「それでは次にニコポン光学の研究所に向かいます」
加奈さんは再び車を走らせ踏切を渡ってすぐそばにある大きな建物の前で車を止めました。
「ここがニコポン光学の研究所です」
「思ったより大きな建物ですね」
「はい、かなり大きいです。これは将来の拡張を計画している為だからです」
「現在は暫定開業中なので従業員200人ほどですが、その中の半分の人は東京からの転勤者です」
「我々の調査によると来年4月には本格オープンを控え更に多くの人が転勤でこちらに異動されます」
加奈さんは説明を続けます。
「ニコポン光学は家賃補助制度があるので高い家賃でも借りられます」
「ところが、この近辺には東京からの転勤者が入りたがる様高級でおしゃれな物件が不足しているのです」
「ですから、弊社のビバリーシリーズを購入すれば常時満室間違いなしです」
太郎さんは加奈さんの説明に大きく頷くのでした。
加奈さんはもう一つ有力な情報を伝えました。
「それともう一つ耳寄りな情報があります。将来チバラギ電鉄が手取駅からJR線に乗り入れる計画があります」
「もし、これが実現すれば南手取駅から東京まで直通運転がの電車が頻繁に走り街は一気に発展します」
太郎さんはその話を聞いてすっかり安心しました。
「そうなんですか。それは素晴らしいですね」
「でも、そうなると周りにアパートが増えて競争が激しくなりそうだなあ」
さすが太郎さんです。しっかりと状況判断ができています。
加奈さんはすかさず答えました。
「でも周りのアパートは皆シマシマハウスかケンタック大東京の低所得者向けのものばかりです」
「一方、弊社の物件はデザイナーズ物件です。ニコポン光学の研究員みたいに属性の高い人や都会チックな生活にあこがれるおしゃれな女性をターゲットとしています。
ですから全く客層が違うので競合することはありません」
「それに弊社のアパートは他のアパートに比べ建物もしっかりしています。例えば」
加奈さんの話は続きます。
つづく
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