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ゴールデンウィークに入ったある日、太郎さんは茂助さんと連れ立って南手取のアパートに向かいました。花子さんも久々に物件を見たいという事で同行しました。

 

実は太郎さんは昨年4月に開業してから一度も現地を訪問していませんでした。

というのは日常管理を清掃も含めタヌキメイトに一任していたからです。

 

「僕は忙しいサラリーマンで時間がないから面倒なことは管理会社に依頼すればよい」

その為に管理料を家賃の10%払っていました。

 

今までは新築だったので特に設備面に不具合が出来ることもなく順調に推移していたので現地に行く必要がないと思っていました。

 

茂助さんとはチバラギ電鉄の手取駅で待ち合わせしました。


 

茂助さんは開口一番こう言いました。

「太郎君、JR駅の反対側は再開発されていたけどチバラギ電鉄のあるこちらは昔のままだね。それに連休中にも関わらずシャッターを閉めている店が多いね」

「はい、この駅前は一部の商店主が反対しているので再開発がいつまで経ってもできないのです」

太郎さんは駅前に貼ってあるポスターを指して言いました。


「でも、このエリアは再開発が頓挫した為に、あらたな開発計画が出来ました。これが実現すれば将来は
JRとの相互運転で都心まで乗り換えなしで行ける様になるので僕の土地も値上がりします」

「でも、この手の話は実現するのに10年以上かかるよね」

「大丈夫です。こうやってポスターが貼ってあるから」

実際にはこの計画は一部の県民が陳情しているだけで実現する可能性は低いものでした。

 

「この駅舎、レトロで風情があるけど内見者はこの駅を見るだけで敬遠するんじゃないかい?」

「花子も最初この駅を見たときそう思ったわ」

「茂助さん、それは大丈夫です。殆どの内見者は不動産屋さんの車で現地まで行きますからこの駅を使うことがありません」

「あ、なるほど。でもきっと入居してからこの駅に来てがっかりすんじゃないか?」

 

 

そんな話をしながら3人はやがて来た電車に乗り込みました。チバラギ電鉄の車両はあちこちの電鉄会社の中古を払い受けて使っています。


その為に、いろいろ珍しい車両が走っているので鉄道マニアには人気の路線なのです。

 

でも、マニアには人気でも一般の人には只のボロ電車です。レトロな駅舎も一般の人から見れば只のボロ駅です。ただ、この地域の不動産業者は車で内見者を案内するのでこの鉄道を使うのは契約後となります。その時は殆どのお客さんは後悔するそうです。

 

 

やがて電車は田園風景の中を走り隣駅である南手取駅に降りました。

この駅はニコポン光学の進出に伴い改築をしたので不似合いな程立派な駅舎です。

「おお!なかなか良い駅じゃないか」

茂助さんはびっくりました。

 



そして駅を出ましたが相変わらず閑散としています。

でも一年ぶりに降りた駅前は少しだけ変化がありました。

 

それは

    
   

 
 
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