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「太郎様、チバラギ平成大学をご存知ですか」

「聞いたことのない大学だなあ」

 


「そうですか、太郎様はご存知ないかも知れませんが地元では結構人気のある大学なのです」

「この大学が私どものアパート建築予定地近くに新キャンパスを作ることに決定したのです」

「このキャンパスには国際交流学部が新設され、多数の留学生が学ぶことになっています」



「でも今回の物件は学生向けじゃないですね」

「はい、でも同時に沢山の外国人教職員を採用するのです」

「実は、日本では外国人にアパートを貸してくれる大家さんが少ないのです。

その為に、外国人は相場より高い家賃で貸すことが出来ます。

また、同時にこのアパートを出ると他に行き場がないので家賃滞納のリスクも少ないのです。お住まいになる方は大学の教職員ですので属性も良く、お客様としては最高です」

 

「この新学部の開設は2年後ですが、来年から準備の為に先行して教職員が異動する事になっています。ですから私たちの物件はこの需要を取り込むことが可能です。従来のニコポン光学研究所に加え、チバラギ平成大学の需要も期待できることになりました」

「なるほど!それは素晴らしい」太郎さんは嬉しそうに答えました。

 

「そこで、弊社は当初の家賃設定を見直すことにし、従来の7万円から73千円に値上げします。その結果、家賃収入は年間28万円増加し、ローン返済額77万円の増加をほぼリカバーできる20万円減収で済む見通しが付きました」


 


「太郎様、いかがでしょうか?当初より年間
20万円の減収となりますがこれは月額わずか1.7万円です。この程度であれば太郎様の大家力で十分カバー出来ると思います。

どうか、この条件で契約して頂けるようお願いいたします」

 

「そうかあ、月額1.7万円ならばわずかな額だなあ」

太郎さんは、この状況であれば多少の減収は許容範囲と思いました。

 

実は加奈さんは何としてでも太郎さんに契約して貰わねば今月の営業目標を達成できないのです。ですから、加奈さんは数日間必死になって銀行との交渉や地域情報の収集をしていたのです。

 

今回、契約出来ないとなると今までの努力が水の泡となってしまいます。

「太郎様、是非この条件で契約をお願いします」


 

加奈さんは深く頭を下げて太郎さんにお願いしました。

そして、加奈さんから思いも兼ねない言葉が出たのです。

それを聞いた太郎さんはすっかり表情が緩みました。

 

それは?

 

つづく




     
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