
「盆蔵さん、私の父のアパート、退去が相次ぎ困っています」
マドンナさんは父親のアパート経営を手伝っています。将来はそれを引き継ぐことになっていました。
「あれ、マドンナさんの所はまだ2年しか経ってないじゃない」
「そうなんだけど、2年契約の更新をしないで退去してしまうんです」
「おかしいな。マドンナさんのアパートは未だ新しいし、特に不満もないと思うけど」
「実は、退去する人ってみんな近くの新築分譲マンションに移っちゃうの」
「そうかあ、マドンナさんの物件はファミリー向けだからなあ」
以前ならばファミリー向けは長く住んで頂けると言われたのですが、最近は低金利の影響で新築分譲マンションを購入する人が増えてきたのでした。
太郎さんはそれを聞いて、びっくりしました。
「そうかあ、ファミリー向けは良いと思ったけど今やそうではないんだなあ」
「粕壁さんのシングル向けも近くの新築アパートに客を取られたけど、ファミリーの場合は分譲マンションがライバルなんだな」
とは言っても、マドンナ大家さんは今年もハワイに行くようなので口ぶり程は困っていない様子に見えました。やはりお父さんの手伝いの身分なので多少の空室が出ても心配ない様子です。
マドンナさんが立ち去ると入れ替わりに席取さんがやってきました。
「盆蔵さん、太郎先輩、ご無沙汰しています」
「おお、席取さんだね。どうだい区分マンションの調子は?」
「思ったより儲からないけど良い経験だと思って頑張ってます」
「僕、今度所有マンション管理組合の理事になりました。区分マンションだって理事になればいろいろな経験ができるから良いと思います」席取さんは嬉しそうに言いました。
「そうだねえ。一般に管理組合の理事になるのを敬遠する人が沢山いるけど、僕はそんなことはないと思う。経験値を上げれば大家力を上げることが出来るからね」盆蔵さんは席取さんの行動に感心したようでした。
席取さんは続けてこう言いました。
「僕、出来る事なら自主管理やってみたいです。区分所有では管理会社のやるべきことは少ないから自分でやることで経験値を積みたいからです。そのうちに一棟ものを買った時に役に立つと思います」
賃貸経営の環境悪化にもめげず他の大家さんが努力する姿から刺激を受けた太郎さんはやる気になってきました。
あはは、僕も頑張るぞ!
太郎さんのモチベーションは上がりましたが、結局内見が一件もないまま6月が終了しました。
6月末の太郎さんの預金残高
5月末に比べ残高が少し増えました。
でも、7月はもう一室の退去があるのでおそらく残高が減るでしょう。
そろそろ太郎さんはキャバクラ通いを止めるべき時が来ています。


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