加奈さんは契約欲しさに太郎さんに提示した家賃7.3万円を後悔しましたが、もう撤回できません。
いったいどうすれば良いのでしょうか。
そこで香森店長があるアイデアを出しました。
「加奈さん、そんなにガッカリしないで下さいよ。広告宣伝の力である程度カバーできる可能性がありますから」
「そんなこと可能でしょうか?」
「うまく行くかどうかわからないけど、シマシマハウスより一足先に募集して需要を先取りしてしまう事は可能です」
「ええっ!そんなこと出来るんですか」
「はい、未だ建物は出来ていませんがイメージ画像で高級感を漂わせた広告を作ってみたら良いと思いますよ」
香森さんは自信なさげに言いました。
「田舎の物件っていうのはこう言っちゃなんですが、おしゃれなものは少ないのです。ところがそんな田舎でもおしゃれな新築の建物なら家賃が高くても入居したいお客様が必ずいます。でも、その人数は多くありません。だからその少ない需要を先回りして取り込むことです」
「あ、確かにそんなお客さんはいますね」
「だからいち早く広告を出して予約を取り付けるのです。幸い多貫エステートの建物はデザインが優れているし、既に同タイプの建物が都内で稼働しているのでイメージ広告は作り易いです。綺麗なカラーパンフレットを作ってばら撒けば効果はありますよ」
「香森店長、良いアイデアですがそんな広告を作るのはお金が必要です。予算はあるのでしょうか?」
「うーん、今は厳しいなあ。私も入社したばかりなので社内での発言力が弱いし。そうだ!加奈さんから社長の承認を貰ってくれませんか?」
「でも、きっと社長はやる気と根性で乗り切れと言って断ると思います」加奈さんは悲しそうに答えました。
加奈さんはいつも社長に相談に行くとそんな答えしか返ってこない事を熟知しています。前回は珍しく香森店長の紹介という考慮をしてもらったものの、こと予算に関してはとっても渋くとても承認するとは思えません。
「そうかあ、でも加奈さんしか社長を説得できる人はいませんよ。お願いします」
「私も自信ありませんわ」
そんな話をしていた時に社長から電話があり、至急社長室に来るようにとの事でした。
加奈さんは重い足取りで社長室に向かったのでした。




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