10/10読了

 

詳細:

謎の連続自殺事件。被害者は、かつて自分が犯した殺人事件と同じ手口で死んでいく。事件を追う新人刑事・藤堂比奈子が出会ったおぞましい真実とは!?第21回日本ホラー小説大賞読者賞受賞!

 

感想:

第21回日本ホラー小説大賞読者賞受賞作品ということで買ってはみたものの、猟奇犯罪ものは重いなーって思って3ヶ月以上も寝かせてしまった。

 

が、直近でマツリカシリーズを立て続けに3作読んで、事件としては言い方は悪いんだけど学園探偵レベルでかなり生ぬるくて退屈だったから、今なら過剰に刺激的な予感がする本作を読めるかもしれない!と思い、選択した。

 

一番危惧していた猟奇的描写については、確かにそういうシーンはあったものの、耐え難くはないレベルだった。

 

綾辻さんの「殺人鬼-覚醒篇」 ・「殺人鬼-逆襲篇」を超えるグロい作品はなかなかないだろうなと改めて思ったw

 

ストーリーは、読みやすくて、主要登場人物に好感が持てて、考えさせられるテーマで、面白かった!

 

テーマについては個人的見解を控え、印象に残った本文を抜粋する。

 

受刑者もいろいろおりますが、人を何人殺しても、死刑になって自分が死ぬのは一度きりです。自殺出来ないから死刑になりたいなんぞと馬鹿げた理屈で無差別殺人を起こしても、一度死ぬだけでいいなんて、そら、不公平な話です…

 

南二五号(死刑囚)は、もしも恩赦で娑婆に出たら、同じことをして帰ってくる類の人間です。奴が反省しとるように見えるのは、ヘマをした自分を悔やんどるだけのことなんですわ。なんですかねえ…世の中には、生まれつき、どうしようもない人間というのが…

 

母親の顔を窺うばかりだった少年は己の征服者を征服し、どこまでも残虐になりきることで、自分の居場所を作った。彼は自我を確立した。

 

矯正不能の殺人者らを、いったいどうしたらいいのだろう。

 

感想としては、以前鑑賞した「死刑基準」というドラマに通ずるところがあった。

 

「 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」シリーズは全12巻。

 

比奈子の人間性と特技が興味深く、この先どのような展開になるのかが気になるところ。

 

気が向いたら少しずつ読んでいこう。