魔の公園 | 本当にあった怖い話

本当にあった怖い話

本当にあった怖い話と意味がわかると怖い話を解説付きで書いています

自転車で40分ぐらいかけて通勤してます。
その通勤路に一ヶ所だけ、なんともいえないイヤな感じがする場所があるんです。
道路が陸橋になって交差している下に、小さな児童公園があるんですが、そこです。
上からは陸橋が覆い被さるようになっているし、煤けた上に落書きだらけの太いコンクリートの柱にはさまれているし、フェンスで囲われているし、昼でも人通りはほとんどないし、なんか重い感じがするんです。
暗くなるとかなり無気味なので、帰りはいつもその場所はダッシュで走り抜けることにしてました。

その日の帰りもそこを通りました。
まだ夕方の六時前でしたが、冬だったのですっかり暗くなってました。
黄色くて薄暗い街灯のあかりがかすかにその公園を照らしていて、自転車を漕いで近付いていくと、そのぼんやりとしたあかりの中に立っているのが見えてしまったんです。
その瞬間とっさに、

「ああ出たよ、ついに出たよ」

と思いました。もうすぐにわかったんです。生きてる人間じゃないって。
赤いスカートをはいた女の子です。小学生ぐらいでしょうか。
だいたいそんな暗い公園にそんな小さな女の子がひとりでいるわけがない。

怖いけど迂回路もないんです。
仕方なく、あまりそっちを見ないようにして力いっぱいペダルを漕ぎました。
早く通り抜けてしまおうと思って…。
そしたら、その子はずっと私の方を見ている気配なんです。
私は見ないようにしているんですが、わかりますよね、見られてるのって。
まっすぐこっちを向いて立っているんです。

すっごい怖かったですが、とにかく力いっぱい漕ぎました。
そのときはっきり聞こえたんです。

「お母さん」

もう気が狂いそうになりました。目をつぶって必死に漕ぎました。

「お母さん待ってたんだよ。一緒に帰ろう」

私は悲鳴をあげそうになるのをこらえて

「わたしはあんたのお母さんじゃない。何もしてやれないから。
お母さんじゃないの、何もしてやれないの、何もしてやれないの、ごめんね、ごめんね、お母さんじゃないっ…」

心の中で必死にそう叫びながら自転車を漕いでいって、その子に一番近付いた瞬間にちらっと見たんです。
ていうか見てしまったって感じです。
女の子はとても寂しそうな顔になっていて

「わかった」

と言ってふっと消えました。

因果関係はわかりませんが、そこはたいして急カーブでもないのに本当に事故がよくある通りの近くで、ガードレールが曲がってたり花束が置いてあったりがしょっちゅうなんです。
事件後、四歳になる息子を車に乗せてそこを通ったら突然、
「お母さん、この道はもう通らないで」
と言い出して超ビビりました。