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太郎さんは翌日、席取巧さんを行きつけの豚貴族に連れ出し今までの経緯を披露しました。

「先輩はいいなあ。大手企業に勤めているから格安でフリーローンが使えるんですね。僕なんか零細企業だから無理です」

太郎さんは上機嫌です。

「僕も一時どうなることかと思ったけど、いざとなったらいろんな手があるという事がわかったんだ」「おかげで新築のオーナーになれるんだ。これで一生左うちわ生活だ。

「これからも新築物件をバンバン建てて華麗なるセミリタイア目指すんだ」

 

今日も太郎さんのおごりです。これからフリーローンの返済に毎月4万円必要なのにこんなに散財して良いのでしょうか?

 

二人で飲んでいる最中、加奈さんから電話がかかってきました。


 



「太郎さん、夜分遅く失礼いたします。実は、ちょっとお話ししたいことがあるんですが、今宜しいでしょうか?」

太郎さんは携帯を持って店の外に出ました。

「はい、どうぞ」

「実は、大甘銀行で現在融資の審査を行っているんですが、銀行からは30年の融資は出来ないと言われました」

「ええっ!どうして?」

 「先月赴任した新しい支店長が融資方針を変えてしまったからです。今までは木造でも30年の融資が可能でしたが、これからは法定耐用年数以上の融資期間は不可能となりました。太郎さんのご検討している物件は木造ですので22年が最大の融資期間になります」

「それじゃ、返済額が大きくなって儲からないじゃないですか」

「はい、そういう可能性もあります」

「それは大変だ」

 

銀行融資の基準はすぐに変わります。市況の変化や行政の指導に応じて目まぐるしく変化するのです。このような事件は頻繁に発生します。

ですから常に最新の情報をキャッチしておかねばなりません。

また、銀行毎に融資基準が異なりますので、出来るだけ沢山の銀行とお付き合いすることが大事です。

多貫エステートは大甘銀行の東青山支店だけしか繋がりがないのでこのような時には対応が難しくなるのです。

 

「太郎様、私どもはいろいろ対策を検討しています。このような事態になっても何らかの解決策を必ず見つけますのでご安心下さい」

「対策案が出来たら、ご案内致しますのでそれまでお待ちください」

 加奈さんからの電話は切れました。

太郎さんは店の外で唖然としていていました。

さっきまで席取さんに吹聴していたことが全部だめになりそうなので店内に戻りたくない気持ちになりました。

 

その後、すごすごと店に入りましたがその日はもう飲む気にも二次会のカラオケに行く元気もなくなりそのまま帰宅したのでした。

 

 太郎さんは一体どうすれば良いでしょうか?


つづく

 

 





     
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