12/18鑑賞。

 

アンソニー演じるレクター博士が好き過ぎるから、アンソニーが出演してないシリーズは観ないつもりだったんだけど、もっとレクター博士のことを知りたくなって、調子乗って観てみた。んだけどショボーン

 

うーわ、なんこれ?めっちゃ残念な作品だったわー。何が一番残念って、これまで描かれていたレクター博士の人物像とかけ離れてる点よ。そこが違っちゃだめでしょ~えーん

 

そもそもレクター博士のシリーズに日本の要素なんて必要ある?前3作のレクター博士から欧州の高貴な雰囲気は少し感じたけど、アジアましてや日本の感じは全くなかったと思うけどね。

 

そんでもって、欧米映画によくある誤った日本の描写や、日本人の役を中国人や韓国人が演じることは、多少は仕方ないと思うけど、度が過ぎてると見過ごせないものがあるよね(*`へ´*)

 

「サムルァーイ」とか「BU-SHI-DOU」とか言って雅楽鳴らしちゃってる程度なら、まぁそういうの好きだよねって感じだけど、刀やら甲冑やら武士道やら先祖への祈りやら、なんかもう全然違うし、張り切って使いまくっちゃってる日本刀の扱い方も変だし、拘ってる晒し首も、打首や大将首とごっちゃになってるしさぁ。

 

日本の描写に関しては、形だけ整えた薄っぺらいものを貼り合わせてる感じが延々と続いて全然だめだった。2007年公開の作品だからそんなもんなのかもしれないけどさ><

 

レディムラサキの存在も意味不明過ぎる。明らかに日本人じゃないし(これはまぁしょうがないけど)、着こなしも変だし、日本っぽいことを日本人としてやってる割に全然違うし、ハンニバルへの行動もあらゆる意味で中途半端だし。うーん、何したいん?って思った。

 

あげく、ハンニバルにやたら抱き着いたり顔および唇を超至近距離に近付けて(キスすれすれみたいな)、は?いい大人がなんで青年かつ義甥に迫ってんの?きもいし変だよー!しかも、妖艶な感じではなく飢えて誘ってる感があってめっちゃ下品だし。

 

一緒に過ごしている内に、ハンニバルは自分のことを保護し見守ってくれている義叔母を好きになってしまい、レディムラサキもまた孤独なハンニバルのことを好きになってしまったとしても、なーーんか愛し方がレクター博士のそれとは違うし、レディムラサキは節度を持ての一言なんだよなぁ。

 

レクター博士は、男女限らず好意のある人に対しては敬意を払っていたけど、そういう感じも全く感じなかったし…。

 

とあるサイトに、こんなことが書いてあった。

ハンニバルはレディ・ムラサキという日本人女性との交流を通じて日本文化に触れているが、前々作「ハンニバル」からプロデューサーを務めるマーサは、「『ハンニバル』のラスト、自分の手を切り落としたハンニバルが飛行機で日本に向かうシーンで、原作を手掛けたトマス・ハリスが“彼を日本に帰すんだ”と言ったの。ハンニバルはレディ・ムラサキに出会うことで日本の武士道に触れ、彼が持つ美学のバックグラウンドになったのよ」と話す。

 

あの飛行機、日本に向かってたんかいwwwアジア人の男の子が出てきたけど、東南アジア系っぽい顔立ちの子だったから日本と思ってなかったよ。

 

重ねていうけど、これまでの作品のレクター博士には武士道の要素はなかったと思うし、本作においての和や武士道の解釈の誤りがひどすぎて、そういうのに感化されて描きたいがゆえの後付け設定にしか見えなかった。

 

でも個人的超名作のハンニバルでプロデューサーを務めたマーサや、原作を手掛けたトマスがそう言ってんだから、そういうもんなのかえー?どうしても納得いかないけど笑い泣き

 

・・・・・・・・・・

 

ハンニバルを演じたギャスパーは良かったし、レディムラサキを演じたコン・リーも別にいいんだけどさぁ。

 

ギャスパーは、アンソニーのレクター博士の所作や喋り方や表情などよくコピーしてると思うけど、カリスマ性や、人を操るような話し方や、見つめられたら全てを見透かされているような恐ろしさが全くない!

 

頭脳と美意識が高く、独自の感性をもつサイコパスなレクター博士じゃなく、家族を失った大きな傷と喪失感を抱え、残酷な最期を遂げた妹の復讐を生きがいにしている感情豊かな青年って感じ。

 

この青年があのレクター博士にはならない感じがするんだよなぁ。これから心理学を学んだり、歳を重ねるにつれ、あのようになるのか?それにしてもなんだかなぁ…

 

妹をとても大切に思っているという点と、妹を殺したやつらに復讐をするという点と、ハンニバル・レクターの異常性が目覚めた経緯という点はまぁ理解(≠納得)するけど、う~ん、でもやっぱ、その設定必要?みたいなw

 

殺し方はともかく、殺す時の表情も殺害後の後始末も、なんかレクター博士っぽくない。異常で残酷ながらもエレガントなのが素敵なのに。
 
こちらの青年はただの復讐の鬼って感じで、イカレ顔でにやけながら血の付いたナイフをチロリと舐めてそう感があるw
 
ギャスパーはすごく美形だけど、大事なのは見た目の美しさじゃなく、所作であり表情なのよ。

 

ハンニバルは頬肉頬肉って言ってるけどさぁ、レクター博士は顔にいく時は真正面や側面(耳あたり?)からかぶりついてるし、その他に関しても脳みそやらはらわたやらで、頬肉に拘ってないじゃん?(言っててオェ~オエー)

 

それに、レクター博士だったら、憎くて嫌悪しているやつの体に、大事な妹の名前の頭文字を刻むか?妹を愛してるならやらなそう。そもそも、やってることが安っぽくないか?ただのシリアルキラーって感じ。

 

そして、レクター博士は「無礼な人間を食らう」「邪魔者は殺す」「カニバリズムは嗜好」という印象だけど、それは妹の復讐がきっかけでなったものなのか?という疑問。絶対違うと思うんだよなぁ。

 

それに、妹を殺して食べた憎いやつらと同じことをする=自分も同類になることは、レクター博士の美学に反するような気がするし…。

 

ほんとわっかんないなー。レクター博士とは別の人として作れば良かったのにぃショボーンそれだったら復讐劇として全然有りだと思う。

 
でも、前3作に描かれていたレクター博士ありきの過去だとしたら、やはり彼がハンニバル・レクターであることが重要なんだし?
 
卵が先か鶏が先か論で言ったら、本作の場合は絶対に鶏が先なんですけどーーー物申す
 
なんかモヤモヤする( `ᾥ´ )
あーあ!調子こいてアンソニー以外のレクター博士にも手を出したからこうなっちゃうんだよね~。薄々予感はしてたけどさ><
 
ドラマ版ハンニバルはマッツ・ミケルセンが演じてるからちょっと気になってたけど、アンソニーのレクター博士が大好きな自分としては、やっぱやめておこうかな。
 
ってことで、これにてハンニバル・レクターシリーズの鑑賞は終了~。