太郎さんは懇親会で皆から褒められて有頂天になっていました。太郎さんは乾杯の後、仲間といろいろ話をしました。
「太郎さん新築って良いですね。僕も早く欲しいな」
席取さんは羨ましそうに言いました。
「太郎さんって素敵。こんなおしゃれな物件を持っているんですもの」
マドンナ大家さんもうっとりしています。
しばらくたって酔いが回り始めたころ、鉄道さんが太郎さんに近づいて来て言いました。
「太郎さん、おめでとう」
「ありがとうございます。鉄道さんも買いませんか」
「ちょっと水を差すようで悪いんだけど、少し気になっている点があるんで聞いてくれないかい」
「どんなことでしょう?」
「この建物は確かにデザインが良いので家賃さえ適正ならば決まると思うね。
でも、この部屋は住み辛いよ。だから入居しても短期で退出してしまう可能性が高い。
短期の入退去はその度に原状回復費用と募集費用がかかるから収益を圧迫するかもしれない」
太郎さんはびっくりしました。
住み心地については全然考えてもいなかったからです。
「そうですか?僕はそんなこと感じなかったんだけどなあ」
「例えば、この建物ってスキップフロア(居室が一段高くなっている)を採用しているね。
これはここで生活していると階段の上り下りが発生する。
キッチン、トイレ、浴室に行くたびに階段を上り降りするのは結構わずらわしいものだよ」
「そうですか?僕は気にならないけど」
「この間取り図に動線を入れているとよくわかるよ。
朝起きてトイレに入って、顔を洗ってという風に朝の行動を線で結んでみよう」
そう言って哲道さんは間取り図に線を記入しました。
「朝だけでこれだけの動きがあるんだ。それでこの場合は何回も階段を上り降りするんだよね。
休日で入居者が一日家にいる場合はもっと煩雑に階段の上り降りが発生する」
「あ、確かにそうかですね」
「スキップフロアにしたメリットは床下を収納庫として活用できると茂倉さんは説明していたね」
「はい、これは便利です」
「でも、あの床下収納は高さが足りない。だから、一旦収納した荷物を取り出すのは大変だよ」
「そうですか。確かにあまり高さはなかったなあ。確かに一旦奥に入れたら出しずらいなあ」
「それから、コンセントの位置も良くないね。場所によっては家具の裏側になってしまう恐れがあるのも気になる。やはり入居者目線で観察しなければいけないよ」
さすが最強大家の会の会長である鉄道さんです、目の付けどころが違います。
それを聞いていた他の人たちもいろいろと問題点を指摘しだしました。
沢山出来てくる問題点を聞いて太郎さんはびっくりしました。
一見、おしゃれで素晴らしく見える物件は良く見ると問題点だらけとは!
果たして、どんな問題が潜んでいるのか?
つづく

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