多貫社長と飲み明かした日から2週間が経過しました。
太郎さんは加奈さんから基礎工事が始まったと連絡を受けました。
まだ、工事が始まったばかりでアパートの形が出来ている訳ではありませんが、太郎さんは早速週末に現場に行きたくなりました。
そして、それを聞きつけた花子さんも一緒に行くことになりました。
そして、次の日曜日。二人は建築現場に向かったのでした。
前回現地に行った時は加奈さんの車で回ったので、今回は初めて現場まで電車で行くことになります。
JR手取駅で降りて、チバラギ電鉄に乗り換えです。
二人は同じ駅構内で乗り換えが出来ると思っていましたが、チバラギ電鉄の駅はJR駅から3分ほど離れたところにあることを初めて知りました。
正確には資料として加奈さんから地図を貰っていたのですが、それを見ていなかったのです。
「アニキ、不便だわね。わざわざこんなに離れたところに駅を作らなくても良いのにね」
「僕も知らなかったんだ。なんでこんなと遠いところに駅を作ったんだ。乗り換えが不便じゃないか」
二つの駅の間は昔からの狭い道でそこに商店がならんでいました。ところが日曜日にも関わらずお店の半数近くはシャッターが閉まっています。人出も余り多いとは言えない状態です。
「ちょっと寂しい感じね」
「うーん、前回は駅の反対側で待ち合わせしたんだ。そちらはとっても賑やかで周りはビルが並んでいたんだ」
「こちら側は道も狭く車も入りづらいし活気がないねえ」
以前、手取市で再開発の話があったものの道路拡張の為に立ち退かねばならない商店主の反対でいつのまにか立ち消えになってしまったのです。
困った市は代わりに当時何もなかった駅の反対側を開発したのでいつの間にか客はそちらの方に移ってしまったのです。
「アニキ、もしかして乗り換えが不便な事を隠すためにわざと車で移動したんじゃないの?」
「うーん、そんなことはないと思うけどなあ」
二人は狭く活気のない商店街を歩き、やがてチバラギ電鉄手取駅に着きました。駅舎は良く言えばレトロ、悪く言えばボロな造りで全体的に暗いイメージでした。
「うっそー」花子さんは思わず叫びました。
時刻表を見ると丁度電車が出たところで、次の電車は20分後でした。
「あ、○○さんだ」
二人は駅のホームで知り合いとばったり会いました。
その人は一体誰でしょうか?



カモネギ脱出ゲーム開催予定


