9/12読了

 

詳細:

どうしても「読み終えられない本」がある。結末を求めて悶えるメンバーは東奔西走。世紀の謎はついに…。第6回高校生直木賞受賞作。

 

感想:

つらかった。ひたすらつらかった。自分にはこの本の良さが分からなかった。

 

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まず最初に良かった点を挙げる。

 

①描写

海・孤島・アラビア・宮殿・砂漠・海賊・冒険・森の中の観測所・お祭り・有楽町の交通会館・神保町の本屋さん・古い喫茶店での沈黙読書会など、ロマンとミステリアスに溢れる情景の描写にはワクワクした。

 

②千夜一夜物語

幻の本「熱帯」とリンクしている「千夜一夜物語」。その中に出てくるシェヘラザード。(※色々な表記がある中で私はこの読み方がしっくり来る。本作ではジャハラザード表記。)

 

私はリムスキー=コルサコフの交響組曲「シェヘラザード」がものすごく大好き。

 

厳かな冒頭からすぐに、まるで1本の綺麗な絹糸のような美しいバイオリンの音色、そしてそれから1曲を通して織り交ぜられた抑揚と共に、自分の中でのアラビアの世界観の色々な情景や物語を想像しながら聴く時間が好き。

 

2019年に、アンドレア・バッティストーニ指揮、東京フィルハーモニー演奏のコンサートに行って、生でシェヘラザードを聴けた時はとっても幸せだった。↓

 

なので、千夜一夜物語に関連する描写のあるシーンではこの交響曲を脳内で流しながら読んでいて、自分の想像力が目一杯刺激されて楽しかった。

 

③序盤のストーリー

読み終わる前に本自体が消えてしまって誰も読了できたことのない「熱帯」という1冊の本を巡って、その奇妙さに取り憑かれた仲間たちと謎を追っていく描写。

 

追っていく内に、仲間がひとり、またひとりとおかしくなっていき、ついには行方が分からなくなる描写。

 

そこら辺まではとても面白かった。

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

ここからは良くなかった点。

 

中盤以降、物語?夢?本?熱帯?(←それが何かも分からない)の中に入ってからはもうほんっっっと~に苦痛で苦痛で…。

 

・主人公が何人か変わったり

・時には誰だか分からない人が主人公だったり

・主人公だった人が中途半端なところで話が終わって以降全く出て来なかったり

・手記だったはずが手記じゃなくなっていたり

・手記を書いた人の視点だったはずがいつの間にか別の人の視点に変わっていたり

・世界軸が曖昧に変わることが何度もあったり

・同じ世界なのに同じ人が違う人として出てきたり

・違う世界では前の世界と似ているような全然違うような人として出てきたり

・現実が現実じゃなかったり

・キーパーソン/キーワード/キーアイテムはあるのに、無数ある世界軸では一致してるようで一致していなく、急にその存在がぶっ飛んで全然違うところに着地してしまったり

 

こうして書いていても何が何だかサッパリ。ついていけない。

 

しかも、そのしっちゃかめっちゃかな世界の話が面白ければまだいいんだけど、面白いようでいて面白くない。

 

文章もストーリーも、分かりそうなのに分からないのが気持ち悪くて、分からないなりに楽しめるわけでもない。どう楽しんだらいいかの糸口もさっぱりつかめない。

 

そんな本に限ってトータルの文章量がめちゃんこ多く、読んでも読んでも終わらない。一般的な小説は約300ページだけど、本作は500ページ以上。

 

お手上げだわ😨もう投げ出したい😨と思いながらも、投げ出すことが気持ち悪いタチゆえそれは出来ず、読む度に限界を感じて泣きそうになりながら、やっとやっとやーーーっと読み終えることができた😭

 

最後までほんっと意味が分からなかったし、分からなさを解明したい意欲さえ1mmもわかず、やっと次の本を読める喜びしかない。

 

たまに、自分に全く合わなくて読み進めるのに苦労することがあるけど、本作は今までの中で一番つらかった。

 

なにがなんだかさっぱり分からないのもつらかったけど、「誰の何にどう目線を合わせてどう感じたらいいのかすら分からない」のが本当につらかった。

 

著者の森見さんの本を初めて読んだんだけど、本作は森見さんを好きな方の中でもだいぶ意見が分かれる作品のようで、本のチョイスを失敗したなーって思ってる。

 

なぜならば本作の読書がつらすぎて、もう二度と触れたくなくなってしまったから💦あらすじは本当に惹かれたんだけどなぁ。残念。

 

...と思ってふと振り返ってみたら、夜行を読んでた。しかもめっちゃ感想が短かった笑

 

そこでもこう記していたから、やっぱ基本的にそのようなストーリーを書かれる方なんだろうな。↓

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私は仕事以外では論理より感覚を大事にする方が性に合ってるから、本来こういう作品は嫌いじゃない。

 

が、だからと言ってなんでもありなわけではないし、なんでもかんでもよく分からないまま投げっぱなしではなく、最後はある程度収束させたのちに「あとの解釈は読者に任せるね」というものならば納得出来る。

 

あーもーほんと疲れた。ツラツラ書くのも嫌になってきた。

 

うう…こんなレビュー、恐怖小説キリカを思い出して震えるわ😱惨殺されたくないよー(´;ω;`)ウッ