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太郎さんは加奈さんの電話を受け、ガッカリして家に戻りました。

そして部屋に入りPCを開き愛用している金融電卓ソフトであるローンレンジャーで返済額の計算をしてみました。

その結果、融資期間30年で金利4.5%の場合年間返済額は425万円。

22年の場合は同じ金利だとすると返済額は502円となり、77万円も返済額が増えることがわかりました。

 


太郎さんの表情が曇りました。

 
次に太郎さんはその条件を前提にして収支をシミュレーションしてみました。

 

満室家賃が672万円で返済は502万円だから手残りは170万円。

この中から運営費(管理費、固都税など)として家賃の10%相当の68万円を引くと103万円だ。まあ、新築だからしばらくは満室が続くし、設備も新しくて壊れないから何とか赤字にはならないなあ。

でも、年間77万円以上もキャッシュフローが減少することはいかに能天気な太郎さんでも少し不安な気持ちになってきました。

 

ここで、太郎さんの収支シミュレーションについて見てみましょう。

太郎さんの計算方法はこちらです。

 

 

しかし太郎さんは契約金調達の為に200万円借りたことを忘れています。

こちらの返済は年間48万円なので、これも考慮すると下の右側の様になります。

 

 

 何とキャッシュフローは55万円に減少してしまいました。

このキャッシュフローから共用部の光熱費、清掃費、所得税、住民税を支払わねばなりません。
新築なので設備の補修費はゼロとしても、55万円は決して安心できる金額ではありません。


賢明な読者の皆様は太郎さんの大甘シミュレーションに呆れたと思いますが、実際に欲しい物件を見つけた人はリスクを過少に見積もる傾向があります。

恐らく、買いたい気持ちが強いと判断する目が曇ってしまうのでしょうね。

 


翌日、加奈さんから電話がありました。
加奈さんは昨日とは別人の様な明るい声に変わっていました。

 

「太郎様、加奈です。実はいろいろ検討した結果、融資期間短縮のロスを何とかリカバーできるアイデアが見つかりました。本日の夜宜しければ弊社までご足労願えませんか?」

 

ええっ!本当ですか。それじゃ喜んで行きます。これはきっと神様の思し召しですね。嬉しいなあ」

 

太郎さんは会社を定時で出て多貫エステートのオフィスに向かいました。

 

果たしてどんなアイデアでしょうか

 

つづく

 








     
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