揺れる足 | 本当にあった怖い話

本当にあった怖い話

本当にあった怖い話と意味がわかると怖い話を解説付きで書いています

その村には、ある資料の撮影のために行ってきました。
その資料というのは、ダム建設のために水没する村からここに運ばれてきた、古い民家の離れで歴史的価値のある建物らしくその取材(撮影)で行ってきました。
その離れは合掌造りで、重厚な雰囲気がとても離れにはみえない立派なものでした。
撮影などで一日を過ごし、当初の予定では日帰りでしたが、ご主人がとてもいい人で、薦められるまま我々は一泊することになりました。
夜は、ご近所の人なども集まり、ちょっとした宴会が開かれたのですが、昼間の疲れのせいか眠気に襲われました。
するとご主人の奥さんが『寝所の用意ができていますよ。』と声をかけてくれたので我々は就寝することにしました。
全部で5人でしたが、そのうちの2人はご主人宅の2階へ、私を含む3人が昼間に撮影をした離れに泊まることになりました。
離れの真中に3つ、きちんと蒲団がひかれていましたが、電灯が小さいので周りが薄暗く、撮影の時とはまた違った雰囲気が漂っていたのを覚えています。
3人とも奥さんに簡単な挨拶をして、早々に蒲団にもぐり込みました。
電気を消すと漆黒の闇という言葉がぴったりで、周りは雑音も無く、頬にあたる冷たい空気が、『ピーン』と今にも切れるのではないかというぐらいの静寂な闇でした。
すぐに眠りについたのですが、ふと目が覚めたのです・・・

『ゴリゴリ ギィ~ ギィ~』

気になるほどの音ではないのですが、どこからか音がかすかにするのです。
例えるなら風が吹いて、ドアが揺れているような・・・
そんなかんじでした。
どうやら他の2人も起きていたみたいで、『なんか気になるなぁ~ この音・・』みたいな話をしていました。
私も、『なんだろうな この音?』と話し掛けました。

『起きてたのか?』
『いや、この音で目が覚めたよ』
『そうか、これだけ周りが静かだと気になるよな』
『田舎ならではの事か』
『はっはっは 家ならまったく気にならん音だよな』

などと話をしながら煙草に火をつけました

『ぎゃぁ!!!!』

その瞬間、1人が凄い叫び声をあげて寝床から飛びだし、部屋から逃げ出そうとしたので、怖くなった我々も後を追いかけました
庭に止めてある我々のワゴン車の前で追いつき、『おい! なんだよ突然に』と怒った口調でいうと、最初は目をパチパチしていたのですがしばらく経つと人が集まりだし、落ち着いたようでポツリ、ポツリと話し始めました。

私が煙草に火をつけたときに、一瞬ライターの灯りで周りがぼんやりと浮かび上がったそうです。
何気なく私の動作を見ていた彼は、私の頭上で、かすりの着物の裾と白い足袋を履いた足が揺れているの見たそうです。
まるで振り子のようにゆっくりと揺れる姿を・・・
結局私たちは主人に謝りながらも決して離れには戻りませんでした。
帰宅してからすぐ知人にこの話を話すと、ある著名な芸能人が全く同じ体験を本に書いているのを聞き、改めて実話だったのかと納得していました。
私はそれまで霊体験などなかったのですが、ほんとに突然の霊体験でした。