私が一人暮らしをしていたときの話です。
そのときは真夜中にパソコンに向かっていました。
そう、今のあなたと同じように・・・
・・・夜中ですから、時折車が通るほどで、辺りはとても静かです。
こんなときはやたらに冷蔵庫などの電化製品の稼動音が耳につきます。
耳が敏感になっているからでしょうか。
その夜もそんな状態になりました。
「・・・から・・・しよう」
しばらくすると、何かこそこそとかすかに人の声らしいものが聞こえました。
「??」
近所で人が喋っているのかな?どこかの家のTVかな?
一度耳につくと気になってしまうものです。
「・・・まって・・なの・・・れは・・・」
何の声だろう?
隣人達の話し声かな?
しかし、どうも私の部屋のどこからか聞こえてくるようです。
・・・今いる部屋ではない。
風呂場でもない。
トイレでもない。
キッチンだ・・・・
キッチンに行くとわずかに声が大きく聞こえました。
「・・おねが・・でて・って・・」
「ばかや・おう・・・れてええか・・ああ・・」
その時、ようやく気味が悪くなりました。
「まさか、幽霊?」
さらにどこからか探しました。
・・・・下水管から聞こえる・・・・
「うわ!こんなとこから・・・」
私はどきどきしながら耳を澄ませて聞き入りました。
突然、
「ほんと・・でて・ってよ・」
はっきりと女が叫んでいるのが聞こえました。
下水管を通して他の家が声が聞こえているのです。
「何だと・・・殺され・ええか・・」
男女が言い争っているようです。
しかも、推察すると随分剣呑なことを言っています。
私は嫌だ嫌だと言いながら部屋の戻ろうとしました。
その瞬間、
「きゃあああああ・・・・たすけてええええ・・・・」
悲鳴が聞こえました。尋常ではありません。これだけの悲鳴です。
近所からならば外から聞こえてきてもおかしくありません。
しかし、聞こえてくるのは下水管だけ・・・
私は馬鹿げてると思いながらも
「どうしましたぁ!?」
と下水管に向かって叫びました。
その途端、声がぴたりと止んだのです。
「・・・・?」
・・・なんだよただの痴話喧嘩か?
・・呆れて本当に部屋に戻ろうとしたとき、
「お前・・・誰だ?・・」
今度ははっきりと恐ろしげな男の声が聞こえました。
しかも私に向かって・・さらに、
「女は死んだよ・・・くくく・・・」
背筋がぞくりとしました。
不思議なことに下水管から聞こえたのは後にも先にもこのときだけです。
・・最後に言葉が男の悪戯であればいいのですが・・