その3日後タヌキメイトの蔵居さんから連絡がありました。
「太郎さん、一名退出者が出ました」
「何だって!
「201号室の阿武さんが7月末に退出になります」
太郎さんはびっくりしました。
あの連休中に雑草取りの最中に部屋に呼んでくれた入居者だけに残念な気持ちでした。
「なんでそんな急に退出ですか!理由は何ですか」
「転勤です。何でも工場開設が延期になったとかで一旦本社に戻るのだそうです」
「え、工場の開設が延期?」
太郎さんはチバラギ新報の記事が正しかったと知りました。
「そうかあ、阿武さんは新工場開設担当だから仕事がなくなったからだな。でも、困ったな。これで空室が2室になってしまう」
「でも退出まで一か月以上あるからそれまでに空室を埋める様に頑張ろう」
とりあえず、蔵居さんには現在の空室と同じ条件で募集するように依頼しました。
蔵居さんからは現在の家賃では内見が全くないのでもう少し値下げしたらと提案を受けましたが、目減りする貯金残高を考えると同意できませんでした。
太郎さんは段々暗い気持ちになりましたが、そんな状況を吹き飛ばそうと久々に大家仲間と会うことにしました。
そこで、太郎さんは最強大家の会に参加しました。
「太郎君久しぶりだね」
「あ、盆蔵さん。ハワイではお世話になりました」
「ちょうど今年のハワイ行も仲間を誘っているところなんだけど行かないかい?マドンナ大家さんが参加するよ」
「いやー、今年は財務状況がシビアなんで遠慮しておきます」
「あれ、高い家賃で満室じゃなかったの?」
「いえいえい、空室が埋まらなくて困っています」
「そうかあ。それじゃ仕方ないね」
「盆蔵さんのところはどうですか」
「僕のところも一室は空室だけど心配していない。
たくさん部屋を持っているから空室率にしてみると大したことはないからね。
それに空室期間を利用してDIYで格安リノベして家賃を上げることができるから空室が出ることはむしろチャンスなんだ」
太郎さんはびっくりしました。空室が出ることがチャンスなんて考えもしませんでした。
「だから空室が出ると嬉しくなる。今度はどんなリノベしようか考えるだけでワクワクするね」
「いいなあ」太郎さんは心底羨ましそうでした。
「まあ、僕のところは築古なんで、いろいろ手をかけて家賃を上げることが可能だからね。太郎君のところは新築だからそんなことはできないと思うけどね」
太郎さんが盆蔵さんと話をしているとマドンナ大家さんがやってきました。例によって関原さんもそばにいます
マドンナ大家さんは浮かない顔をしていました。
その理由とは?




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