「とんでもない!あの地主さん破綻する危険が一杯だよ」
花子さんはびっくりです。
鉄道さんは話を続けました。
「地主なんてそんなに良いもんじゃないよ。僕も地主だけど自分の土地であっても事情で自分の好きな様に出来ないんだ」
「えっ、そうなの?」
「地主は高額な固定資産税に悩んでいる。土地を処分したくても親、親戚が許さないし、そうかといって土地を遊ばせておくと固定資産税の支払いが出来ない。世間の人が思うほど恵まれていないと思う」
「それと、借地を抱えている地主はわずかな地代で土地を他人に貸し続けなければならない。借り手に異常なほど有利な法律が災いしているからね」
「そうなんだあ。地主さんも楽じゃないわね」
それでも花子さんは地主の御曹司との結婚の夢は捨てていない様子です。
「花子は燃えるような恋をして美しく結ばれたいと言っていたんじゃないか。いつの間にそんな打算的になったの?」と言って太郎さんは花子さんをからかいました。
「アニキだって地主の一人娘をねらっていたんじゃないの?」「土地さえあれば不細工でも性格が悪くても許すなんて言ったくせに」
この後は壮絶な兄妹喧嘩になりました。
ここでちょっと横道にそれて、シマシマハウスについての解説をします。
(注意:シマシマハウスは架空のアパートメーカーです。既存のメーカーとは一切関係ありません)
シマシマハウスは地方の地主に相続税対策の為にアパート建築をする様にと営業しています。アパートを建てる事により土地の評価が下がります、また、借金をすることにより相続財産を少なくして相続税の支払いを逃れる事が出来るのです。
シマシマハウスの営業マンの辣腕ぶりは業界でも有名で、狙った地主に対しては契約するまで積極的に営業を続けます。特に地主の奥さんを狙い撃ちします。ご主人が勤めに出ている平日には朝のラジオ体操に一緒に参加したり、犬の散歩を毎日代行したり、休日は畑仕事を手伝ったりして親密な関係を構築するのです。
そして、人間関係を構築して一気に契約に持ち込みます。シマシマハウスの建築費は他のメーカーに対して割高ですが、人間関係が構築されているのでそのまま契約に繋がるケースが殆どなのです。
一見良い事づくめに見える家賃保証制度には落とし穴があります。
建築後最初の10年までは契約時の家賃が保証されますが、それ以降は2年ごとに空室率の実績を元に減額されてしまいます。(メーカーにより契約年数は変化します。また途中で大幅に環境が変化した場合はその間でも家賃の引き下げもあり得ます)
また、10年目に大規模メンテナンスをすることが契約継続の条件となりますが、その工事を請け負うのはシマシマハウス系列会社で、品質を保つと言う理由で他のリフォーム業者に発注することはできません。そして、その会社はかなりの高額の工事量を請求します。
そんな訳で10年後には一気に環境が悪化するのですが、本来はその時に備えて家賃収入を蓄えておかなければならないのですが、実際には新築直後の好調時に気が大きくなって使ってしまい蓄えがない人が多いのです。
10年後に家賃の引き下げに応じない場合は契約解除となりますが、10年もの間丸投げしていた為に自分で管理する自信がないために泣く泣く家賃引き下げに同意するケースが多いのです。
その引き下げ額によっては赤字となり、最終的には売却せざるを得ない事もあり得ます。
ですからその様な仕組みがあることを知らない地主は10年後にその事実に直面して大変な事になるのです。
つづく



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