さて、鉄道さんは太郎さんに気になる質問をしました。
「ところで、太郎さん、このアパート駐車場がないけど大丈夫?」
「はい、大丈夫です。駅から近いのとニコポン光学の従業員ならば車は必要ないからです」
「うーん、いくら駅近といっても駐車場は必要だと思うよ。ニコポン光学以外から入居者を募集する際は問題になると思う」
「そうかあ。そう言えば東チバラギの戸建賃貸の時も苦労したなあ」
太郎さんは以前戸建賃貸を買った時に駐車場がない為に募集に苦戦していたことをすっかり忘れていたのでした。あの時は隣に空き地があったのでそこを借りる事で対応したのですが、今回は隣に建築中のアパートがあるのでその手は使えません。
過去の失敗を繰り返さないのが経営者の鉄則ですが、どうやら太郎さんにはその資質が欠けている様です。
「でも、ここはニコポン光学の従業員専用で考えているから大丈夫です」
「それじゃニコポン光学が撤退したらどうなるの?」
「ニコポン光学は日本でも有数の大企業ですから絶対大丈夫です」
太郎さんはムキになって答えました。
でも、その思い込みは非常に危険です。実際に粕壁さんの両親が経営していたアパートが大学の撤退に伴い苦戦している話を聞いたばかりです。もっとも太郎さんは自分に都合の悪い話はすぐに忘れる癖を持っています。
「太郎さん、冷静になって考えてみなよ。チバラギ電鉄の沿線でアパートの需要なんてそれほどある訳ないじゃないか。今日、実際に電車に乗って乗客が少ない事を感じただろう。だからニコポン光学の需要が思ったほどなかった場合は苦戦することになると思うよ」
それを聞いて花子さんも心配になってきました。
「うっそー 田舎なのに駐車場ないなんて!アニキ、大丈夫?」
「うーん」
太郎さんも鉄道さんの意見を聞いて少しだけ心配になってきました。
そのうちに雷を伴った雨が降り出しました。
3人は慌てて駅まで戻りました。ところが、雨で建築中の現場から土砂が流れ込み、水はけの悪い道路はたちまち冠水してしまいました。
駅にたどり着いた時は足元が泥だらけになってしまいました。
続く



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