4 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 22:32:32 ID:fkpUHwKQ0
<整理-1>
翌日、出版社に顔を出し、H先輩に経緯を説明した。
先輩は「寺じゃなくて病院を紹介したほうがよかったか」と呆れた。
俺はノイローゼなんかじゃないんだがww
「霊なんてものを信じるヤツは、みんなおかしい」と断言するクソH。
実証してやるとばかりに、俺の体験を合理性で解読し始めた。
H「まず、いいか?カリノを見たなんてのはその典型だ。お前は俺から事前に情報を得ていたんだから、具体的にカリノの焼死現場を妄想することは難しくなかったろ?その証拠に、与えなかった情報については何も見てこなかったじゃないか」
俺「見えはしなかったけど、カリノが入れあげてた女性の存在はなんとなく感じましたよ」
H「そのオンナは生きてるか死んでるかもわからないんだぜ。もし生きてたら?お前の霊感とやらがいかに似非か証明されることになるぞw」
相変わらず気に触る言い方で、カリノの件は一蹴されてしまった。
5 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 22:33:36 ID:fkpUHwKQ0
<整理-2>
俺「それじゃあ白骨のヤツは?俺は、あのトンネルでバラバラ遺体が発見されてたことも知らないうちに、巡査や由香さんのパーツを集め始めたんですが」
H「フラストレーションを発散させるのに、その手の妄想に浸るヤツは珍しくない。お前は一見暴力とは無縁そうだが、内在してる嗜好まではわからんさ」
うーん。。。反論できないな。。。
H「特に馬鹿女のほうは昔の恨みでも引きずってたんだろ。コンビニの店員仲間と話題にしたことによって、リアルに悪感情を思い出したんじゃないのか?」
俺「そこまで激烈な恨みなんか持っていませんよ。ただ、生理的に受け付けなくなっているだけです」
母親と姉を軽蔑している俺は、男に対して誠実にふるまえない由香さんに対しても、同じような感情を抱いてしまうんだ。
H「ま、あの馬鹿女は殺したって死なないから、せいぜいズリネタにでもしてやれ」
歯をむき出して笑うクソHを、俺はまた怒鳴りつけそうになった。
6 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 22:34:47 ID:fkpUHwKQ0
<整理-3>
H「案外、巡査っていうのにも心当たりがあったりしないか?」
H先輩の突っ込みに、俺は苦笑いしながら頭を掻いた。
俺「実は。。。と言っても、ガキのころのたわいのない話なんですが」
中学生のとき、俺はどちらかといえば悪ガキだった。
学校の備品盗んだり、連れを用水に突き落としたり。
田舎のノリの範疇だったけど、大人からは煙たがられてた。
ある日、学校からの帰り道に警官の巡回に出くわした。
特に悪さはしていなかったと思うが、その巡査は俺のこと知ってたんだろうね。
「あんまりふざけたことしたら撃ち殺すぞ」って言って、本当に拳銃を構えてきたんだ。
まあ、いま思うと、これもある種のノリだったな。
思いっきり逃げたww いい薬になったよ。
H「お前が腕を引き抜いたのは、その巡査だったのか?」
俺「もっとガタイのいい人だった気がしますが、俺自身が中学から成長してますから。まあ、あんな感じだったかも」
結局、これも説明がついちまったようだ。
7 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 22:36:06 ID:fkpUHwKQ0
<整理-4>
「じゃあ最後に昨日の件だが」
H先輩は自分のPCのメールボックスを開きながら言った。
「お、来てる来てる。ちょうど俺んとこの顧客だったらしくってな。不審死なんで、担当者が事情を詰めてたとこだったんだ」
着信したメールには『原田園恵の死亡原因について』とタイトルが入っていた。
先輩がクライアントからの出向だっていうのは前述したが、そのクライアントは生命保険会社なんだ。
大手の生保は自社で調査部署を持ってて、不自然な請求があると徹底して調べることになってるらしい。
原田園恵は数年前に先輩の会社の終身保険に加入していた。
特異な死に方ではあったが、メールには『いたって自然な理由による自殺』と書かれていた。
俺「自然な理由ってなんすか?腹に子どももいたっていうのに」
H「マタニティブルーって知ってるか?俺の嫁もひどかったが、妊娠中はホルモンのバランスが崩れてウツになることがあるんだぜ」
俺「先輩の奥さんがウツになったのは、妊娠のせいじゃなくて。。。」
言い終わらないうちにスリッパが飛んできた。
H「原田園恵にはその兆候が強かった。自殺してもおかしくないほどな。だから『自然な自殺』と報告が来たんだろうよ」
8 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 22:36:47 ID:fkpUHwKQ0
<整理-5>
。。。見事にこじつけられた。
数年前の俺だったら、H先輩の言葉を信じただろうな。
でも違うんだよ。
うまく説明できないけど、俺は妄想に浸ってるわけじゃないんだ。
だって、今までの霊現象のほとんどは沙耶ちゃんも一緒に体験してるんだから。
沙耶ちゃんは信じる。H先輩はあの世界を知らないだけだと思えちまう。
俺は反論をやめて「あんまり気にしないようにしますわ」と先輩をあしらった。
9 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 22:37:50 ID:fkpUHwKQ0
<整理-6>
仕事が終わってバイトまで時間があったので、不眠覚悟で沙耶ちゃんのアパートを訪ねた。
実は、昨日、あの駅から帰ってきて居座った先は彼女のアパートだったんだ。
意識のハッキリしなかった俺に、一晩中沙耶ちゃんが話しかけてくれたおかげで、こうやって日常に戻ってこれたってわけ。
あの子はもうすぐバイトに出るはずだ。顔だけ見て自宅に帰ろう。そう思ってインターホンを鳴らす。
。。。出ない。留守か。それとももうコンビニに行っちまったか。
まあ、いいや。どうせ後で会えるんだ。急ぐこともない。
水戸黄門がなぜ1話完結にしてあるか知ってるか?
視聴者に年寄りが多くて次週まで健在でいる保証がないから、って理由らしい。
俺はいま連続投稿という形で話をぶつ切りにしている。
時間の制約があるから仕方がないんだが、でも、実はすごく心苦しい。明日は保証されないからね。
『後で会える』なんて、なぜこのとき思ったんだろう。
店まで10分の距離を歩いて沙耶ちゃんの姿を確認することを、なぜ惜しんでしまったんだろうか。
870 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 00:36:17 ID:fkpUHwKQ0
<除霊-1>
翌週は何事もなく過ぎた。
俺としてはH先輩あたりの首をもぎ取ってやろうかと思ってたんだがww 悪夢の欠片も見なかった。
仕事の合間に白骨遺体のことを話すと、先輩は「気持ちわりーな。寺行って来い、寺!」と、その筋で有名な大阪の寺まで調べてきた。江戸時代から慰霊で名を馳せている由緒のあるところだそうだ。
日曜日には休みをくれるというので、遊興も兼ねて行ってみることにする。
沙耶ちゃんに「一緒に行かない?」と電話をすると、「。。。お寺ですか。。。あんまり勧めませんけど。。。」と歯切れの悪い答えが返ってきた。理由を聞く。
「除霊って好きじゃないんです。一方的に霊を追い出してしまうことなので。できれば、話し合って浄化してもらいたいんですけど。。。」
なるほど。沙耶ちゃんらしい考え方だよ。
正直、俺は儀式でこの厄介な現象がなくなってくれるとは思わない。
ただ『祓ったから霊に勝てる』と自信をつけたいだけなんだ。
そう説明すると、沙耶ちゃんは、やっぱり乗り気ではないようだったが、「まことさん1人で行かせるのも心配なので」と承知してくれた。
871 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 00:37:02 ID:fkpUHwKQ0
<除霊-2>
鉄道を使うつもりだったので、ローカルな駅に車を置いて、新幹線の乗車駅行きの急行に乗った。ふだん乗りつけないから切符の買い方がわからなくなってたよorz
沙耶ちゃんも珍しい車窓の景色に目を輝かせていた。「子どもの頃以来かも」だって。今だって子どもみたいなもんだw
市を2つまたぎ、そろそろ都市圏に入ろうというところで、列車は小さな踏切を渡った。遮断機の向こうで待つ通行人と車の列。見知った顔があった。「あれ、見覚えない?」と沙耶ちゃんに振ると、彼女は首をかしげた。
あ、そっか。沙耶ちゃんは1度しか会ったことがなかったな。
3年前の春から夏にかけて、毎晩コンビニに来ていたキャバクラ嬢ふうの客だ。今の格好は普通の主婦っぽかったが、激しく脱色した髪が名残をとどめている。
そっか。見なくなったと思ったら、こっちに移って来たんだな。
踏み切りが後ろに流れて見えなくなったタイミングで、前方に小さな駅が見えてきた。この列車は停まらないはずだ。
駅に停車していた鈍行電車が動き始め、俺たちの横を対向して過ぎて行く。いかにも地元という感じの利用者で賑わっていた。
平和な風景としか言いようがない。大阪まで何しに行くんだか忘れそうになったよ。
でも、俺たちの列車は予定のない駅に緊急停車してしまった。
872 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 00:37:50 ID:fkpUHwKQ0
<除霊-3>
駅のけたたましいブザー音が密閉された車内にまで飛び込んだ。ドアが開かないので、乗客の数人が不安げに立ち上がって様子を窺っている。
駅員がホームを右往左往しているのが見えた。怒鳴っている声までは聞こえない。
5分ほどしてから、この列車の車掌と思われる制服組が車両を回ってきた。
「ただいま踏切内で人身事故が発生しました。ダイヤ調整のため、しばらく臨時停車いたします」
近くにいた50代ぐらいのおっさんが、車掌に噛みつく。
「なんで通り過ぎた踏切の事故で、この電車まで動かなくなるんだ?!」
その横の、妻らしい厚化粧のばあさんも、したり顔で付け足す。
「事故なら前もあったけど、関係ない電車まで止めることはなかったわよ!早く出してよ!」
車掌は動じた様子もなく「しばらくお待ちください」と言い残して、他の車両に移っていった。
俺のせいなんだろうか?根拠のない罪悪感が頭をもたげる。俺のせいで列車が『止められた』んだろうか?俺のせいで『列車を止めるための事故』が起きたんだろうか?
873 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 00:38:29 ID:fkpUHwKQ0
<除霊-4>
再出発が難しいというので、俺たちはバスに乗り換えることになった。
俺は。。。行かなかったよ。バスまで止まると気の毒だからね。
駅のロータリー沿いに表通りに出ると、踏切の方向に向かった。沙耶ちゃんが小走りでついてきて、俺の腕を取る。
「どこに行くんですか?」
どこって。。。どこに行こうとしてんだよ、俺?
「確かめないとね」とだけ言った。誰が轢かれたのか。死んだのか、助かったのか。
踏み切りのそばでは警察がバリケードを張っていた。現場はかなり遠いな。轢いたと思われる鈍行電車の側面だけしか見えない。
野次馬の中から下着姿の爺さんをつかまえて聞いてみた。
「どういう人が事故に遭ったんですか?」
爺さんはひどく同情した面持ちで答えた。
「妊婦さんが電車に飛び込んだらしいよ。まだ若いのにねえ」
沙耶ちゃんが小さく悲鳴を上げたので爺さんから視線を移すと、2人の鑑識がビニールシートを警察車両に乗せているところだった。
「茶色の髪が見えた。。。」
沙耶ちゃんの呟く声が震えていた。
874 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 00:39:29 ID:fkpUHwKQ0
<除霊-5>
駅のベンチに腰かけながら、なぜか俺が沙耶ちゃんを落ち着かせる羽目になった。
「ああいう死に方した人、初めて見たから、ちょっと動揺しちゃって。。。ごめんなさい」って言うけど、もっと壮絶なのに何回も会ってるじゃないか。。。w
「同じ死人でも、やっぱり霊と死体とは違うの?」と質問すると「私は不成仏な霊にはならないけど、死体にはなるから。。。。自分がああいう姿になるのが怖い」と答えてきた。
そうだね。そのとおりだ。肉体に傷がついて再生不可能になるってのは、こんなにも怖いことなんだ。
でも、その最悪な終末をキャバ嬢に取らせたのは、俺じゃないのか?
「俺がここを通らなければ、あいつ、死ななかったのかな。。。」
思わず口についた言葉。
「俺、すごく迷惑なヤツだ。。。」
「まことさんがどう関係するの?」
沙耶ちゃんは本気で不思議そうに言う。
「だからさ、除霊なんかに行こうとするから、こういう形で足止めされたってことだよ」
確信的に説明すると、沙耶ちゃんは珍しく理解力を示さなかった。
「全然つながりがわかりません」
慰めてんのかな?。。。慰めてるんだよな?。。。ここでわかってもらわないと、俺、泣きつくこともできないんだけど。。。orz
875 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 00:39:53 ID:fkpUHwKQ0
<除霊-6>
「あのね、よく考えて」
沙耶ちゃんが一言一言に力を込める。
「もしまことさんをお寺に行かせたくないだけなら、車を動かないようにすればいいじゃないですか。霊って電気系統を壊すのは得意なんですよ」
へえ。そうなんだ。。。オカルトで照明がいきなり切れたり、電源の抜けているラジオがついたりっていう話を思い出した。
「なのに、わざわざまことさんの知ってる人を家から連れ出して自殺させるなんて、そんなエネルギーの要ることすると思います?」
俺は首を横に振るしかない。
「だから、あの人が踏み切りに飛び込んだのはあの人の意思です。まことさんには関係ありません。気にしちゃダメです」
876 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 00:41:30 ID:fkpUHwKQ0
<除霊-7>
。。。。。。。。。
そっか。
俺はたまたま事故に巻き込まれただけなのか。
『お箸要らないです』と屈託のない笑顔で断ってたあの人が、妊娠中なんて幸せの絶頂期に自殺したのは、あの人自身の運命であって、俺には何の関係もないのか。
「無理」
俺はまた首を振った。
「そんなふうには思えない」
沙耶ちゃんは、とっても困った顔をした。
「弱気になると憑りつかれちゃいますよお」
いっそ。
「そのほうが楽かもしれない」
沙耶ちゃんはうな垂れた。
「私はイヤです。。。」
憑りつかれるっていうのはどういうことなのかわからないが、きっと、俺が俺でなくなるってことなんだろうな、と思う。
俺は沙耶ちゃんの柔らかい猫っ毛を撫で回した。こういう愛情もわからなくなっちまうのかな。
もしこの後、何も起きずに事故処理がなされ、無事に自宅まで帰りつけたら、俺は沙耶ちゃんの『偶発説』を信じられたかもしれない。
でも、残念ながら、俺のほうが正しかったみたいだ。踏み切りのほうから泥色の小学生が歩いてくるのが、はっきりと見える。
877 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 00:42:03 ID:fkpUHwKQ0
<除霊-8>
坊主は何かを抱いていた。首か、足か、残りの腕か。
こんなガラクタ集めて、自分を再生して、成仏できると思ってる霊がいるのが笑えるね。
坊主は俺の膝の上に『それ』を置いた。
血まみれの生首のほうがまだマシだった。
胎児だったんだ。臍の緒が長く長く伸びていて、線路上をさまよっている母親とつながっていた。
俺さ。由香さんをあんな目に遭わせておいて言うのもなんだけど、子どもの死体はダメなんだよ。
沙耶ちゃんはすでに俺の視界にはいない。
見えるのは、血の海になった事故現場と、坊主と、不完全な形の胎児だけ。
「次は右腕と上半身と下半身以外だね」
俺がやつらの世界に近づいたぶんだけ、坊主の声がクリアに聞こえた。
「本物を提供するよ」
俺は、ためらいなく人間をバラせる環境が整ったことに、悦びを隠せなかった。
<除霊-1>
翌週は何事もなく過ぎた。
俺としてはH先輩あたりの首をもぎ取ってやろうかと思ってたんだがww 悪夢の欠片も見なかった。
仕事の合間に白骨遺体のことを話すと、先輩は「気持ちわりーな。寺行って来い、寺!」と、その筋で有名な大阪の寺まで調べてきた。江戸時代から慰霊で名を馳せている由緒のあるところだそうだ。
日曜日には休みをくれるというので、遊興も兼ねて行ってみることにする。
沙耶ちゃんに「一緒に行かない?」と電話をすると、「。。。お寺ですか。。。あんまり勧めませんけど。。。」と歯切れの悪い答えが返ってきた。理由を聞く。
「除霊って好きじゃないんです。一方的に霊を追い出してしまうことなので。できれば、話し合って浄化してもらいたいんですけど。。。」
なるほど。沙耶ちゃんらしい考え方だよ。
正直、俺は儀式でこの厄介な現象がなくなってくれるとは思わない。
ただ『祓ったから霊に勝てる』と自信をつけたいだけなんだ。
そう説明すると、沙耶ちゃんは、やっぱり乗り気ではないようだったが、「まことさん1人で行かせるのも心配なので」と承知してくれた。
871 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 00:37:02 ID:fkpUHwKQ0
<除霊-2>
鉄道を使うつもりだったので、ローカルな駅に車を置いて、新幹線の乗車駅行きの急行に乗った。ふだん乗りつけないから切符の買い方がわからなくなってたよorz
沙耶ちゃんも珍しい車窓の景色に目を輝かせていた。「子どもの頃以来かも」だって。今だって子どもみたいなもんだw
市を2つまたぎ、そろそろ都市圏に入ろうというところで、列車は小さな踏切を渡った。遮断機の向こうで待つ通行人と車の列。見知った顔があった。「あれ、見覚えない?」と沙耶ちゃんに振ると、彼女は首をかしげた。
あ、そっか。沙耶ちゃんは1度しか会ったことがなかったな。
3年前の春から夏にかけて、毎晩コンビニに来ていたキャバクラ嬢ふうの客だ。今の格好は普通の主婦っぽかったが、激しく脱色した髪が名残をとどめている。
そっか。見なくなったと思ったら、こっちに移って来たんだな。
踏み切りが後ろに流れて見えなくなったタイミングで、前方に小さな駅が見えてきた。この列車は停まらないはずだ。
駅に停車していた鈍行電車が動き始め、俺たちの横を対向して過ぎて行く。いかにも地元という感じの利用者で賑わっていた。
平和な風景としか言いようがない。大阪まで何しに行くんだか忘れそうになったよ。
でも、俺たちの列車は予定のない駅に緊急停車してしまった。
872 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 00:37:50 ID:fkpUHwKQ0
<除霊-3>
駅のけたたましいブザー音が密閉された車内にまで飛び込んだ。ドアが開かないので、乗客の数人が不安げに立ち上がって様子を窺っている。
駅員がホームを右往左往しているのが見えた。怒鳴っている声までは聞こえない。
5分ほどしてから、この列車の車掌と思われる制服組が車両を回ってきた。
「ただいま踏切内で人身事故が発生しました。ダイヤ調整のため、しばらく臨時停車いたします」
近くにいた50代ぐらいのおっさんが、車掌に噛みつく。
「なんで通り過ぎた踏切の事故で、この電車まで動かなくなるんだ?!」
その横の、妻らしい厚化粧のばあさんも、したり顔で付け足す。
「事故なら前もあったけど、関係ない電車まで止めることはなかったわよ!早く出してよ!」
車掌は動じた様子もなく「しばらくお待ちください」と言い残して、他の車両に移っていった。
俺のせいなんだろうか?根拠のない罪悪感が頭をもたげる。俺のせいで列車が『止められた』んだろうか?俺のせいで『列車を止めるための事故』が起きたんだろうか?
873 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 00:38:29 ID:fkpUHwKQ0
<除霊-4>
再出発が難しいというので、俺たちはバスに乗り換えることになった。
俺は。。。行かなかったよ。バスまで止まると気の毒だからね。
駅のロータリー沿いに表通りに出ると、踏切の方向に向かった。沙耶ちゃんが小走りでついてきて、俺の腕を取る。
「どこに行くんですか?」
どこって。。。どこに行こうとしてんだよ、俺?
「確かめないとね」とだけ言った。誰が轢かれたのか。死んだのか、助かったのか。
踏み切りのそばでは警察がバリケードを張っていた。現場はかなり遠いな。轢いたと思われる鈍行電車の側面だけしか見えない。
野次馬の中から下着姿の爺さんをつかまえて聞いてみた。
「どういう人が事故に遭ったんですか?」
爺さんはひどく同情した面持ちで答えた。
「妊婦さんが電車に飛び込んだらしいよ。まだ若いのにねえ」
沙耶ちゃんが小さく悲鳴を上げたので爺さんから視線を移すと、2人の鑑識がビニールシートを警察車両に乗せているところだった。
「茶色の髪が見えた。。。」
沙耶ちゃんの呟く声が震えていた。
874 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 00:39:29 ID:fkpUHwKQ0
<除霊-5>
駅のベンチに腰かけながら、なぜか俺が沙耶ちゃんを落ち着かせる羽目になった。
「ああいう死に方した人、初めて見たから、ちょっと動揺しちゃって。。。ごめんなさい」って言うけど、もっと壮絶なのに何回も会ってるじゃないか。。。w
「同じ死人でも、やっぱり霊と死体とは違うの?」と質問すると「私は不成仏な霊にはならないけど、死体にはなるから。。。。自分がああいう姿になるのが怖い」と答えてきた。
そうだね。そのとおりだ。肉体に傷がついて再生不可能になるってのは、こんなにも怖いことなんだ。
でも、その最悪な終末をキャバ嬢に取らせたのは、俺じゃないのか?
「俺がここを通らなければ、あいつ、死ななかったのかな。。。」
思わず口についた言葉。
「俺、すごく迷惑なヤツだ。。。」
「まことさんがどう関係するの?」
沙耶ちゃんは本気で不思議そうに言う。
「だからさ、除霊なんかに行こうとするから、こういう形で足止めされたってことだよ」
確信的に説明すると、沙耶ちゃんは珍しく理解力を示さなかった。
「全然つながりがわかりません」
慰めてんのかな?。。。慰めてるんだよな?。。。ここでわかってもらわないと、俺、泣きつくこともできないんだけど。。。orz
875 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 00:39:53 ID:fkpUHwKQ0
<除霊-6>
「あのね、よく考えて」
沙耶ちゃんが一言一言に力を込める。
「もしまことさんをお寺に行かせたくないだけなら、車を動かないようにすればいいじゃないですか。霊って電気系統を壊すのは得意なんですよ」
へえ。そうなんだ。。。オカルトで照明がいきなり切れたり、電源の抜けているラジオがついたりっていう話を思い出した。
「なのに、わざわざまことさんの知ってる人を家から連れ出して自殺させるなんて、そんなエネルギーの要ることすると思います?」
俺は首を横に振るしかない。
「だから、あの人が踏み切りに飛び込んだのはあの人の意思です。まことさんには関係ありません。気にしちゃダメです」
876 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 00:41:30 ID:fkpUHwKQ0
<除霊-7>
。。。。。。。。。
そっか。
俺はたまたま事故に巻き込まれただけなのか。
『お箸要らないです』と屈託のない笑顔で断ってたあの人が、妊娠中なんて幸せの絶頂期に自殺したのは、あの人自身の運命であって、俺には何の関係もないのか。
「無理」
俺はまた首を振った。
「そんなふうには思えない」
沙耶ちゃんは、とっても困った顔をした。
「弱気になると憑りつかれちゃいますよお」
いっそ。
「そのほうが楽かもしれない」
沙耶ちゃんはうな垂れた。
「私はイヤです。。。」
憑りつかれるっていうのはどういうことなのかわからないが、きっと、俺が俺でなくなるってことなんだろうな、と思う。
俺は沙耶ちゃんの柔らかい猫っ毛を撫で回した。こういう愛情もわからなくなっちまうのかな。
もしこの後、何も起きずに事故処理がなされ、無事に自宅まで帰りつけたら、俺は沙耶ちゃんの『偶発説』を信じられたかもしれない。
でも、残念ながら、俺のほうが正しかったみたいだ。踏み切りのほうから泥色の小学生が歩いてくるのが、はっきりと見える。
877 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/19(火) 00:42:03 ID:fkpUHwKQ0
<除霊-8>
坊主は何かを抱いていた。首か、足か、残りの腕か。
こんなガラクタ集めて、自分を再生して、成仏できると思ってる霊がいるのが笑えるね。
坊主は俺の膝の上に『それ』を置いた。
血まみれの生首のほうがまだマシだった。
胎児だったんだ。臍の緒が長く長く伸びていて、線路上をさまよっている母親とつながっていた。
俺さ。由香さんをあんな目に遭わせておいて言うのもなんだけど、子どもの死体はダメなんだよ。
沙耶ちゃんはすでに俺の視界にはいない。
見えるのは、血の海になった事故現場と、坊主と、不完全な形の胎児だけ。
「次は右腕と上半身と下半身以外だね」
俺がやつらの世界に近づいたぶんだけ、坊主の声がクリアに聞こえた。
「本物を提供するよ」
俺は、ためらいなく人間をバラせる環境が整ったことに、悦びを隠せなかった。
839 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/17(日) 23:50:44 ID:ovpE2hAU0
<謎解き-1>
それからさらに何時間経った頃だろう。また、台所から、包丁でまな板を叩く音がした。何かを不器用に刻む音。。。
沙耶ちゃんだ。今度は間違いない。
俺はベッドの上に飛び起きた。。。が。。。怖くて声をかけられなかった。今度、手にかけるのが沙耶ちゃんだったら、と思うと。
たとえ幻覚でもそれだけは嫌だ。
ためらっていると、沙耶ちゃんが気づいて、台所から顔を覗かせた。
「起こしちゃいました?」
彼女の表情に異変がないところを見ると、惨劇の跡は視えないようだ。
。。。よかった。彼女が能力を失くしていてくれて。
バイトの前に時間があったからわざわざ来てくれたのだと言う。時計を見ると、午後4時に差しかかっていた。
。。。ほんとに、一日中寝てたんだな、俺。
オムライスを作れるようになった沙耶ちゃんを心の底から誉めてやってww、一緒に食卓に着いた。
840 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/17(日) 23:51:18 ID:ovpE2hAU0
<謎解き-2>
不思議なもんだ。こうやって沙耶ちゃんを間近に見ていると、不安やイライラといった負の感情がなくなっていく。
逆か。。。ずっと沙耶ちゃんと一緒にいたおかげで、俺は、自分が穏やかな人間だと勘違いしてたんだ。さっきの由香さんの頚骨の感触を思い出して暗澹たる気分になる。俺の本性は、たぶん、あっちのほうだ。。。
他愛のない話に夢中になっている沙耶ちゃんに相槌を打ちながら、俺は、彼女と別れることを考えていた。自分をコントロールできない今は、彼女を俺から引き離したい。
俺にとっては必要な人だけどね。そう思うことはエゴだろ。
「沙耶ちゃん、少し距離を置こうか」
案外すんなり言葉にできた。。。。本音はすっげえ悔しいんだけどねw だってさあ、俺、こういう関係を何年も待ってたんだぜ。
沙耶ちゃんは困った顔をして、それから怒った顔をして、最後に泣きそうになった。
「なんでですか?」
あ。理由を考えるの、忘れてたな。。。
841 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/17(日) 23:51:52 ID:ovpE2hAU0
<謎解き-3>
機転を利かせる能力のなかった俺は、けっきょく、沙耶ちゃんに正直に話した。
怖がらせるか軽蔑されるかだと思ったが、沙耶ちゃんは真剣な表情で取り合ってくれた。
「まるで人間のパズルを作ってるみたいですね」
そういう彼女に「その言い方、軽すぎww」と訂正する。
俺にとっては頭がおかしくなりそうなほどのショックなんだ。
沙耶ちゃんは申しわけなさそうに笑って、テレビの前に放置してあった広告を拾い、裏にメモりはじめた。
『右腕』『上半身』『左腕』『左足』『右足』『下半身』『頭』。
「なあ。。。」
彼女が拾い集めた人体のパーツが断定的だったので、不思議に思って聞いてみた。
「なんでその位置で切断なわけ?」
沙耶ちゃんは当たり前のように「だって、バラバラにされた遺体だったら、普通はこういう切り方でしょう?」と答えた。
842 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/17(日) 23:52:37 ID:ovpE2hAU0
<謎解き-4>
なんでそれに気づかなかったんだ。俺って、際限のない馬鹿かもしれない。
パソコンを開いて、検索窓に、カリノがいたトンネル名とバラバラ遺体と打ち込む。
出た。一番目にヒットしたURLをクリックすると、2chのオカルトスレにつながった。おいおいw 全然信用できない情報じゃないか。
ページを繰って、やっと事件概要を探し当てる。もう数十年前のことらしい。
『上半身と下半身も切断された』
白骨体。ビンゴって感じだ。
沙耶ちゃんに確認してみる。
「あのトンネル、カリノ以外にも霊が視えた?」
沙耶ちゃんはあいまいに頷きながら「数体が視えましたけど、どれも古くて消えかかってるって感じで。。。どんな人なのかもわかりませんでした」と返事をする。
なんだか妙だな。そんな弱い霊が、こんな激しい霊障を起こすもんなのか?
沙耶ちゃんが答えをくれた。
「ああ。それはまことさんのせいだと思います。カリノさんを浄化するときに的確なことをしてあげたでしょ。それを見てた他の人が、自分もしてほしくなったんです、きっと」
。。。なんて他力本願なヤツなんだorz
843 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/17(日) 23:53:21 ID:ovpE2hAU0
<謎解き-5>
「あと5つ残ってますけど。。。どうします?」と沙耶ちゃんが残パーツ数を数えながら言った。
「パスパスっ!あんな幻覚はもうゴメンだよ」
俺は激しく首を振った。
「それで済むでしょうか」
不吉なことを言う沙耶ちゃんの意見は、たぶん正しい。俺が集め終わるまでは、この白骨体は俺から離れていかない気がする。
「。。。いっそ、気に入らないヤツを5人ピックアップして、八つ裂きにするというのも手かな」
半分以上本気で言うと、沙耶ちゃんが引き攣りながら俺を見た。
「まことさんとケンカしたら殺されるかも」
俺は真面目に言った。
「そういうことを避けるために、今は俺のそばにはいないほうがいいよ」
沙耶ちゃんは軽く答えた。
「でもいます。別れるの、ヤダもん」
いい子だね、まったくw
たかが妄想だ。本当に人殺しするわけじゃない。気持ちさえしっかり持っていれば問題ない。
俺は霊ってものをまだまだ甘く見ていたんだ。
<謎解き-1>
それからさらに何時間経った頃だろう。また、台所から、包丁でまな板を叩く音がした。何かを不器用に刻む音。。。
沙耶ちゃんだ。今度は間違いない。
俺はベッドの上に飛び起きた。。。が。。。怖くて声をかけられなかった。今度、手にかけるのが沙耶ちゃんだったら、と思うと。
たとえ幻覚でもそれだけは嫌だ。
ためらっていると、沙耶ちゃんが気づいて、台所から顔を覗かせた。
「起こしちゃいました?」
彼女の表情に異変がないところを見ると、惨劇の跡は視えないようだ。
。。。よかった。彼女が能力を失くしていてくれて。
バイトの前に時間があったからわざわざ来てくれたのだと言う。時計を見ると、午後4時に差しかかっていた。
。。。ほんとに、一日中寝てたんだな、俺。
オムライスを作れるようになった沙耶ちゃんを心の底から誉めてやってww、一緒に食卓に着いた。
840 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/17(日) 23:51:18 ID:ovpE2hAU0
<謎解き-2>
不思議なもんだ。こうやって沙耶ちゃんを間近に見ていると、不安やイライラといった負の感情がなくなっていく。
逆か。。。ずっと沙耶ちゃんと一緒にいたおかげで、俺は、自分が穏やかな人間だと勘違いしてたんだ。さっきの由香さんの頚骨の感触を思い出して暗澹たる気分になる。俺の本性は、たぶん、あっちのほうだ。。。
他愛のない話に夢中になっている沙耶ちゃんに相槌を打ちながら、俺は、彼女と別れることを考えていた。自分をコントロールできない今は、彼女を俺から引き離したい。
俺にとっては必要な人だけどね。そう思うことはエゴだろ。
「沙耶ちゃん、少し距離を置こうか」
案外すんなり言葉にできた。。。。本音はすっげえ悔しいんだけどねw だってさあ、俺、こういう関係を何年も待ってたんだぜ。
沙耶ちゃんは困った顔をして、それから怒った顔をして、最後に泣きそうになった。
「なんでですか?」
あ。理由を考えるの、忘れてたな。。。
841 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/17(日) 23:51:52 ID:ovpE2hAU0
<謎解き-3>
機転を利かせる能力のなかった俺は、けっきょく、沙耶ちゃんに正直に話した。
怖がらせるか軽蔑されるかだと思ったが、沙耶ちゃんは真剣な表情で取り合ってくれた。
「まるで人間のパズルを作ってるみたいですね」
そういう彼女に「その言い方、軽すぎww」と訂正する。
俺にとっては頭がおかしくなりそうなほどのショックなんだ。
沙耶ちゃんは申しわけなさそうに笑って、テレビの前に放置してあった広告を拾い、裏にメモりはじめた。
『右腕』『上半身』『左腕』『左足』『右足』『下半身』『頭』。
「なあ。。。」
彼女が拾い集めた人体のパーツが断定的だったので、不思議に思って聞いてみた。
「なんでその位置で切断なわけ?」
沙耶ちゃんは当たり前のように「だって、バラバラにされた遺体だったら、普通はこういう切り方でしょう?」と答えた。
842 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/17(日) 23:52:37 ID:ovpE2hAU0
<謎解き-4>
なんでそれに気づかなかったんだ。俺って、際限のない馬鹿かもしれない。
パソコンを開いて、検索窓に、カリノがいたトンネル名とバラバラ遺体と打ち込む。
出た。一番目にヒットしたURLをクリックすると、2chのオカルトスレにつながった。おいおいw 全然信用できない情報じゃないか。
ページを繰って、やっと事件概要を探し当てる。もう数十年前のことらしい。
『上半身と下半身も切断された』
白骨体。ビンゴって感じだ。
沙耶ちゃんに確認してみる。
「あのトンネル、カリノ以外にも霊が視えた?」
沙耶ちゃんはあいまいに頷きながら「数体が視えましたけど、どれも古くて消えかかってるって感じで。。。どんな人なのかもわかりませんでした」と返事をする。
なんだか妙だな。そんな弱い霊が、こんな激しい霊障を起こすもんなのか?
沙耶ちゃんが答えをくれた。
「ああ。それはまことさんのせいだと思います。カリノさんを浄化するときに的確なことをしてあげたでしょ。それを見てた他の人が、自分もしてほしくなったんです、きっと」
。。。なんて他力本願なヤツなんだorz
843 :まこと ◆T4X5erZs1g :2008/08/17(日) 23:53:21 ID:ovpE2hAU0
<謎解き-5>
「あと5つ残ってますけど。。。どうします?」と沙耶ちゃんが残パーツ数を数えながら言った。
「パスパスっ!あんな幻覚はもうゴメンだよ」
俺は激しく首を振った。
「それで済むでしょうか」
不吉なことを言う沙耶ちゃんの意見は、たぶん正しい。俺が集め終わるまでは、この白骨体は俺から離れていかない気がする。
「。。。いっそ、気に入らないヤツを5人ピックアップして、八つ裂きにするというのも手かな」
半分以上本気で言うと、沙耶ちゃんが引き攣りながら俺を見た。
「まことさんとケンカしたら殺されるかも」
俺は真面目に言った。
「そういうことを避けるために、今は俺のそばにはいないほうがいいよ」
沙耶ちゃんは軽く答えた。
「でもいます。別れるの、ヤダもん」
いい子だね、まったくw
たかが妄想だ。本当に人殺しするわけじゃない。気持ちさえしっかり持っていれば問題ない。
俺は霊ってものをまだまだ甘く見ていたんだ。