ポータルサイトに掲載後10日が経過しました。
時折加奈さんがタヌキメイトまで来て状況を確認します。
「香森(こうもり)店長、太郎さんの物件の反響はどうですか」
「いやー今までのところ全然問い合わせが来ないね。でも、未だ時間があるからあせることはないよ」
やはり、この家賃では苦戦しそうです。
その頃、加奈さん達の苦労をよそに太郎さんは最強大家の会の忘年会に参加していました。
太郎さんは仲間を捕まえては自分の物件自慢をしています。
「僕、今度多貫エステートの新築物件購入したんだ」
「おおっ」
「これが建物の写真。デザイナーズ物件だからナウでヤングなギャルが入居するに決まっている」
「すごい」
「今や、首都圏の物件がねらい目だよ。この本を参考にして決めたんだ」
と言って以前読んだ多貫エステートがゴーストライターに書かせた本を見せました。
「なるほど、太郎さんは時代の最先端を行ってるんだ」
仲間から褒められ太郎さんは良い気分です。
「あはは、僕はもうすぐで新築オーナーだぞ」。利回り物件だからやがては左うちわ生活だ」
「いいなあ」席取さんは羨ましそうにしていました。
「席取さんも新築物件買ったら良いのに」
「僕は太郎さんと違って自営業なのでなかなか融資が降りないんです」
大甘銀行はサラリーマンには融資をしますが、自営業には担保となる資産がないと融資しないのです。
「太郎さん、新築買うなんて素敵ね。完成したら見学会開いてね」
マドンナ大家さんがやってきて羨ましそうに話しました。
何故か関原さんも隣にいます。
太郎さんは仲間に言いました。
「いやー、皆さん完成を楽しみにしてください見学会やりますね」
「そうだ。手取市はちょっと遠いのでバスをチャーターして行きましょうか。あはは」
先日、同行していろいろ問題点を指摘した会長の鉄道さんも皆のいる前では遠慮して何も言いません。太郎さんはますます得意になっていました。
そのうちに盆蔵さんが皆にビールを注いで回り、「それでは太郎さんの新築の成功を祈って乾杯しましょう!」と言いました。
盆蔵さんはいつものようにピッチャーを両手に持っています。
「乾杯!」
仲間たちの称賛を受けて太郎さんは得意満面でした。
やがて忘年会はお開きになりました。
その後はいつものパターンで二次会のカラオケに行くところですが、太郎さんはいつもと違い尻込みしています。
「今日はちょっと遠慮するよ」
ところが、仲間たちが黙っていません。
「太郎さんのいないカラオケなんてあり得ません」
そういって無理やり二次会に連れ出しました。
太郎さんはそう言われたので付き合いましたがなぜか元気がありません。
なぜでしょうか。






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