10/28読了。
あらすじ:
謎めいて美しい兄弟を取り巻く死。長編推理 女性家庭教師が黒髪を、従兄とその母は眼と爪を奪われて死んだ…… 黒髪を切られ変死した女性家庭教師。そして従兄とその母親も眼球と爪を奪われて死んだ。謎めいたほどに美しい兄弟のまわりに次々と起こる奇怪な死。遠い記憶の闇のなかから湧き上がってくる“囁き”が呼び醒ますものは何か。『緋色の囁き』に続く異色の長編推理“囁き”シリーズ第2弾!!
感想:
囁きシリーズ2作目の本作。
誰がどう話しているのか分かりづらい3兄弟の会話にちょっと読みづらさを感じつつも、先が気になってどんどんページが進んだ。
な…なるほど~。読み進めてるうちになんとなくそうかな?って頭によぎったことが、やはりそうだった。切なくなってしまった…。
子供の成長って、親の教育や接し方が大いに関わってくるよね。
大抵の人間に長所短所があって、もっと言えば長所は短所になり得るし、短所は長所にもなり得るし。
子育てに限らず、人と関わり合いながら生活していく中で、そういう個々の性質の影響を受け合いながら、自分という者が確立されていく。
だけど、極端に閉じ込められた狭い世界や、一方的に押し付けられるだけの世界にいると、認知や知識や性質に歪みが生じてくるのかなって思う。
物事人には、長所短所すなわち良い要素も悪い要素もあって、大抵は許容範囲内のバランスをとりながら受容している。
だけどごく稀に、悪い要素ばっかりを吸収してしまうパターン、しかも、幼い頃から一番近い他者である親からそのような教育や接し方をされ続けると、取り返しのつかないところまで行きかねない。
そうなってしまうと、大変に辛いよね。
だって、子供でいる内はまだいいけど、大人という長い人生の中では、誰かのせいでどう歪もうと、誰かをどれほど恨み憎もうと、結局のところ自身のことは自身で責任をとるしかないわけだから。
本作ではそういうことを考えさせられた。
1作目同様、強引なこじつけもなく(いや、ちょびっとあったか?w)、終わり方も良く、面白かった!
