近未来の世界で起こる色んな家族のお話。

 

その昔、キアヌ・リーヴス主演の「ザ・インターネット」を観た時に思った「いつかそんな未来が来るのかなぁ?」っていう不思議な感覚に似たようなものを感じた。

 

時代によって技術も常識も異なるけれど、人間社会が抱える孤独感・依存心・同調圧力・差別・束縛・抑圧・マイノリティ・貧富の差など、こういうのはず~っと続いていくんだろうな。

 

最後の⑥以外は後味が悪いお話ばかりだったけど、共感できる部分や、危惧を覚える部分もあって、決してモヤモヤするだけではなかった。

 

そして、最後の⑥があのようなストーリーだったことに、澤村伊智さんって素敵な方だなぁと感じた。