確定申告も無事?終わった3月に入ったある日、太郎さんは粕壁さんに電話しました。
「粕壁さん、先日は知近先生を紹介して頂きありがとうございました。でも、せっかく紹介して頂いたけど、税務署を怖がって経費を認めてくれません。おかげで節税どころか高い所得税を払うことになってしまいました」
「おや、そうかい。それは悪いことをしたなあ。僕も先輩の性格が臆病なのでちょっと心配だったんだ」
「僕、税理士の先生って大家の味方で税務署の無理難題を解決してくれると思っていました。でも知近先生は税務署の顔色ばかりしか見ていません。おかげでハワイ旅行やキャバクラの支払い経費に落とせませんでした」
太郎さんは、知近税理士が税務署に電話を掛けた時にペコペコとした態度がいまだに忘れられません。
「そうかい、ごめん。でもそれらの出費は本来経費で落とせないんじゃないかい?」
「むにゃむにゃ」
まあ、それはともかく次は知近先生を辞めて他の先生を探しても良いからね」
そういって粕壁さんはあやまりました。
「ところで太郎君、僕の物件は今ピンチなんだ。賃貸契約が今年の3月で一斉に終わるんだけど今の状況だと10室中の5部屋しか契約更新してくれない。だから4月には5部屋空室になりそうなんだ」
「ええっ、そうなんですか?契約しない理由は何ですか?」
「近所の新築物件に移ってしまうのだ」
「実は昨年の相続税増税の影響で新築アパートが乱立してしまい、僕のアパートのまわりでは今や新築でも礼金ゼロ、敷金ゼロで募集が当たり前になってしまった。計画更新の時期が来ると気軽に引っ越しできる時代になったんだ」
「その上、築2年目のアパートを狙い撃ちして不動産屋がポスティングしているので、それを読んだ入居者が移転を考えるのだよ」
粕壁さんのアパートは都内にあります。今までは高い家賃で収益性が高い優良物件だったものの、これからは厳しい環境になりつつあります。
「タヌキメイトも危機感を持って契約更新を勧めているんだけど、その為に更新料をゼロにしてしまった。その上、契約更新時には1万円相当のカタログギフトをプレゼントすることになったんだ。この費用は大家持ちだから厳しい」
「そうなんですね。僕のところは幸いまだ契約更新の時期ではないけど将来大変だなあ」
現在、首都圏の木造アパートの空室率が急上昇しています。特に神奈川県の空室率の増加が著しく問題となっています。
この原因としては相続税増税の対策として新築アパートの建築が増えたことが挙げられます。
粕壁さんの物件がある都内も大きな影響を受けていることがわかりました。
でも、その時は太郎さんは粕壁さんの状況を他人事の様に考えていて、やがて同じ状況が自分の身に降りかかるとは思っていませんでした。
そんなやり取りをした直後、太郎さんはタヌキメイトの蔵居さんから電話を受けました。
その電話を受けて太郎さんはたちまち暗い気持ちになりました。
それは



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