太郎さんの言葉を聞いた知近先生はたちまち顔色が蒼くなりました。
「何という事を言うのだ。ぶるぶる。税務署はプロだから確定申告の数字を見ただけで全てがわかるのだよ」
「太郎君、以前テレビドラマでトッカン物語を見たことがあるだろう。あんな風に一旦怪しまれたら徹底的に調査されるんだよ」
「税務調査となれば担当した税理士にもその調査が及ぶんだ。一旦税務署に睨まれたら僕、生きて行けない。折角キャバクラのバイトをしながら6年もかけて取った税理士の資格がこんなつまらないことではく奪されたら困るんだ」
「ええっ、先生キャバクラでバイトしていたんですか?」
「あわわ、それはナイショ」
どうやらこの先生は税務署が鬼より怖い様です。税務署を説得する気概も能力もなさそうです。
「そうかあ、困ったなあ」わからずやの太郎さんの態度に知近先生は手を焼き始めました。
「それをどうにかするのが先生の役目でしょう」
「いや、そんなことしたら税務署に睨まれて仕事が出来ないよ。僕は何より税務署が怖いからね」
「だって、先生は節税のプロでしょう。そんなことくらい朝飯前のことじゃないんですか?」
「違うよ、税理士の仕事は税金を計算することで節税する義務はないのだ」(これは事実です)
知近先生は泣きそうな顔で太郎さんに懇願しました。
「とにかく、太郎さん僕の言う通りに申告書出してくれないか」
太郎さんは既にお金を支払っていたのと本当に税務調査が来るのが怖くなったので仕方なく同意しました。
こんな訳で、太郎さんのせっせと集めた領収書は無駄になりました。
結局、初年度の申告書は黒字です。そして、この黒字分がサラリーマン収入と合算された結果、税率が10%から20%に上がってしまったのです。
その為に、所得税は何と17万円も払わねばならなくなったのです。
「ああ、なんで17万も払わなきゃならないんだ」
「太郎さん、600万円もの家賃収入があるんだからわずか17万円の税金なんてやすいじゃないか」
「でも、僕貯金が目減りして大変なんです。この17万円だった僕にとっては痛手です」
太郎さんは悲壮な表情で言いました
1月に70万円もの不動産取得税を納税、2月は17万円の所得税の納税を済ませ太郎さんの貯金通帳はイエローゾーンに突入しました。



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