アマゾンのレビューで驚異の400越えをしているエスター。

 

 

映画のカテゴリーはサスペンスなのですが、恋愛というかヒューマン映画として考えたら非常に興味深い映画でした!




なお、ネタバレを豪快にしているので、これから観る方は見ないでくださいね。



映画はめちゃくちゃ面白い。1回目よりも2回目のほうがおもしろく感じる稀有な映画です。

 

  エスターのストーリー

 

 

 

ケイトが第三子がお腹の中で死んでしまった悲しみから、養子を貰うことがスタートです。

 

 

孤児院で出会ったエスターが年齢の割にしっかりして、どこか神秘的なところに惹かれて養女にします。



しかしエスターを連れてきた日から、問題ごとが徐々に増えていきます。

 

 

エスターの同級生を滑り台から突き落としたり、シスターをハンマーで殴ったり、義理の兄弟を脅したり、それはそれはえらいこっちゃなのです!

 

 

父親のジョンは物事を深刻に考えないポンコツだし、明らかにエスターの仕業でも味方をします。

 

 

家族はあっという間にバラバラになっていきます。

 

 

そんな話。

 

 

  エスターの養子先のコールマン家の問題

 

耳が聞こえないマックス(女の子)とエスターと同じくらいで多感な年齢のダニエル(男の子)がいるのに、何故に養子を迎えたのか?って話です。

 

 

母ケイトは最近までアル中でしたし、とても子供を増やせる状況ではないです。

 

 

マックスなんて普通の子よりも手がかかるに決まってます。エスターが来た初日にダニエルはいきなり「なんだコイツ」と警戒します。

 

 

年が近くて見た目も内面も癖がある子が突然に兄弟になることに拒絶反応を見せるのはある意味当たり前です。

 

 

 

ダニエルのことをおざなりにしていましたし、かわいそうです。エスターを迎える前に自分たちの子供たちにも会せて意見を聞けよって思いました。

 

 

自分たちのことばっかりで子供の立場や気持ちを全然考えていないんですよね。



エスターから「家族を大事にしてないから悪いのよ」と嫌味を言われても仕方ないところがあります。

 

 

 

  エスター33歳について

 

 

 

エスターが実は9歳の女の子ではなくてホルモンの異常で体が成長しなかった33歳の成人女性であったことは衝撃の事実ですよね。

 

 

7人以上殺害して精神病院に収容され脱走して孤児院に偽装して紛れ込んだ経歴の持ち主なのです!

 

 

  • ロリータ寄りのファッションにこだわる
  • 馬鹿にしたやつは必ず仕返しをする(相手が9歳でも)
  • 自分の思い通りにならないと癇癪を起こす



33歳だと考慮したら、めちゃくちゃ痛い女です。

 

 

エスターは賢いし能力も高いのですが、いかせん考え方や価値観が未熟です。



エスターの犯行って絶対に必要なものじゃないし、後先考えずに感情で決行するから、おかしいことになるし、証拠を消すために、また罪を犯すことを繰り返して泥沼化するんですよね。

 

 

頭が良いはずなのに、幼稚なのがエスターという人なんでしょう。

 

 

最初はエスターなりに家族や学校に馴染もうとしたんだろうけど、ド短気ゆえに即壊しにかかります。大人ならではの寛容さと柔軟さがあったら名探偵コナン君のようになれただろうと思いますね。

 

  エスターの恋愛が非モテ

 

 

 

エスターはパパのジョンが異性として好きです。

 

 

割と最初のほうからジョンを異性としてビシバシ意識してる描写があるんですよね。そう考えると惚れっぽくて恋愛にアグレッシブなタイプなのかもしれませんね、

 

 

ジョンの前では猫を被って、嫉妬で母のケイトを陰湿な嫌がらせをします。息子のダニエルを病院送りになり死にそうになっていて、邪魔者ケイトがいない隙にエスターは勝負に出ます。

 

 

セクシーなスリップ姿で、とびきり濃いメイクをしてジョンを誘惑します。

 

 

誘い方がいかにも非モテなやり方で「うわっ」って気持ちになりました。



口説き文句もいかにもで、ぞわぞわしました



しかしジョンから見たら9歳の女の子だし、養子にすぎません。

 

 

それにダニエルが死ぬかもしれないという状況です。普通に状況を考えれば断られて当たり前です。

 

 

 

エスターは振られてマスカラで黒くなった涙をボロボロ流し、まるで腹いせのようにジョンを滅多刺しにします。



色んな人に何の葛藤も感情もなく危害を与えまくったエスターですが、この時が一番感情がこもってました。

 

 

 

  エスターのコンプレックス

 

 

 

これまでも、別の家で養女になって父親に惚れて振られて家族を全滅させてきました。

 

 

エスターは身体が成長しないので男女の関係に一度もなることなく、恋が成就しない人生を送ってきたのでしょう。

 

 

(人の家の)壁に中二病爆発の残酷な絵や卑猥な絵を描きまくってる様子から相当なコンプレックスだと思います。

 

 

 

エスターのようなサイコパスの気持ちは一生わかりっこないと思ってましたが、意外なところでエスターに人間味を感じることができました。

 


大人の女性として愛されたい。けど見た目はちんちくりんの子供だし、内面はもっとアウトだから厳しい。


愛されたいけど愛されないジレンマが苦しいですね。

 

  最後に

 

超能力とか幽霊とかがでなくてエスターは最後まで生身の人間ではあったとこが良かったです。この映画の恐ろしさは、本当にありそうなところです。

 

 

エスターみたいな思考回路の人って現実にいそうですもん。

 

 

サイコパス映画というか非モテ映画の最高傑作だと思います!