1/14読了
詳細:
精神科医の象山は家族を愛している。だが彼は知っていた。どんなに幸せな家族も、たった一つの小さな亀裂から崩壊してしまうことを――。やがて謎の薬を手に入れたことで、彼は人知を超えた殺人事件に巻き込まれていく。謎もトリックも展開もすべてネタバレ禁止!前代未聞のストーリー、尋常ならざる伏線の数々。多重解決ミステリの極限!
感想:
奇抜な発想と構想にとても驚いたし、二重にも三重にも四重にも緻密に練られている伏線とトリックには思わず感嘆の声が上がるほどだった。
人体、数学、量子力学などの文献もかなり丁寧に参考にされたようで、本作を作り上げ、書き上げるには相当な尽力をされたんだろうなと想像出来る。
がっ!
人物像やストーリーが常軌を逸している上にめちゃめちゃグロい。そして何よりトリックの理屈がとても難しい。
後半、種明かしに次ぐ種明かしとなる辺りは、なんとなくは理解出来るものの頭がついていけないところがあった。
そういう箇所はややこしすぎて目が滑り、1語1語丁寧に読むことが出来ず、雑に読み流してしまった。
とは言え3割ぐらいまでは普通のお話だったのに、それ以降からの怒涛の展開には本当に驚かされた。
象山及び一家がよもやそんな展開になろうとは…!
再読する力はないし、著者の白井さんの他の小説を読もうという気には今のところなっていないけど、久しぶりにこんな強烈な本に出会って、やはり読書は面白いなぁと改めて感じた。